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飛んで火に入る夏のヒナ
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▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
「ああんっ」
一人ずつにしてほしいのに、二人から同時に身体をまさぐられて私は体をくねらせる。
「気持ちがよさそうだな」
「ずいぶんと飢えていたんだね」
背後の品川さんは私の胸を揉みながら首筋に舌を這わせる。ゾクゾクして堪らない。
「こんなにびしょびしょになってる緋夏を初めて見た」
陽貴は蜜壺に二本の指を抜き挿ししてわざとらしく水音を奏でる。ナカがうねった。
「へえ。僕に触られて気持ちがいいのかな?」
耳元で囁かれるとビクッと震えた。私は品川さんの声が好きである。頭が一瞬真っ白になった。
「あっ」
「冬馬がいるからじゃなくて、二人がかりで責められているからじゃないのか?」
「ふぅん? 緊張しないあたり、才能があるんだろうね」
「……そういう考えもあるか」
足を大きくひろげられて、秘部を陽貴に舐められる。どこが気持ちがいいのか熟知した動きに翻弄される。
「ひゃ、だ、だめぇ」
「気持ちよくなっておけよ、緋夏」
「やっ、ああっ」
おかしくなってしまう。逃げ出したくて暴れようとしたら、品川さんにホールドされてしまった。顔の向きを変えられて、口づけられる。
厚みのある舌が私を絡め取った。
「んん……っ」
私の反応に合わせて、硬く勃った胸の先を品川さんに弾かれる。
陽貴の責めも的確すぎて、私の体は強く痙攣した。視界が真っ白になって、頭の奥がきぃんと痛む。
品川さんの唇が離れる。小さく喘ぐ私の唇と彼の唇が銀糸で結ばれている。
「や、だ……こんな、っ」
「ふふ。どっちが気持ちよかった? 教えてくれたら、勝負は終わりにするよ」
品川さんが提案してくる。陽貴は勝手に決めるなって文句を言っているが、私の耳には入ってこない。
「わ、わた、し、は……ああんっ」
チラッと陽貴を見た瞬間に胸の先端をつままれた。体が跳ねる。
「僕の名前を呼んで。冬馬って呼ぶんだ。そうしたら、もっと気持ちよくしてあげる」
「緋夏。お前のことをよく知ってるのは俺のほうだろ。今まで以上に可愛がってやるから、陽貴って呼べよ」
ああ、だめだ。選べない。
陽貴と呼ぶつもりでいたのに、品川さんに見つめられたら言葉が出ない。
品川さんは――冬馬さんは私をどう抱くんだろう。
「…………っ」
声が出ない。どうも枯れてしまったようだ。
「おや、鳴かせすぎたかな?」
「休憩を挟むか」
二人が離れた。
心臓が忙しく動いている。こんな状態では体がもたない。
「一回シャワーを浴びて、水分補給だな」
体がベタベタしている。汗をかいたのもそうだし、あちこちキスされたり舐められたりしたからだ。
化粧も落としたいけど、気力がわかないな……
全力疾走のあとみたいだ。体が気怠くて重たい。
「緋夏は化粧落とし、使うか?」
陽貴が自分の旅行鞄からメイク落としシートを取り出して、私のそばに置いてくれる。何度か旅行をしていることもあって、陽貴はよくわかっている。
私が頷くと、シートを一枚取って握らせてくれた。申し訳ない。
「……待って」
陽貴の前ですっぴんになることは抵抗がないが、品川さんの前はどうだろう。
「どうした?」
動きが止まったのを見て、陽貴は首を傾げた。私はチラッと浴室に向かう品川さんの背中を見て、察しろと示す。
「……嫌なら、俺と抜け出すか?」
陽貴の提案に乗るふりをしてこの場から逃げ出したかったが、それを許してくれるような相手ではない。
品川さんは振り向いて戻ってきた。
「抜け駆けの相談?」
私は慌てて首を横に振った。見逃してほしい。限界です。もう充分に発散したんで、今日は終わりにしましょうよ。
あー、でも、続きはまた今度、みたいな展開も勘弁してほしいんだよね……
落としどころが見えない。品川さんが、私が想定していたよりも、こう、ずっと、執念深い。私の反応を敏感に察しながら、的確に責めてくる。声に弱いことも早々に見抜かれてしまったらしかった。もう無理。お腹いっぱいです。
陽貴ももっとドライな方向を期待していたのに。品川さんが絡んでくるからかねっとりしている。対抗心を刺激されているようで、でも乱暴な部分がいつも以上に鳴りをひそめて感じやすく責められる。こんなのは初めてだ。
「休憩しないで、最後までしようか、緋夏ちゃん」
にこっと笑っているようなのに、目が怖い。マジで怖い。
怯えているのを察してほしいなあ!
