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腹癒せにドラゴン退治に行ってきます!

ドラゴンのいる世界 3

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 マッチョさんは言葉を続ける。

「竜化というのは先祖返りみたいなもので、内包する魔力が大きいと稀に起きる。俺はそうだ」

 自身の大きな手のひらを見つめながら、彼ははっきりと告げた。

 なるほど。生まれ持った魔力が大きいということは、ドラゴンの血が濃いということと同義なのかもしれない。
 少なくともこの国は、内在する魔力が強い人間を作るために優秀な魔導師同士で婚姻を結ぶことがしばしば見られる。私が王太子の婚約者に選ばれたのも、侯爵家の人間だからということのほかにそういう文化的な背景もあるのだった。
 私は彼の説明に頷く。そして、今の説明から導き出されるある疑問を口にした。

「じゃあ、偉大なる魔導師の一族である私には、ドラゴンの血が強く残っているってこと?」

 私の疑問にマッチョさんはゆっくりと頷いた。こちらに視線を向けて、苦笑する。

「そうなるな。俺の一族もドラゴンの血が強く残る一族だ。そして、この国の王家も」

 王家に優秀な魔導師が多いのは既知の事実だ。王族を抜けて臣下となり、その魔導師としての力を存分にふるっている人物の名前が、この国の長い歴史には何人も刻まれている。

 まあ、王太子さまは魔導師としての才能よりも王としての才能の方が長けている人物よね。策士タイプで、さらに言うなら最前線の現場に出るよりも後方で指示する人。

 そこまで考えて、はたと気づく。
 マッチョさんとの魔力の相性が超最高であるということ、そして、それまでは王太子さまが一番魔力の相性がいいと思っていたことの両方には、何か共通点があるのではないか。

「となると、私と王太子さまの魔力の相性がよかったのって……」
「ドラゴンの血が惹かれあっていたということだと、俺は考える」

 えー、それって、いつかドラゴンが人間から生まれることになりませんかね? ――いや、この話は突っ込まないようにしよう。
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