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後日譚・番外編置き場
あなたと同じ夢を見る
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番外編 あなたと同じ夢を見る
例年通りであれば静かな年始も、彼女がやってきてくれたおかげで少し賑やかだ。
「レネレットさん……」
オスカーが隣でくっついて眠る少女――レネレットの頭を撫でると、くすぐったそうに動いてすぐに静かになった。
――仔犬みたい。
クスッと小さく笑って、オスカーは彼女の額に口づけを落とす。
神職の仕事から戻ると、彼女はいつも待ちわびたかのような顔をして現れる。留守番を命じられた仔犬が主人を見つけた時のような調子で来るものだから、自分の中のピリピリした気持ちがふっと緩んでしまう。
この不思議な心境を腐れ縁であるジョージに相談したら、「それは惚気と言うのだ」と教えられた。自分の感情は淡白だと感じていたので、彼女への想いが愛と呼ばれるものなのか実感できない。肌に触れてみればわかるかも、などと少々短絡的に考えてそうしてみたが、心地よさは感じられたものの愛情だとは思えなかった。
「どうすればいいんでしょうね」
キスをしたり、入浴と称して肌を触れ合わせたりと、そういう恋人や夫婦なら自然としているものだと聞いたことは実践してみた。形だけでも整えて、レネレットを満たしてやりたいのだ。
――再会に失敗して嫌われてしまったのだと思っただけに、僕を頼ってくれたことは嬉しかったんですよ。
素直になれれば、もっと想いを伝えられるだろうか。一方で、素直になっても、自分の気持ちが見えないままでは、彼女が望むような関係を築くきっかけにすらならないのではなかろうか。
漠然とした不安は、彼女と過ごす中で膨れていく。
「子どもがほしい……家族だと証明できるものが、僕には足らないのです。レネレット、僕はまた同じ過ちを繰り返していませんか?」
起点の世界よりもずっといい関係を築くことはできているはずだ。そう自分に言い聞かせていても、不安が解消されるわけではない。
小さな温もりを抱きしめて、オスカーは目を閉じる。
*****
私がオスカーの腕の中で目が覚めた時、彼が泣いているのに気づいてびっくりした。外はまだ真っ暗なので寝かせたままにしようかとも思ったのだが、この世界で泣いている彼を見たことがなかったのを思い出し、私は声をかけることにする。
「オスカー……? 大丈夫?」
尋ねると、私を抱き締める力が増して、ふっと緩んだ。
オスカーが目を開けて、私の顔に焦点を合わせるのがわかる。泣いていたのと眼鏡がないことで、私の顔をすぐに認識できなかったようだ。彼はぼんやりしている気がする。
「うなされていたわよ。平気?」
心配で尋ねると、オスカーは涙を軽く指先で拭いて苦笑した。
「どうしてでしょうね。あなたを失う夢を見ました」
「新年からずいぶんと不吉な夢ね……あ。私を抱き締めて寝たせいじゃない? 腕の血が滞っちゃって、夢見が悪いのよ」
かつていた世界では、悪夢は就寝中の身体の状態に影響されて起きるという意見が一般的だった。この世界でも似たようなものがあってもおかしくはない。
私が離れようと動くと、オスカーに引き止められ、身体の位置が変わる。私はベッドとオスカーに挟まれた。
「オスカー?」
いつもとちょっと違う、必死さが感じられる気配に、私は困惑する。
「――僕は、レネレットさんとの子どもがほしいです」
前にもオスカーはそんなことを言っていた気がする。理由を聞いたが、その時は適当にはぐらかされてしまった。
「でも、子どもって授かりものだもの。オスカーは縁結びの神さまに仕えているんだし、そういう縁も見えたりするんじゃないの?」
私が尋ねると、オスカーは困ったように笑って私にキスをした。そして、私の長い金髪を横に避けて首筋に口づけを落とす。
「んんっ……? くすぐったい、オスカー。どうしたの?」
「レネレットさんの体温をもっと感じさせて。少しだけでいいから、我慢してください」
私が答える間も無く、寝間着の中に滑り込んだ手はひんやりとしていた。直接肌に触れられると、まだ慣れなくて過剰に反応してしまう。
えっと、一応夫婦なんだし、肌を触れ合わせるくらいは普通にすることだと思うけど……どうしたの?