「明日に差し障るから、無理させないでほしい」
「へえ、彼氏ヅラするんだ? 別れたのに?」
「緋夏を大事にできないヤツには渡したくない。緋夏には幸せになってほしいんだ」
私の体は陽貴に引き寄せられた。
「陽貴……」
「もういいだろ。解放してやってほしい」
「でも、緋夏ちゃんは答えてないよ?」
「わ、私は――」
品川さんに見つめられると言葉が詰まる。
無難にやり過ごすなら陽貴を選ぶべきだ。
冒険したいなら品川さんを選べばいい。
二人を選ぶのは、体力的に無理すぎる。
「……うん?」
聞こえないよ、という感じで品川さんが促してくる。
私は陽貴にしがみついた。
「ふむ。お気に召さなかったかな?」
目が怖い。マジで怖い。
ぶるっと震えてしまって、それに気づいたらしい陽貴が私の背中を撫でた。
「脅すのはよくないんじゃないか?」
「そういうつもりはなかったんだけど」
「緋夏を休ませてやりたい。出て行かずに待ってるから、先にシャワーを浴びてほしい」
喋ることができない私に代わって、陽貴が交渉してくれる。頼りになるのだ、陽貴は。
品川さんは困ったように笑って、手のひらをひらひらと振った。
「承知。逃げ出したらそれなりのペナルティだよ」
声を低めて言わないでほしい。
品川さんは陽貴と目配せをすると、浴室へと消えた。
「ああんっ」
一人ずつにしてほしいのに、二人から同時に身体をまさぐられて私は体をくねらせる。
「気持ちがよさそうだな」
「ずいぶんと飢えていたんだね」
背後の品川さんは私の胸を揉みながら首筋に舌を這わせる。ゾクゾクして堪らない。
「こんなにびしょびしょになってる緋夏を初めて見た」
陽貴は蜜壺に二本の指を抜き挿ししてわざとらしく水音を奏でる。ナカがうねった。
「へえ。僕に触られて気持ちがいいのかな?」
耳元で囁かれるとビクッと震えた。私は品川さんの声が好きである。頭が一瞬真っ白になった。
「あっ」
「冬馬がいるからじゃなくて、二人がかりで責められているからじゃないのか?」
「ふぅん? 緊張しないあたり、才能があるんだろうね」
「……そういう考えもあるか」
足を大きくひろげられて、秘部を陽貴に舐められる。どこが気持ちがいいのか熟知した動きに翻弄される。
「ひゃ、だ、だめぇ」
「気持ちよくなっておけよ、緋夏」
「やっ、ああっ」
おかしくなってしまう。逃げ出したくて暴れようとしたら、品川さんにホールドされてしまった。顔の向きを変えられて、口づけられる。
厚みのある舌が私を絡め取った。
「んん……っ」
私の反応に合わせて、硬く勃った胸の先を品川さんに弾かれる。
陽貴の責めも的確すぎて、私の体は強く痙攣した。視界が真っ白になって、頭の奥がきぃんと痛む。
品川さんの唇が離れる。小さく喘ぐ私の唇と彼の唇が銀糸で結ばれている。
「や、だ……こんな、っ」
「ふふ。どっちが気持ちよかった? 教えてくれたら、勝負は終わりにするよ」
品川さんが提案してくる。陽貴は勝手に決めるなって文句を言っているが、私の耳には入ってこない。
「わ、わた、し、は……ああんっ」
チラッと陽貴を見た瞬間に胸の先端をつままれた。体が跳ねる。
「僕の名前を呼んで。冬馬って呼ぶんだ。そうしたら、もっと気持ちよくしてあげる」
「緋夏。お前のことをよく知ってるのは俺のほうだろ。今まで以上に可愛がってやるから、陽貴って呼べよ」
ああ、だめだ。選べない。
陽貴と呼ぶつもりでいたのに、品川さんに見つめられたら言葉が出ない。
品川さんは――冬馬さんは私をどう抱くんだろう。
