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腹癒せにドラゴン退治に行ってきます!

ふつうに話し合いませんか? ああ、無理ですか…… 3

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 マッチョさんは穏やかな表情で私に触れながら言葉を続ける。

「――俺は王都にいた間は王宮で仕事をしていた。同じように王宮で仕事をしていた母が亡くなって、家を維持できなくなった俺は、周りの勧めもあってあの岩山に住むことにしたんだ。あの周辺の土地は俺の一族の持ち物でもあったし、隠居するのもいいかと思ったんだ」
「隠居……それって、ドラゴンになっちゃうことと関連してる?」

 私はマッチョドラゴンのことを思い出す。王都であの巨体を隠すには、それこそ王宮内か公爵家のお屋敷でないと無理である。私の家も大きいけれど、庭が狭いことを思うとちょっと厳しい。だとしたら、東方の岩山はちょうどいいだろう。あと、雰囲気的にも。

 問うと、マッチョさんは頷いた。

「ああ。王都暮らし中にうっかりドラゴンになっちまったら厄介だ。竜化の影響も顕著になってきたことだし、山奥に引っ込んでおこうと思った」

 竜化って面倒ねえ、と他人事に感じながら、私は祠にかけられていた魔法のことを思い出す。

「でも、移動制限されていたのよね? あれ、宮廷魔導師の魔法でしょ? 封印の魔法だったわ。あの土地から逃げられないようにした魔法……あなた、何か恨まれるようなことでもしたの?」

 見た目はガタイがいいのと目つきの鋭さでおっかないが、中身は温厚な人物である。私とは違って恨まれるようなことをわざとはしない気がするけれど、念のため。

「俺自身はそういうつもりはなかったんだがな……どこで怨みを買うかはわからんもんだし。ひとつ確実に言えることは、罠にはまって、俺はあそこから出られなくなったってことくらいだな」
「災難ね」

 もともと遠出をするつもりはなかったのだろうけれど、行動範囲を狭められてしまうと窮屈に感じられるものだ。不憫である。

 ところが、マッチョさんは私と顔を合わせると笑顔を作った。

「だが、お陰でドラゴンの噂は王都にも届いたようだし、貴女が来てくれた」
「私はあなたを倒しに行ったのよ? 王太子さまが、私がやったことを帳消しにしてほしかったらドラゴンを倒してこいって」
「それなんだが――」

 マッチョさんは私の鎖骨に舌を這わせた後、胸の先端にしゃぶりついた。舐められたり吸われたりすると、ヘソの下あたりが疼いて蜜をこぼす。

 ああんっ、いきなり激しくしちゃいやぁ……

 あからさまに感じてしまった。恥ずかしい。
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