36 / 54
後日譚・番外編置き場
衣装が届きました。
しおりを挟む
番外編 衣装が届きました。
年末だから宴会をしようと、ジョージ神父が私たちのいる縁結びの神殿に訪ねてきたが、用件はそれだけではなかった。
オスカーとともに台所に向かおうとする私を、ジョージ神父が引きとめる。
「レネレットお嬢さん、君に渡したいものがあるんだ。ちょっといいかい?」
「私に、ですか?」
確認すると、ジョージ神父はニコニコ顔で頷いた。
ジョージ神父はこの神殿を訪ねてくるときには何かしらを持参する。今日は随分と大荷物だが、その中身はお酒だけではないということだろうか。
オスカーが訝しげにこっちを見ているので、私はアイコンタクトで二人きりになってもいいかと尋ねる。オスカーは仕方がないといった様子で頷き、台所へと行ってしまった。ジョージ神父がオスカーから信頼されていることが、こういう態度から伝わってくる。
オスカー以外の異性と二人きりになるのは久しぶりだ。私は大柄なジョージ神父を見上げた。
「渡したいものってなんですか?」
私が尋ねると、ジョージ神父は自分が担いできた荷物の中から贈り物だと一目でわかる袋を取り出す。差し出された袋を私は受け取った。それは大きさのわりには柔らかくて軽い。
「そろそろ必要になるだろうと思って。誰かからのお下がりでもいいだろうけど、ついこの前まで伯爵令嬢だった君には新品がいいはずだ。是非、使って欲しい」
「えっと……中を見てもよろしいですか?」
ジョージ神父の説明では中身の正体がイメージできず、私は首を傾げながら尋ねた。すると、ジョージ神父は開封を促すように片手で示す。
さっそく、私は袋を開けて中身を確かめることにした。
んん? 黒い布……?
ちらっと見ただけではわからなかったが、引っ張り出して全体を見るとその正体に気がついた。
「これ……!」
白い布と黒い布を使って作られたワンピース型のそれは、縁結びの神殿に仕えるシスターたちが纏っている衣装だった。自分の身体に当ててみると、丈はピッタリだ。
「ドレスを作るために、この前採寸しただろう? そのあとにオスカーからそれを発注されてさ。春になるまではいいと言っていたけれど、新年から着れたほうがなにかと都合がいいかと思ったんだ。まずは着てみてくれ。サイズがズレていたら直させたいし」
「はい! わかりました。今、着替えてきますね」
サイズ調整のためとはいえ、自分の仕事着をすぐに着られるのが嬉しい。
オスカーが発注しておいてくれたこと自体も嬉しかった。こうして服を用意してくれたということは、部屋に閉じ込めておくためだけの口実として教典を押し付けてきたわけではないのだろう。この事実は私を安堵させた。少しでも早く、オスカーの役に立ちたい。
受け取った袋ごとしっかり抱きしめて私の部屋に向かおうとすると、その背中に声をかけられる。
「あ。その袋の中に入っているもう一つのは俺からのプレゼントだ。オスカーと二人きりになった時に見せてやれ」
「ん? よくわかりませんけど、承知いたしました!」
確かに袋にはシスターの衣装以外にも柔らかい何かが入っている。ここで出すように言われなかったので、私は大事に抱えて私室に入ったのだった。
数分後。私はジョージ神父から受け取った衣装を身につけて部屋から出た。すぐにジョージ神父が待つ応接間を訪ねる。
「どうでしょうか?」
自分としてはサイズはピッタリで、身体のラインにもとても馴染んでいる。自分のために作られただけあって、身体に合っていながらも動きにくさは感じられない。よくできている。
ジョージ神父の前に立つと、彼は私をまじまじと見た。一応くるりとその場で回って、全身を見てもらう。
「特に問題はなさそうだな。着心地はどう?」
「身体にフィットしているわりには窮屈さがなく、動きやすいです。丈もちょうどいいですし、問題ないかと」
「そりゃあよかった」
ジョージ神父がうんうんと何度も満足げに頷いているところに、オードブルが盛り付けられた皿を持ったオスカーが部屋に入ってくる。私の姿が目に入ったらしく、オスカーはその場で立ち止まってしげしげと見つめた。
「ほう、馬子にも衣装ですね」
「そりゃあまだ見習いですよっ!」
私が膨れると、オスカーはクスクスと小さく笑って、オードブルをローテーブルに置く。本気でそう思ったのか、私をからかいたくてそう告げたのか、今ひとつわかりかねる反応だ。
