8 / 15
湖までの道中で
しおりを挟む
フィロに見送られ、馬を走らせてどのくらい経っただろうか。陽射しは高いところから降り注いでいる。
「うぅ……酔う……」
アリスはローブのポケットの中にいた。もちろん、ウラノスのローブの、である。
しかしそのローブにはアリスが昨日見た水の精霊の紋章は入っていない。上官に嘘をついて出てきたため、身分が知られないようにそれを着ているのだ。
「文句を言うなんて贅沢ですね」
ウラノスは聖水が湧くと言われている湖に向かって馬を走らせている。現在は森が深くなる街道を通っているはずだ。
「――目的地まで魔法を使うわけにはいかなかったんですか?」
昨日のように鷹の姿で目的地に向かった方が簡単に違いないと思いながらアリスは問う。
「よくそんなことが言えますね。君は王宮魔導師の規則が頭に入っていないようだ」
ため息混じりにウラノスは指摘する。彼は手綱を握り、馬をさばきながら話を続ける。
「――王宮魔導師の規則には魔法の使用に関して三つの決まりがあります。
一、訓練時は上官のいる場所でのみ使用を許可する。
二、上官の命令があるとき、その使用を許可する。
三、命の危機が迫っている場合、例外的にその使用を許可する。
――何故そんな決まりがあるのか、君は理解していないらしいですね」
ウラノスはトゲのある口調で厳しく諭す。
「わ……わかってますよ。王宮魔導師は魔導師の中でも優秀な者の集まり。国に所属するそんな人間が、むやみやたらと魔法を使うと困るんでしょ?」
腹を立てたアリスはムッとした気持ちを乗せて答える。いちいち癪にさわるような言い方をしなくてもいいのにと思わずにはいられない。
「全然足りていませんね。君はその程度しか理解していなかったということですか」
はぁ、とため息をついたあとでの台詞。落胆っぷりをここまで誇張する必要はいかほどあるのだろうか、とアリスは思う。
「――王宮魔導師は国王に仕える存在であり、国を守る義務があります。ですから、万が一誤った使用をされると国が責任を取らねばなりません。状況によっては国の存続に関わることになりかねない。ゆえに、責任を取ることができる人間の前でしか魔法の使用を許可しないのです。これは大事なことです。覚えておきなさい」
「はーい」
怒られてばかりで面白くない。アリスが気の乗らない声で返事をすると、ウラノスの手が伸びてきた。そしてポケットから出ていたアリスの鼻先をピンと弾く。
「痛っ! 女の子の顔を弾くだなんて信じられないっ! 傷になったら、どうしてくれるのよっ!」
「王宮魔導師に性別は関係ありません。必要だと思ったから、それ相当の罰を与えただけ。女性だからといって手を抜けば、王宮魔導師全体の質が下がります」
ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てるアリスに、ウラノスは当然とばかりにきっぱり返す。
「――しかしそうですね。傷が残ったので責任を取れとおっしゃるなら、きちんと代償を払いますよ? 責任を取る覚悟なくして人の上に立つなかれ、です」
「じゃあ、そのときは遠慮なく請求させてもらいますからっ」
ふんっと鼻息荒く言ってやると、アリスは前足で鼻をさする。ヒリヒリ痛むところからすると、赤くなっているのかもしれない。
「やれやれ――ん?」
何かに気づいたらしい。ウラノスは急ぎ走らせていた馬を止め、視線を背後に向ける。
「どうしたんですか?」
様子がおかしいのを不審に感じ、アリスはポケットの中から頭を出す。そして、ウラノスの視線の先に目を向けた。
見えるのは平凡な街道だけである。道行く人々も違和感に気づかず行き交っている。
「こちらに何かが向かってきます」
そりゃ道なんだから人も馬も通るわよ――そうアリスが返す前に、ウラノスが何に気づいたのか理解した。煙のようにあがる砂埃が目に入ったからだ。
「――暴走しているのか」
ウラノスはそう呟くと、すぐに呪文詠唱をはじめる。浮かび上がる魔法式、編まれる魔力。その力を前にアリスの身体は小さく震えた。
やがて向かってくるものの正体――四頭立ての馬車が見えてくる。馬の制御がきかなくなり、真っ直ぐの街道をひたすら全力で走り続けているらしい。さすがに周囲の人々も察したらしく、道の端に寄るなどして行き過ぎるのを待っている。
「――太陽の使者よ、彼の者の目を覚めさせたまえ!」
錯乱状態の者の正気を取り戻す呪文。ウラノスの魔法は視界に捉えていた暴走馬車に向かって放たれる。
魔法の力を受け、馬たちは次第に鎮まってゆく。ウラノスたちの脇を通る頃になって、なんとか馬車は停止した。
自然とわき上がる拍手の中、暴走馬車の御者が下りてきてアリスたちの元へやってくる。そして深々と頭を下げると礼を告げた。
「ありがとうございました。あなたのおかげで助かりました。どう礼をしたものか」
「礼など滅相もない。人として当然のことをしただけですよ。この先もお気をつけて。――では急ぎますので」
対外用らしい優しげな笑顔を御者に向けると、ウラノスは馬に命ずる。御者は口を開きかけたが、何を言おうとしていたのかはわからぬまま遠ざかっていく。
――礼はいらない、か。
格好いいことを言うな、なんて見直しながらアリスはウラノスの横顔を見る。少し頬が赤い。
――あ……ひょっとして、照れ屋さん?