つい身悶えする私の身体を、オスカーは優しく丁寧に撫で回した。存在を確認するような動きに、その意図をようやく察する。
「――オスカー、私、ちゃんとここにいるよ?」
私を失う夢が、よほど彼を不安にしたのだろう。声をかけると、オスカーはふっと笑った。
「ええ。温かくて安心しました」
慈しむように撫でていた手のひらは、ゆっくりと身体から離れていく。
「僕が触れるあなたはいつも冷たかったから、時々、ここにいるのが幻ではないかと不安に駆られるのです」
そう言われて、転生の最期にはいつも彼が立ち会っていたことを思い出した。
どういう思いであの場所にいたのか私には想像できなかったが、もし、最初の世界の時のような気持ちを抱えてあの場にいたのだったら、胸が苦しかったのではないだろうか。
「オスカー、あなた……」
今なら聞けるだろうか。オスカーが私をどうしたいと考えているのか。私が願うことは叶えると言い切った彼だが、彼自身の主体はなんなのか、聞くことができる格好の機会ではないか。
そう思うのに、私は怖くて言葉が出ない。
「レネレットさん。僕はこの世界でもあなたに会えて嬉しい」
「私も、今は嬉しく思うわ。わだかまりも解けたしね」
結局、私はそう答えるのが精一杯だった。
「……そうだ。ひとつ、教えて差し上げましょうか。あなたがこの世界と縁を結んだ時の話を」
「え?」
「僕がこの神殿で修行をしていた頃、十歳になる前だと思うのですが、あなたのお父上が訪ねてきましてね。最初はいつものように寄付金の話だろうと思ったのですが、その日はどうも様子が違って。聞けば、あなたのお母上が流産を繰り返してしまって子どもができないから、縁を恵んでほしいと祈りに来たことがわかりました。跡継ぎ問題があるので、できるなら自分たちの子どもがほしいと。僕の父は熱心に祈りを捧げてくれました。――それからしばらくして誕生したのがレネレットさんなのだと知ったのは、去年のことなんですよ」
「私の父と神殿に縁があったのは確かだけど、まさかそんな縁が……」
唐突な昔話に、私は驚きを隠せない。同じ歳の友人たちの親と比べて私の親は高齢だと感じていたが、子どもができにくかったというのは初耳だ。
目を瞬かせていると、オスカーは優しく笑って私の頭を撫でた。
「あの時祈っていなかったら、レネレットさんはここにいなかったかもしれませんね」
祈っていなかったら?
それは妙な話だ。オスカーは私の転生に合わせて自分も転生してきたのではなかったのか。私がこの私であるのは、オスカーが私の幸せを願い、人生を優位に楽しむためにとのことだと本人から聞いた気がしたのだけど。
「……ねえ、オスカーって、私を転生させる場所も意図的に選んでいたんじゃなかったの?」
「ふふ、さて、どうでしたかね。――この話はこれで終わりです。まだ仕事を始めるまでには時間がありそうなので、もう一眠りしますね」
そう告げて、オスカーは私の隣に仰向けで寝る。すぐに寝息が聞こえてきた。オスカーの寝つきは非常によい。
聞きそびれたけどまあいっか。
誕生の話を聞いて思い出した。私が生まれたのは真冬で、雪深い日だったことを。誕生日という概念が薄いシズトリィ王国では、正確な生まれの時季を聞くことはほとんどなく、たいていの人間が忘れているかそもそも知らないだろう。それなのに両親が私が生まれた日の話を何度も聞かせてくれたのは、私が待望の赤ん坊だったからかもしれない。
今度会ったら、私が生まれた時の話を聞いておこうかな。
そんなことを思いながら、私はオスカーの隣で目を閉じたのだった。
《番外編 あなたと同じ夢を見る 終わり》
例年通りであれば静かな年始も、彼女がやってきてくれたおかげで少し賑やかだ。
「レネレットさん……」
オスカーが隣でくっついて眠る少女――レネレットの頭を撫でると、くすぐったそうに動いてすぐに静かになった。