「レネレット嬢、似合うと思わないか? そそられるだろ、このラインのあたり」
ジョージが私の胸から腰のあたりを指差して言えば、それを見ていたオスカーがげんなりとした表情でため息をついた。
「シスターを性的な目で見ないでください。レネレットさんは、まだ見習いですらないですが、不愉快です」
おお、そういうのは不愉快なのか。
オスカーの態度と言葉に、不覚にもときめいてしまった。
「そこは素直に、妻をそういう目で見るな、と言えばいいじゃないか」
「そもそも、ジョージはデリカシーがなさすぎます。あなたの神殿のシスターがお使いでこちらに来た時、セクハラを訴えてくることもしばしばあるんですが」
セクハラ。確かに……
私が呆れた視線をジョージ神父に向けると、彼は苦笑いを浮かべていた。思い当たる節はあるようだ。
「まだ、手は出していないぞ」
「当然です。子孫を残す気があるのであれば、パートナーを決めることをお勧めしますよ」
やれやれと言った様子でオスカーが言う。ジョージ神父はそれきりこの件については何も言わなかった。
神殿の後継者問題も大変なのかもしれないわね。跡継ぎのために、国が認める結婚はできなくても子を成すことはあると言っていたけど。
私がオスカーのパートナーを務めるのであれば、いつかは子どもを産むことになる。オスカー自身も私との子どもを望んでいるようなので、ほぼ必然的に私たちの子どもがこの縁結びの神殿を継ぐことになるのだろう。
仕事で役に立てなくても、後継者を産み育てることができれば、まずまずかしらね。
私に何ができるのかはわからない。でも、まずはやれることをやっていこうと決めたのだった。
宴会が始まって、ジョージ神父とオスカーは仲良く飲んでいる。双方の神殿で起きた事件の話を中心に、ほとんどが世間話であるが、ジョージ神父はとても楽しそうにお酒を飲んでいた。
いいなあ、友だちとこうして飲むなんて。
実家にいた時は専属メイドのリズがいろいろな相手をしてくれた。彼女は私の実家であるゴットフリード伯爵家に残ったので、もう会うこともないのかもしれない。
二人を見ながら、実家のことを思い出してしまう。昼間に実家宛の手紙を書いていたことも原因だろう。
オスカーと新しい家族を作るのも楽しいだろうけど、なんかやっぱり寂しいかな……
ジョージ神父に勧められたお酒が美味しい。飲みすぎないようにちびちび飲み進めていたが、なんだか意識がぼうっとしてきている。
私はちゃんと彼らの受け答えができているだろうか。
そんなことを思っているうちに、意識が霞んでいった。
*****
オスカーは眠ってしまったレネレットを抱えて、自分の部屋に連れて行った。オスカーの私室には暖房設備がある。朝凍えてしまわないようにとの配慮であって、他意はない。
「ほんと、あなたは無防備ですね……」
このまま寝かせようかと思ったが、せっかく新品のシスターの服にシワがついてしまう。仕事で着るためには、今は着替えておいたほうがいいだろう。
――目は覚ましそうにないですね。
何度もレネレットの裸は見ている。服を脱がすことも、一緒に入浴する時にしていることなので今更だ。オスカーは手際よく彼女の服を脱がし始める。
「ん?」
上半身を脱がした時、オスカーは彼女の下着に目がいった。薄暗い室内でも、彼女の白い肌を包む黒い下着ははっきりと目に映った。普段の彼女が着そうにないセクシーなデザインのそれを見て、ジョージの顔がオスカーの脳裏をよぎった。
「まったく、余計なことを……」
ワンピースタイプの仕事着を脱がすと、上下に黒い下着をつけたレネレットが出来上がった。いつもなら透き通るような白い肌の彼女だが、今はお酒が全身に回っているのでほんのりと赤く染まっている。そこがまた、非日常を意識させて、どことなくいやらしい。
「なるほど、やたらとジョージが席を外すように促すわけですね。――まったく、こんなことに乗せられて」
可愛いところもあるものだなと感じながら、オスカーは胸の上に口づけをする。少しだけ強く吸うと、そこに赤い痕が残った。
「次を楽しみにしていますからね」
クリスマスに買ってあげた暖かな寝間着をレネレットに着せてやると、オスカーはそっと部屋を出たのだった。
《番外編 衣装が届きました。 終わり》