だとしたらかなり面倒な人物だ。
アリスがそんなことを思っていると、視線に気づいたのかウラノスが喋り出した。
「――言っておきますが、今は上官に嘘をついて出かけている身なんですからね。私がここにいると知られるとよろしくないのです。また、王宮魔導師は支給以外に他人から物品を受け取ることを禁じられています。賄賂だと思われないために、ね」
「もうっ! なんでそこでそういう言い訳じみたことを言うのよ!」
アリスの不満な気持ちが台詞の熱に変わる。
「君が勘違いしないようにという理由以外になにもありませんよ。しいて言うなら、こんな機会でもなければ、規則の説明はできませんからね」
「だからって――」
「実体験を通じて学んだことは頭だけじゃなく身体にもしみつくものです。機を逃すのは愚か者のすることだと思いますが?」
「もういいっ!」
アリスは話を切るとポケットの中に潜り込む。話せば話すほど幻滅しそうで、それが怖くて嫌だった。
「全く、アリス君はわかっていませんね」
ウラノスの小言はアリスが隠れてしまったあとも長々と続いたのだった。
「うぅ……酔う……」
アリスはローブのポケットの中にいた。もちろん、ウラノスのローブの、である。
しかしそのローブにはアリスが昨日見た水の精霊の紋章は入っていない。上官に嘘をついて出てきたため、身分が知られないようにそれを着ているのだ。
「文句を言うなんて贅沢ですね」
ウラノスは聖水が湧くと言われている湖に向かって馬を走らせている。現在は森が深くなる街道を通っているはずだ。
「――目的地まで魔法を使うわけにはいかなかったんですか?」
昨日のように鷹の姿で目的地に向かった方が簡単に違いないと思いながらアリスは問う。
「よくそんなことが言えますね。君は王宮魔導師の規則が頭に入っていないようだ」
ため息混じりにウラノスは指摘する。彼は手綱を握り、馬をさばきながら話を続ける。
「――王宮魔導師の規則には魔法の使用に関して三つの決まりがあります。
一、訓練時は上官のいる場所でのみ使用を許可する。
二、上官の命令があるとき、その使用を許可する。
三、命の危機が迫っている場合、例外的にその使用を許可する。
――何故そんな決まりがあるのか、君は理解していないらしいですね」
ウラノスはトゲのある口調で厳しく諭す。
「わ……わかってますよ。王宮魔導師は魔導師の中でも優秀な者の集まり。国に所属するそんな人間が、むやみやたらと魔法を使うと困るんでしょ?」
腹を立てたアリスはムッとした気持ちを乗せて答える。いちいち癪にさわるような言い方をしなくてもいいのにと思わずにはいられない。
「全然足りていませんね。君はその程度しか理解していなかったということですか」
はぁ、とため息をついたあとでの台詞。落胆っぷりをここまで誇張する必要はいかほどあるのだろうか、とアリスは思う。
「――王宮魔導師は国王に仕える存在であり、国を守る義務があります。ですから、万が一誤った使用をされると国が責任を取らねばなりません。状況によっては国の存続に関わることになりかねない。ゆえに、責任を取ることができる人間の前でしか魔法の使用を許可しないのです。これは大事なことです。覚えておきなさい」
「はーい」
怒られてばかりで面白くない。アリスが気の乗らない声で返事をすると、ウラノスの手が伸びてきた。そしてポケットから出ていたアリスの鼻先をピンと弾く。
「痛っ! 女の子の顔を弾くだなんて信じられないっ! 傷になったら、どうしてくれるのよっ!」
「王宮魔導師に性別は関係ありません。必要だと思ったから、それ相当の罰を与えただけ。女性だからといって手を抜けば、王宮魔導師全体の質が下がります」
ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てるアリスに、ウラノスは当然とばかりにきっぱり返す。
「――しかしそうですね。傷が残ったので責任を取れとおっしゃるなら、きちんと代償を払いますよ? 責任を取る覚悟なくして人の上に立つなかれ、です」
「じゃあ、そのときは遠慮なく請求させてもらいますからっ」
ふんっと鼻息荒く言ってやると、アリスは前足で鼻をさする。ヒリヒリ痛むところからすると、赤くなっているのかもしれない。
「やれやれ――ん?」
何かに気づいたらしい。ウラノスは急ぎ走らせていた馬を止め、視線を背後に向ける。
「どうしたんですか?」
様子がおかしいのを不審に感じ、アリスはポケットの中から頭を出す。そして、ウラノスの視線の先に目を向けた。
見えるのは平凡な街道だけである。道行く人々も違和感に気づかず行き交っている。
「こちらに何かが向かってきます」
そりゃ道なんだから人も馬も通るわよ――そうアリスが返す前に、ウラノスが何に気づいたのか理解した。煙のようにあがる砂埃が目に入ったからだ。
「――暴走しているのか」
ウラノスはそう呟くと、すぐに呪文詠唱をはじめる。浮かび上がる魔法式、編まれる魔力。その力を前にアリスの身体は小さく震えた。