「…………っ」
声が出ない。どうも枯れてしまったようだ。
「おや、鳴かせすぎたかな?」
「休憩を挟むか」
二人が離れた。
心臓が忙しく動いている。こんな状態では体がもたない。
「一回シャワーを浴びて、水分補給だな」
体がベタベタしている。汗をかいたのもそうだし、あちこちキスされたり舐められたりしたからだ。
化粧も落としたいけど、気力がわかないな……
全力疾走のあとみたいだ。体が気怠くて重たい。
「緋夏は化粧落とし、使うか?」
陽貴が自分の旅行鞄からメイク落としシートを取り出して、私のそばに置いてくれる。何度か旅行をしていることもあって、陽貴はよくわかっている。
私が頷くと、シートを一枚取って握らせてくれた。申し訳ない。
「……待って」
陽貴の前ですっぴんになることは抵抗がないが、品川さんの前はどうだろう。
「どうした?」
動きが止まったのを見て、陽貴は首を傾げた。私はチラッと浴室に向かう品川さんの背中を見て、察しろと示す。
「……嫌なら、俺と抜け出すか?」
陽貴の提案に乗るふりをしてこの場から逃げ出したかったが、それを許してくれるような相手ではない。
品川さんは振り向いて戻ってきた。
「抜け駆けの相談?」
私は慌てて首を横に振った。見逃してほしい。限界です。もう充分に発散したんで、今日は終わりにしましょうよ。
あー、でも、続きはまた今度、みたいな展開も勘弁してほしいんだよね……
落としどころが見えない。品川さんが、私が想定していたよりも、こう、ずっと、執念深い。私の反応を敏感に察しながら、的確に責めてくる。声に弱いことも早々に見抜かれてしまったらしかった。もう無理。お腹いっぱいです。
陽貴ももっとドライな方向を期待していたのに。品川さんが絡んでくるからかねっとりしている。対抗心を刺激されているようで、でも乱暴な部分がいつも以上に鳴りをひそめて感じやすく責められる。こんなのは初めてだ。
「休憩しないで、最後までしようか、緋夏ちゃん」
にこっと笑っているようなのに、目が怖い。マジで怖い。
怯えているのを察してほしいなあ!
「明日に差し障るから、無理させないでほしい」
「へえ、彼氏ヅラするんだ? 別れたのに?」
「緋夏を大事にできないヤツには渡したくない。緋夏には幸せになってほしいんだ」
私の体は陽貴に引き寄せられた。
「陽貴……」
「もういいだろ。解放してやってほしい」
「でも、緋夏ちゃんは答えてないよ?」
「わ、私は――」
品川さんに見つめられると言葉が詰まる。
無難にやり過ごすなら陽貴を選ぶべきだ。
冒険したいなら品川さんを選べばいい。
二人を選ぶのは、体力的に無理すぎる。
「……うん?」
聞こえないよ、という感じで品川さんが促してくる。
私は陽貴にしがみついた。
「ふむ。お気に召さなかったかな?」
目が怖い。マジで怖い。
ぶるっと震えてしまって、それに気づいたらしい陽貴が私の背中を撫でた。
「脅すのはよくないんじゃないか?」
「そういうつもりはなかったんだけど」
「緋夏を休ませてやりたい。出て行かずに待ってるから、先にシャワーを浴びてほしい」
喋ることができない私に代わって、陽貴が交渉してくれる。頼りになるのだ、陽貴は。
品川さんは困ったように笑って、手のひらをひらひらと振った。
「承知。逃げ出したらそれなりのペナルティだよ」
声を低めて言わないでほしい。
品川さんは陽貴と目配せをすると、浴室へと消えた。
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