年末だから宴会をしようと、ジョージ神父が私たちのいる縁結びの神殿に訪ねてきたが、用件はそれだけではなかった。
オスカーとともに台所に向かおうとする私を、ジョージ神父が引きとめる。
「レネレットお嬢さん、君に渡したいものがあるんだ。ちょっといいかい?」
「私に、ですか?」
確認すると、ジョージ神父はニコニコ顔で頷いた。
ジョージ神父はこの神殿を訪ねてくるときには何かしらを持参する。今日は随分と大荷物だが、その中身はお酒だけではないということだろうか。
オスカーが訝しげにこっちを見ているので、私はアイコンタクトで二人きりになってもいいかと尋ねる。オスカーは仕方がないといった様子で頷き、台所へと行ってしまった。ジョージ神父がオスカーから信頼されていることが、こういう態度から伝わってくる。
オスカー以外の異性と二人きりになるのは久しぶりだ。私は大柄なジョージ神父を見上げた。
「渡したいものってなんですか?」
私が尋ねると、ジョージ神父は自分が担いできた荷物の中から贈り物だと一目でわかる袋を取り出す。差し出された袋を私は受け取った。それは大きさのわりには柔らかくて軽い。
「そろそろ必要になるだろうと思って。誰かからのお下がりでもいいだろうけど、ついこの前まで伯爵令嬢だった君には新品がいいはずだ。是非、使って欲しい」
「えっと……中を見てもよろしいですか?」
ジョージ神父の説明では中身の正体がイメージできず、私は首を傾げながら尋ねた。すると、ジョージ神父は開封を促すように片手で示す。
さっそく、私は袋を開けて中身を確かめることにした。
んん? 黒い布……?
ちらっと見ただけではわからなかったが、引っ張り出して全体を見るとその正体に気がついた。
「これ……!」
白い布と黒い布を使って作られたワンピース型のそれは、縁結びの神殿に仕えるシスターたちが纏っている衣装だった。自分の身体に当ててみると、丈はピッタリだ。
「ドレスを作るために、この前採寸しただろう? そのあとにオスカーからそれを発注されてさ。春になるまではいいと言っていたけれど、新年から着れたほうがなにかと都合がいいかと思ったんだ。まずは着てみてくれ。サイズがズレていたら直させたいし」
「はい! わかりました。今、着替えてきますね」
サイズ調整のためとはいえ、自分の仕事着をすぐに着られるのが嬉しい。
オスカーが発注しておいてくれたこと自体も嬉しかった。こうして服を用意してくれたということは、部屋に閉じ込めておくためだけの口実として教典を押し付けてきたわけではないのだろう。この事実は私を安堵させた。少しでも早く、オスカーの役に立ちたい。
受け取った袋ごとしっかり抱きしめて私の部屋に向かおうとすると、その背中に声をかけられる。
「あ。その袋の中に入っているもう一つのは俺からのプレゼントだ。オスカーと二人きりになった時に見せてやれ」
「ん? よくわかりませんけど、承知いたしました!」
確かに袋にはシスターの衣装以外にも柔らかい何かが入っている。ここで出すように言われなかったので、私は大事に抱えて私室に入ったのだった。
数分後。私はジョージ神父から受け取った衣装を身につけて部屋から出た。すぐにジョージ神父が待つ応接間を訪ねる。
「どうでしょうか?」
自分としてはサイズはピッタリで、身体のラインにもとても馴染んでいる。自分のために作られただけあって、身体に合っていながらも動きにくさは感じられない。よくできている。
ジョージ神父の前に立つと、彼は私をまじまじと見た。一応くるりとその場で回って、全身を見てもらう。
「特に問題はなさそうだな。着心地はどう?」
「身体にフィットしているわりには窮屈さがなく、動きやすいです。丈もちょうどいいですし、問題ないかと」
「そりゃあよかった」
ジョージ神父がうんうんと何度も満足げに頷いているところに、オードブルが盛り付けられた皿を持ったオスカーが部屋に入ってくる。私の姿が目に入ったらしく、オスカーはその場で立ち止まってしげしげと見つめた。
「ほう、馬子にも衣装ですね」
「そりゃあまだ見習いですよっ!」
私が膨れると、オスカーはクスクスと小さく笑って、オードブルをローテーブルに置く。本気でそう思ったのか、私をからかいたくてそう告げたのか、今ひとつわかりかねる反応だ。
「レネレット嬢、似合うと思わないか? そそられるだろ、このラインのあたり」
