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戦場の処女は誘惑する
戦場の処女は誘惑する・12
しおりを挟む「……ん? 特殊強襲部隊への派遣は君の意志は関係なく配置されたのだと聞いていたが」
マーティナは首を横に振る。
「強制ではありましたけど、積極的に関わって仕事に励んでいたつもりですよ。自分の特性が活きる部署だと思えたので。任務は常に命懸けですし、仲よくなった鉱物人形はすぐに消滅してしまうので、心が荒むなあって感じていましたけど……でも、ルビさんはパートナーとしての仕事っぷりも優秀ですし、怪我もほとんどしなかったですし、とっても尊敬しているんですよ、私」
マーティナはできるだけ首を後ろに向けて笑った。
「ルビさんにも、そういうふうに私のことを思っていただけたらなあって、考えていたんですよ。足を引っ張っているってことはなかったと考えているんですけど、パートナーとして特殊強襲部隊に残るには、まだまだ足りないですかねえ、私」
「なんとも言えないな……」
「私の安否をずっと気にかけていたってことは、私があなたの背中を預かることは難しいとお考えなのでしょう。魔力の補給用のタンクとしてだけでなく、もっと強くなってあなたを支えたい。ルビさんにふさわしい存在になれるような気がしていたんですけどね……これから先、激化していくだろう戦闘で、私は誰かの保護なしには残れないとあなたがいうなら、きっとここまでなのでしょう。ここが限界。今日、残れたのも運でしょう」
そう告げて、マーティナは自分が生き残れた要因について思い至った。つい口元が緩む。
「……ふふ。オパールさんの加護でしょうかね。ホームに帰ってこいって、オパールさんが願っているから、生き残ったんでしょうね。私は、ルビさんと一緒に、これからもずっといたいのに……」
「それは、本音か?」
「寝言、です」
「そうか」
腰に回された腕に力が入った。マーティナはぼんやりと背後のルビを見やる。
「少し休んだほうがいい。こうして抱きしめておくから」
「襲ってもいいんですよ?」
「そんな元気はない」
「ふふふ……じゃあ、続きは目が覚めてからにします」
マーティナはルビの唇に自身の唇を重ねた。触れるとどことなく安心する。
「この気持ちが愛や恋じゃないなら、私は誰とも……」
言葉を紡ぎながら、マーティナは意識を手放した。
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