――仔犬みたい。
クスッと小さく笑って、オスカーは彼女の額に口づけを落とす。
神職の仕事から戻ると、彼女はいつも待ちわびたかのような顔をして現れる。留守番を命じられた仔犬が主人を見つけた時のような調子で来るものだから、自分の中のピリピリした気持ちがふっと緩んでしまう。
この不思議な心境を腐れ縁であるジョージに相談したら、「それは惚気と言うのだ」と教えられた。自分の感情は淡白だと感じていたので、彼女への想いが愛と呼ばれるものなのか実感できない。肌に触れてみればわかるかも、などと少々短絡的に考えてそうしてみたが、心地よさは感じられたものの愛情だとは思えなかった。
「どうすればいいんでしょうね」
キスをしたり、入浴と称して肌を触れ合わせたりと、そういう恋人や夫婦なら自然としているものだと聞いたことは実践してみた。形だけでも整えて、レネレットを満たしてやりたいのだ。
――再会に失敗して嫌われてしまったのだと思っただけに、僕を頼ってくれたことは嬉しかったんですよ。
素直になれれば、もっと想いを伝えられるだろうか。一方で、素直になっても、自分の気持ちが見えないままでは、彼女が望むような関係を築くきっかけにすらならないのではなかろうか。
漠然とした不安は、彼女と過ごす中で膨れていく。
「子どもがほしい……家族だと証明できるものが、僕には足らないのです。レネレット、僕はまた同じ過ちを繰り返していませんか?」
起点の世界よりもずっといい関係を築くことはできているはずだ。そう自分に言い聞かせていても、不安が解消されるわけではない。
小さな温もりを抱きしめて、オスカーは目を閉じる。
*****
私がオスカーの腕の中で目が覚めた時、彼が泣いているのに気づいてびっくりした。外はまだ真っ暗なので寝かせたままにしようかとも思ったのだが、この世界で泣いている彼を見たことがなかったのを思い出し、私は声をかけることにする。
「オスカー……? 大丈夫?」
尋ねると、私を抱き締める力が増して、ふっと緩んだ。
オスカーが目を開けて、私の顔に焦点を合わせるのがわかる。泣いていたのと眼鏡がないことで、私の顔をすぐに認識できなかったようだ。彼はぼんやりしている気がする。
「うなされていたわよ。平気?」
心配で尋ねると、オスカーは涙を軽く指先で拭いて苦笑した。
「どうしてでしょうね。あなたを失う夢を見ました」
「新年からずいぶんと不吉な夢ね……あ。私を抱き締めて寝たせいじゃない? 腕の血が滞っちゃって、夢見が悪いのよ」
かつていた世界では、悪夢は就寝中の身体の状態に影響されて起きるという意見が一般的だった。この世界でも似たようなものがあってもおかしくはない。
私が離れようと動くと、オスカーに引き止められ、身体の位置が変わる。私はベッドとオスカーに挟まれた。
「オスカー?」
いつもとちょっと違う、必死さが感じられる気配に、私は困惑する。
「――僕は、レネレットさんとの子どもがほしいです」
前にもオスカーはそんなことを言っていた気がする。理由を聞いたが、その時は適当にはぐらかされてしまった。
「でも、子どもって授かりものだもの。オスカーは縁結びの神さまに仕えているんだし、そういう縁も見えたりするんじゃないの?」
私が尋ねると、オスカーは困ったように笑って私にキスをした。そして、私の長い金髪を横に避けて首筋に口づけを落とす。
「んんっ……? くすぐったい、オスカー。どうしたの?」
「レネレットさんの体温をもっと感じさせて。少しだけでいいから、我慢してください」
私が答える間も無く、寝間着の中に滑り込んだ手はひんやりとしていた。直接肌に触れられると、まだ慣れなくて過剰に反応してしまう。
えっと、一応夫婦なんだし、肌を触れ合わせるくらいは普通にすることだと思うけど……どうしたの?
