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腹癒せにドラゴン退治に行ってきます!
不本意なショー 2
しおりを挟む「そうか……」
私の提案に、アーデルベルトはなにやら思案している。「ならばオレが揉んでやろう」と言いださなかったあたり、希望はあるかもしれない。
「ねえ……お願い……」
わざと甘ったるい声を出して誘惑してみる。慣れない演技だし、あとから絶対に思い出したくない場面になること間違いなしだが、なりふり構ってはいられない。
アーデルベルトさまは私をオモチャにして気を晴らそうとなさっているんだから、どんなに安っぽくても乗ってくれていいと思うんだけど。
それに、こんだけ恥ずかしい思いをさせたんだから、そろそろ解放してほしい。魔力を取り戻したら、全力でいたぶって返してやるんだからっ! ――って、悪役らしいことを妄想しなくてもいいか。
私が様子をうかがっていると、アーデルベルトはなにかを思いついたような顔をした。
おっと、嫌な予感……
「そうだな、ルツィエ。そんなに胸に刺激がほしいなら、うつぶせになってみたらどうだ? 腰を浮かせて、尻はオレに向けてすればいい」
「ええっ⁉︎」
確かにその体勢なら――と思ってしまったのがマズかった。
やぁんっ⁉︎ 私のバカっ! 納得するなぁっ‼︎
もっと気持ちよくなりたいという自身の願いには従順らしい。
アーデルベルトの意見を採用した私の身体は、素直にうつぶせになる。枕に顔を埋めるようにしたあとに、腰を高く持ち上げた。
「おお、いい眺めだな。可愛いじゃないか、ルツィエ」
「い、いやぁっ、褒めないでぇっ」
「ふっ、お前の浅知恵でオレを出し抜けると思うなよ」
私の意図などお見通しということかっ‼︎ まあ、あなた様のことは確かに賢い人だと評価していましたけどねっ! 私はどっちかというとパワーで押し切る脳筋の方だしねっ‼︎
「や、やぁっ……ああんっ……」
どうしてこんなことに――と自身を呪いつつ、私はとにかくこのしょうもないショーを終わらせたくて指と身体を動かす。
腰を動かせば上半身も動いて、シーツに擦れた胸の先端が快感を生む。濡れた指先が溝をなぞって粒に触れれば、ジンジンとヘソの下の辺りが疼いた。濡れた音が私を狂わせる。
「すごく淫らだ……。可愛いルツィエ」
うっとりとした声がする。アーデルベルトを満足させることに対しては私には不満しかないが、達してしまえば術が解ける。それまでは我慢だ。
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