ジョージが私の胸から腰のあたりを指差して言えば、それを見ていたオスカーがげんなりとした表情でため息をついた。
「シスターを性的な目で見ないでください。レネレットさんは、まだ見習いですらないですが、不愉快です」
おお、そういうのは不愉快なのか。
オスカーの態度と言葉に、不覚にもときめいてしまった。
「そこは素直に、妻をそういう目で見るな、と言えばいいじゃないか」
「そもそも、ジョージはデリカシーがなさすぎます。あなたの神殿のシスターがお使いでこちらに来た時、セクハラを訴えてくることもしばしばあるんですが」
セクハラ。確かに……
私が呆れた視線をジョージ神父に向けると、彼は苦笑いを浮かべていた。思い当たる節はあるようだ。
「まだ、手は出していないぞ」
「当然です。子孫を残す気があるのであれば、パートナーを決めることをお勧めしますよ」
やれやれと言った様子でオスカーが言う。ジョージ神父はそれきりこの件については何も言わなかった。
神殿の後継者問題も大変なのかもしれないわね。跡継ぎのために、国が認める結婚はできなくても子を成すことはあると言っていたけど。
私がオスカーのパートナーを務めるのであれば、いつかは子どもを産むことになる。オスカー自身も私との子どもを望んでいるようなので、ほぼ必然的に私たちの子どもがこの縁結びの神殿を継ぐことになるのだろう。
仕事で役に立てなくても、後継者を産み育てることができれば、まずまずかしらね。
私に何ができるのかはわからない。でも、まずはやれることをやっていこうと決めたのだった。
宴会が始まって、ジョージ神父とオスカーは仲良く飲んでいる。双方の神殿で起きた事件の話を中心に、ほとんどが世間話であるが、ジョージ神父はとても楽しそうにお酒を飲んでいた。
いいなあ、友だちとこうして飲むなんて。
実家にいた時は専属メイドのリズがいろいろな相手をしてくれた。彼女は私の実家であるゴットフリード伯爵家に残ったので、もう会うこともないのかもしれない。
二人を見ながら、実家のことを思い出してしまう。昼間に実家宛の手紙を書いていたことも原因だろう。
オスカーと新しい家族を作るのも楽しいだろうけど、なんかやっぱり寂しいかな……
ジョージ神父に勧められたお酒が美味しい。飲みすぎないようにちびちび飲み進めていたが、なんだか意識がぼうっとしてきている。
私はちゃんと彼らの受け答えができているだろうか。
そんなことを思っているうちに、意識が霞んでいった。
*****
オスカーは眠ってしまったレネレットを抱えて、自分の部屋に連れて行った。オスカーの私室には暖房設備がある。朝凍えてしまわないようにとの配慮であって、他意はない。
「ほんと、あなたは無防備ですね……」
このまま寝かせようかと思ったが、せっかく新品のシスターの服にシワがついてしまう。仕事で着るためには、今は着替えておいたほうがいいだろう。
――目は覚ましそうにないですね。
何度もレネレットの裸は見ている。服を脱がすことも、一緒に入浴する時にしていることなので今更だ。オスカーは手際よく彼女の服を脱がし始める。
「ん?」
上半身を脱がした時、オスカーは彼女の下着に目がいった。薄暗い室内でも、彼女の白い肌を包む黒い下着ははっきりと目に映った。普段の彼女が着そうにないセクシーなデザインのそれを見て、ジョージの顔がオスカーの脳裏をよぎった。
「まったく、余計なことを……」
ワンピースタイプの仕事着を脱がすと、上下に黒い下着をつけたレネレットが出来上がった。いつもなら透き通るような白い肌の彼女だが、今はお酒が全身に回っているのでほんのりと赤く染まっている。そこがまた、非日常を意識させて、どことなくいやらしい。
「なるほど、やたらとジョージが席を外すように促すわけですね。――まったく、こんなことに乗せられて」
可愛いところもあるものだなと感じながら、オスカーは胸の上に口づけをする。少しだけ強く吸うと、そこに赤い痕が残った。
「次を楽しみにしていますからね」
クリスマスに買ってあげた暖かな寝間着をレネレットに着せてやると、オスカーはそっと部屋を出たのだった。
《番外編 衣装が届きました。 終わり》
0
お気に入りに追加
1,057
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。