つい身悶えする私の身体を、オスカーは優しく丁寧に撫で回した。存在を確認するような動きに、その意図をようやく察する。
「――オスカー、私、ちゃんとここにいるよ?」
私を失う夢が、よほど彼を不安にしたのだろう。声をかけると、オスカーはふっと笑った。
「ええ。温かくて安心しました」
慈しむように撫でていた手のひらは、ゆっくりと身体から離れていく。
「僕が触れるあなたはいつも冷たかったから、時々、ここにいるのが幻ではないかと不安に駆られるのです」
そう言われて、転生の最期にはいつも彼が立ち会っていたことを思い出した。
どういう思いであの場所にいたのか私には想像できなかったが、もし、最初の世界の時のような気持ちを抱えてあの場にいたのだったら、胸が苦しかったのではないだろうか。
「オスカー、あなた……」
今なら聞けるだろうか。オスカーが私をどうしたいと考えているのか。私が願うことは叶えると言い切った彼だが、彼自身の主体はなんなのか、聞くことができる格好の機会ではないか。
そう思うのに、私は怖くて言葉が出ない。
「レネレットさん。僕はこの世界でもあなたに会えて嬉しい」
「私も、今は嬉しく思うわ。わだかまりも解けたしね」
結局、私はそう答えるのが精一杯だった。
「……そうだ。ひとつ、教えて差し上げましょうか。あなたがこの世界と縁を結んだ時の話を」
「え?」
「僕がこの神殿で修行をしていた頃、十歳になる前だと思うのですが、あなたのお父上が訪ねてきましてね。最初はいつものように寄付金の話だろうと思ったのですが、その日はどうも様子が違って。聞けば、あなたのお母上が流産を繰り返してしまって子どもができないから、縁を恵んでほしいと祈りに来たことがわかりました。跡継ぎ問題があるので、できるなら自分たちの子どもがほしいと。僕の父は熱心に祈りを捧げてくれました。――それからしばらくして誕生したのがレネレットさんなのだと知ったのは、去年のことなんですよ」
「私の父と神殿に縁があったのは確かだけど、まさかそんな縁が……」
唐突な昔話に、私は驚きを隠せない。同じ歳の友人たちの親と比べて私の親は高齢だと感じていたが、子どもができにくかったというのは初耳だ。
目を瞬かせていると、オスカーは優しく笑って私の頭を撫でた。
「あの時祈っていなかったら、レネレットさんはここにいなかったかもしれませんね」
祈っていなかったら?
それは妙な話だ。オスカーは私の転生に合わせて自分も転生してきたのではなかったのか。私がこの私であるのは、オスカーが私の幸せを願い、人生を優位に楽しむためにとのことだと本人から聞いた気がしたのだけど。
「……ねえ、オスカーって、私を転生させる場所も意図的に選んでいたんじゃなかったの?」
「ふふ、さて、どうでしたかね。――この話はこれで終わりです。まだ仕事を始めるまでには時間がありそうなので、もう一眠りしますね」
そう告げて、オスカーは私の隣に仰向けで寝る。すぐに寝息が聞こえてきた。オスカーの寝つきは非常によい。
聞きそびれたけどまあいっか。
誕生の話を聞いて思い出した。私が生まれたのは真冬で、雪深い日だったことを。誕生日という概念が薄いシズトリィ王国では、正確な生まれの時季を聞くことはほとんどなく、たいていの人間が忘れているかそもそも知らないだろう。それなのに両親が私が生まれた日の話を何度も聞かせてくれたのは、私が待望の赤ん坊だったからかもしれない。
今度会ったら、私が生まれた時の話を聞いておこうかな。
そんなことを思いながら、私はオスカーの隣で目を閉じたのだった。
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