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贈り物には罠がある?
なんで寝ているんだっけ?
しおりを挟む*****
「――起きて、フィルギニア君」
「しつちょ……?」
ゆっくりと目を開けると、アナスタージウス室長の顔が至近にあった。びっくりしてしまって目を大きく見開いてしまう。
あれ? なんで寝ているんだっけ?
「起きたね。いい子だ」
状況を思い出そうとしたところで唇を塞がれる。すぐに舌が絡め取られて、喋れない。アナスタージウス室長の背中に手を回してキスをやめるように叩いて促すが、腰がぐいっと動くなり熱くて硬いものが私の隘路に潜り込む。
「んんっ⁉︎」
予告なく始まった抽挿に身体は緊張していたけれど、すぐに解れて快感を貪るようにナカがうごめく。
「ああっ、はぁんっ、アナスタージウスさまぁ」
「我慢できないのは……お茶の所為かな……はぁ……気持ちいいかい?」
問いに、私は頷く。
ぐちゅぐちゅと結合部分が音を立てていて恥ずかしい。奥に彼が届くたびに底から湧き上がるような快感を得る。
荒い吐息。汗のにおい。
私はそれしか考えられなくなって、息を吐くついでに彼の名を何度も呼んだ。
「……出すよ」
了承を求める声は少し枯れている。
潤む目を彼に向けると、私の中で膨らむ気配があって。そう経たないうちにナカに放たれた。
「やぁっ」
ナカが何度も収縮する。身体も合わせるようにガクガクと痙攣を繰り返した。
荒い呼吸は二つ。仮眠室に響く。
「……はぁ……できるなら夜になるまで、はぁ、我慢するつもりでいたんだけど……はぁ、裸の君を見ていたら、どうにもならなくて……」
「は、初めから、はぁ……こうしていただいて、よかったのに」
胸がせわしく上下に動く。息が上がって苦しいはずなのに、それ以上の多幸感があって苦しさはどっかにいってしまう。
「フィルギニア君? 次にお茶を飲むときは、時と場所をよく考えようね。僕は僕自身の体質を過信したらよくないようだ」
「そう……ですね……寝る前にしましょう」
「少し、横になりたい」
アナスタージウス室長の甘えるような声に、私はベッドの端に移動して場所を譲る。彼がその隙間に身体を横たえたのを確認して、眠りの妨げにならないようにと出ようとしたところで腕を掴まれた。
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