【R-18】ザマァされた悪役令嬢ですが、腹癒せにドラゴン(ラスボス)退治に行ってきます!

一花カナウ

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腹癒せにドラゴン退治に行ってきます!

不満なので許しませんけど。 4

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 ゲルハルトさんが最後までしてくれなかった理由は、私の身体を気遣ったからだけではなく、アーデルベルトの婚約者だと知ったからもあるようだ。なんとも難しい関係のような気がする。

「こんなことなら、お前にきちんと思いを告げておけばよかったな」

 ため息とともにボソリと呟かれたアーデルベルトの後悔の言葉は、抱きかかえられていたからはっきりと聞こえた。わざと聞こえるように言ったのかもしれないけど。

 なんだ……ちゃんと愛してくれていたのね。きっかけは身体目的っぽかったけど。

 政治面では器用なところしか見せない王太子さまであるが、恋愛ごとに関しては不器用なのかもしれない。ゲームでも、奥手な部分にギャップが感じられていいとの評価があったような気がする。
 そこで、ハッとベッドの上での言動を思い出す。私は焦った。

「あ、あのっ、城に帰るって話だと思いますが、そのあと牢に突っ込まれて監禁……みたいな展開にはなりませんよねっ⁉︎」

 そう。アーデルベルトは言っていた。自分のためのショーをさせたい、と。世界中からオモチャを集めて遊んでやると――そう言い放っていた。それは洒落にならない。
 私は血の気が引いていく。紅くなったり蒼くなったりと、今の私は忙しい。
 アーデルベルトはほくそ笑んだ。

「そうだな。ゲルハルト叔父から取り返すなら、それもアリかもしれないな」

 おおう、悪い顔してるっ‼︎

 冷や汗が止まらない。一刻も早く、脱出せねば!

 ところが、アーデルベルトはすぐに真顔になった。

「――だが、お前にも仕事があるんだ。ちゃんと制服も用意してやるから、オレの指示に従ってほしい。お楽しみはそのあとだな」
「わ、私はアーデルベルトさまの慰みモノになるつもりはありませんよっ!」

 諦めてないんかいっ‼︎

 牢に閉じ込められるエンドなんて真っ平御免である。悪役令嬢の末路としては、まだマシな展開かもしれないけど。

「一度くらい抱かせてほしいがなあ。ずっと我慢していたんだから」
「い、嫌です」
「地位と名誉を回復させてやるぞ?」
「そんなもの、もう結構です」

 くっそ、しつこいぞ! そんなに執着しないでほしい。執着心をみせるくらいなら、手綱を離さなければよかったのに。

「ふぅん? この仕事が片付いたときも、そう思っていられるかな?」
「え? ――どういう意味?」

 そこで宿から外に出た。まだ太陽は低い位置にある。夜が明けてからそう経っていないようだ。空には明るい星がかろうじて見えた。
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