やがて向かってくるものの正体――四頭立ての馬車が見えてくる。馬の制御がきかなくなり、真っ直ぐの街道をひたすら全力で走り続けているらしい。さすがに周囲の人々も察したらしく、道の端に寄るなどして行き過ぎるのを待っている。
「――太陽の使者よ、彼の者の目を覚めさせたまえ!」
錯乱状態の者の正気を取り戻す呪文。ウラノスの魔法は視界に捉えていた暴走馬車に向かって放たれる。
魔法の力を受け、馬たちは次第に鎮まってゆく。ウラノスたちの脇を通る頃になって、なんとか馬車は停止した。
自然とわき上がる拍手の中、暴走馬車の御者が下りてきてアリスたちの元へやってくる。そして深々と頭を下げると礼を告げた。
「ありがとうございました。あなたのおかげで助かりました。どう礼をしたものか」
「礼など滅相もない。人として当然のことをしただけですよ。この先もお気をつけて。――では急ぎますので」
対外用らしい優しげな笑顔を御者に向けると、ウラノスは馬に命ずる。御者は口を開きかけたが、何を言おうとしていたのかはわからぬまま遠ざかっていく。
――礼はいらない、か。
格好いいことを言うな、なんて見直しながらアリスはウラノスの横顔を見る。少し頬が赤い。
――あ……ひょっとして、照れ屋さん?
だとしたらかなり面倒な人物だ。
アリスがそんなことを思っていると、視線に気づいたのかウラノスが喋り出した。
「――言っておきますが、今は上官に嘘をついて出かけている身なんですからね。私がここにいると知られるとよろしくないのです。また、王宮魔導師は支給以外に他人から物品を受け取ることを禁じられています。賄賂だと思われないために、ね」
「もうっ! なんでそこでそういう言い訳じみたことを言うのよ!」
アリスの不満な気持ちが台詞の熱に変わる。
「君が勘違いしないようにという理由以外になにもありませんよ。しいて言うなら、こんな機会でもなければ、規則の説明はできませんからね」
「だからって――」
「実体験を通じて学んだことは頭だけじゃなく身体にもしみつくものです。機を逃すのは愚か者のすることだと思いますが?」
「もういいっ!」
アリスは話を切るとポケットの中に潜り込む。話せば話すほど幻滅しそうで、それが怖くて嫌だった。
「全く、アリス君はわかっていませんね」
ウラノスの小言はアリスが隠れてしまったあとも長々と続いたのだった。
0
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】伯爵の愛は狂い咲く
白雨 音
恋愛
十八歳になったアリシアは、兄の友人男爵子息のエリックに告白され、婚約した。
実家の商家を手伝い、友人にも恵まれ、アリシアの人生は充実し、順風満帆だった。
だが、町のカーニバルの夜、それを脅かす出来事が起こった。
仮面の男が「見つけた、エリーズ!」と、アリシアに熱く口付けたのだ!
そこから、アリシアの運命の歯車は狂い始めていく。
両親からエリックとの婚約を解消し、年の離れた伯爵に嫁ぐ様に勧められてしまう。
「結婚は愛した人とします!」と抗うアリシアだが、運命は彼女を嘲笑い、
その渦に巻き込んでいくのだった…
アリシアを恋人の生まれ変わりと信じる伯爵の執愛。
異世界恋愛、短編:本編(アリシア視点)前日譚(ユーグ視点)
《完結しました》
【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く
とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。
まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。
しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。
なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう!
そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。
しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。
すると彼に
「こんな遺書じゃダメだね」
「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」
と思いっきりダメ出しをされてしまった。
それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。
「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」
これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。
そんなお話。
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる