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腹癒せにドラゴン退治に行ってきます!
特殊系の魔導師 2
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私があれこれ思い返している間にも、マッチョさんは説明の続きを語ってくれる。
「彼女が王太子さまに近づいた理由は、この国の混血が進みすぎているからだろう。国内においては魔法を使えない人はほとんどいないレベルだ。誰でも簡単なものなら何かは使える――それは、純粋な種がいなくなっていることを示している。彼女らは人とドラゴンは別の地域で生活をすべきだと考えているから、なにかしらの対策をするよう助言することだろう」
マッチョさんはそこまで説明して、険しい顔をする。目つきが鋭いから、結構迫力があるんですが。
私はマッチョさんが黙ってしまったので、言葉を促すことにする。
「……助言する程度なら、慌てる必要もないと思うけど」
「平和的にいくならいいんだが……混血種は純血種には戻れないだろう? 混血種を根絶やしにしたいと考えている場合、国を混乱に陥れて戦争を起こし、滅ぼしてしまうのが早い。直接的に手を下さなくてもいいからな」
「いやいや、彼女はそんな大胆なことできないって」
私は微苦笑を浮かべた。
マリアンネは無個性な少女だ。陰が薄いというか。そもそも、乙女ゲームのヒロインとして設定されていることもあって、キャラクター性は弱めである。
優柔不断で周りに感化されやすいあの子が、単独でそんなことを計画する? 神さまの御告げを受けての行動だというにしても、なんかイメージに合わないんだけど。
私が否定すると、マッチョさんは何かを知っているのか、目をスッと細めた。
「だが、彼女の背後に何者かがいたら、また話は変わるんじゃないか?」
「え……?」
誰かがマリアンネの力を利用して何かを企てている可能性……
私は瞬時に彼女の行動を振り返る。彼の指摘自体は否定できない気がした。
ゲームの全てを覚えているわけじゃないし、ぼんやりしている部分も多いのだけれど、マリアンネへの嫌がらせを続けてきた私には違和感を抱いていることがあった。
「彼女が王太子さまに近づいた理由は、この国の混血が進みすぎているからだろう。国内においては魔法を使えない人はほとんどいないレベルだ。誰でも簡単なものなら何かは使える――それは、純粋な種がいなくなっていることを示している。彼女らは人とドラゴンは別の地域で生活をすべきだと考えているから、なにかしらの対策をするよう助言することだろう」
マッチョさんはそこまで説明して、険しい顔をする。目つきが鋭いから、結構迫力があるんですが。
私はマッチョさんが黙ってしまったので、言葉を促すことにする。
「……助言する程度なら、慌てる必要もないと思うけど」
「平和的にいくならいいんだが……混血種は純血種には戻れないだろう? 混血種を根絶やしにしたいと考えている場合、国を混乱に陥れて戦争を起こし、滅ぼしてしまうのが早い。直接的に手を下さなくてもいいからな」
「いやいや、彼女はそんな大胆なことできないって」
私は微苦笑を浮かべた。
マリアンネは無個性な少女だ。陰が薄いというか。そもそも、乙女ゲームのヒロインとして設定されていることもあって、キャラクター性は弱めである。
優柔不断で周りに感化されやすいあの子が、単独でそんなことを計画する? 神さまの御告げを受けての行動だというにしても、なんかイメージに合わないんだけど。
私が否定すると、マッチョさんは何かを知っているのか、目をスッと細めた。
「だが、彼女の背後に何者かがいたら、また話は変わるんじゃないか?」
「え……?」
誰かがマリアンネの力を利用して何かを企てている可能性……
私は瞬時に彼女の行動を振り返る。彼の指摘自体は否定できない気がした。
ゲームの全てを覚えているわけじゃないし、ぼんやりしている部分も多いのだけれど、マリアンネへの嫌がらせを続けてきた私には違和感を抱いていることがあった。
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