上 下
7 / 8
贈り物には罠がある?

なんで寝ているんだっけ?

しおりを挟む


*****


「――起きて、フィルギニア君」
「しつちょ……?」

 ゆっくりと目を開けると、アナスタージウス室長の顔が至近にあった。びっくりしてしまって目を大きく見開いてしまう。

 あれ? なんで寝ているんだっけ?

「起きたね。いい子だ」

 状況を思い出そうとしたところで唇を塞がれる。すぐに舌が絡め取られて、喋れない。アナスタージウス室長の背中に手を回してキスをやめるように叩いて促すが、腰がぐいっと動くなり熱くて硬いものが私の隘路に潜り込む。

「んんっ⁉︎」

 予告なく始まった抽挿に身体は緊張していたけれど、すぐに解れて快感を貪るようにナカがうごめく。

「ああっ、はぁんっ、アナスタージウスさまぁ」
「我慢できないのは……お茶の所為かな……はぁ……気持ちいいかい?」

 問いに、私は頷く。
 ぐちゅぐちゅと結合部分が音を立てていて恥ずかしい。奥に彼が届くたびに底から湧き上がるような快感を得る。
 荒い吐息。汗のにおい。
 私はそれしか考えられなくなって、息を吐くついでに彼の名を何度も呼んだ。

「……出すよ」

 了承を求める声は少し枯れている。
 潤む目を彼に向けると、私の中で膨らむ気配があって。そう経たないうちにナカに放たれた。

「やぁっ」

 ナカが何度も収縮する。身体も合わせるようにガクガクと痙攣を繰り返した。
 荒い呼吸は二つ。仮眠室に響く。

「……はぁ……できるなら夜になるまで、はぁ、我慢するつもりでいたんだけど……はぁ、裸の君を見ていたら、どうにもならなくて……」
「は、初めから、はぁ……こうしていただいて、よかったのに」

 胸がせわしく上下に動く。息が上がって苦しいはずなのに、それ以上の多幸感があって苦しさはどっかにいってしまう。

「フィルギニア君? 次にお茶を飲むときは、時と場所をよく考えようね。僕は僕自身の体質を過信したらよくないようだ」
「そう……ですね……寝る前にしましょう」
「少し、横になりたい」

 アナスタージウス室長の甘えるような声に、私はベッドの端に移動して場所を譲る。彼がその隙間に身体を横たえたのを確認して、眠りの妨げにならないようにと出ようとしたところで腕を掴まれた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

恋人の水着は想像以上に刺激的だった

ヘロディア
恋愛
プールにデートに行くことになった主人公と恋人。 恋人の水着が刺激的すぎた主人公は…

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~

石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。 食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。 そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。 しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。 何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。 扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。 小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。

王立魔導研究所は今日も平和です❤︎

一花カナウ
恋愛
私、伯爵家令嬢のフィルギニア。 勉強熱心すぎて婚期を逃し、王立魔導研究所で職業婦人として生きる道を選んだの。 でも、どこで恋に落ちるかなんてわからないものね。 試験を首席で突破したご褒美に研究室を選ぶことになったのだけど、 そこで素敵なおじさま――アナスタージウス室長と出会っちゃった(*ノωノ)キャッ 薬湯(媚薬効果アリ)事件でちょっと距離が縮まったような気がしたけれど、 私が燃え上がっちゃっただけなのかしら? 気になって仕方がない中、室長から二人きりでのフィールドワークのお誘いが! これは行くしかないでしょっ‼︎ ――下心アリアリでOKしたのが運の尽き? まさか、蔓植物に×××されちゃうなんてっ⁉︎ 嫌っ、死ぬ前に室長に抱いてほしかったーっ! ※完結まで予約済み ※8/1からはムーンライトノベルズでも掲載 2018.07.30 09:00 HOTランキング92 位感謝♪ 2018.07.31 00:00 HOTランキング54 位感謝♪ 2018.08.05 21:00 HOTランキング47 位感謝♪

中でトントンってして、ビューってしても、赤ちゃんはできません!

いちのにか
恋愛
はいもちろん嘘です。「ってことは、チューしちゃったら赤ちゃんできちゃうよねっ?」っていう、……つまりとても頭悪いお話です。 含み有りの嘘つき従者に溺愛される、騙され貴族令嬢モノになります。 ♡多用、言葉責め有り、効果音付きの濃いめです。従者君、軽薄です。 ★ハッピーエイプリルフール★ 他サイトのエイプリルフール企画に投稿した作品です。期間終了したため、こちらに掲載します。 以下のキーワードをご確認の上、ご自愛ください。 ◆近況ボードの同作品の投稿報告記事に蛇補足を追加しました。作品設定の記載(短め)のみですが、もしよろしければ٩( ᐛ )و

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

今、夫と私の浮気相手の二人に侵されている

ヘロディア
恋愛
浮気がバレた主人公。 夫の提案で、主人公、夫、浮気相手の三人で面会することとなる。 そこで主人公は男同士の自分の取り合いを目の当たりにし、最後に男たちが選んだのは、先に主人公を絶頂に導いたものの勝ち、という道だった。 主人公は絶望的な状況で喘ぎ始め…

大嫌いなアイツが媚薬を盛られたらしいので、不本意ながらカラダを張って救けてあげます

スケキヨ
恋愛
媚薬を盛られたミアを救けてくれたのは学生時代からのライバルで公爵家の次男坊・リアムだった。ほっとしたのも束の間、なんと今度はリアムのほうが異国の王女に媚薬を盛られて絶体絶命!? 「弟を救けてやってくれないか?」――リアムの兄の策略で、発情したリアムと同じ部屋に閉じ込められてしまったミア。気が付くと、頬を上気させ目元を潤ませたリアムの顔がすぐそばにあって……!! 『媚薬を盛られた私をいろんな意味で救けてくれたのは、大嫌いなアイツでした』という作品の続編になります。前作は読んでいなくてもそんなに支障ありませんので、気楽にご覧ください。 ・R18描写のある話には※を付けています。 ・別サイトにも掲載しています。

処理中です...