13 / 14
虫除け令嬢は薬学博士に捕われる
8.5 ※※
しおりを挟む
「体を清めよう。疲れただろう? 僕に任せて休んで」
「でも」
体が思うように動かせない。なんとか彼のほうを見やると、まだ元気を失っていない屹立が目に入った。ついじっと見つめてしまう。
「……あの」
「なにかね」
「吐精したら落ち着くものと聞いていたので」
「まだ出せるからね」
近くに拭うものがなかったからだろう。自分が着ていたシャツで私のお腹を拭ってくれた。申し訳ない。
「出したほうがいいんですよね?」
「出してしまったほうが早くおさまるとは思うが」
わずかだが、屹立にまとわりついた泡立ったものに赤いものが少し混じっている。破瓜によるものだろうか。身構えていたほど血は出なかったようだ。
「私の身体、気持ちがよかったですか?」
「想像以上だった」
「想像したことがあったんですか?」
「君だって、僕で夢想していたのだろう? それとも、僕以外の誰かで耽っていたのかな」
探るように問われて、私は首を横に振った。
「まさか。フロランだけ、です、想像したのは」
「想像どおりだった?」
「えっと……ちょっと拍子抜けした、かも?」
「おや、僕は君を満足させることができなかったのかな」
ぽいっと汚れたシャツをベッドの外に放り投げると、フロランは私に覆いかぶさってきた。そして顎を持ち上げられ、顔をそむけることを封じられる。
「そ、そういう意味ではないんです」
「では、その真意は?」
「なんか、こう、もっと行為に夢中にさせるつもりでいたので……」
理性的なフロランの本能を刺激して、メチャクチャにされるところを私は常日頃妄想していた。この感じだと、いつものフロラン博士の延長であって、実験台と変わらないようなさみしさを感じてしまったという話である。
……優しくしてほしいと頼んだのは私なんだけど。
大事に愛されるのは嫌ではない。だが自分本位に抱きたくないと告げたフロランに、理性を捨てて好きなように抱いてほしいと求めるのは酷だろう。
視線を外して口籠ると、フロランに口づけられた。舌を絡める深くて丁寧な口吸い。
「んんん?」
「……煽るのは賢明ではないよ、シュザンヌ君」
腰が動き、秘裂に熱が擦り付けられている。卑猥な水音がする。
「お、おしまいなんですよね?」
「気絶するほどの刺激がお望みなら、やぶさかではないんだが」
「ひゃっ」
敏感な場所をぐりぐりと刺激された。蜜が溢れ出すのがわかる。
「君の身体は問題がなさそうだ」
欲しいと言えと命じられているように錯覚してしまう強い視線。色気も感じる。眩暈を覚えた。
「わ、私」
「情熱的に抱くのは結婚してからがよいだろうと遠慮したんだが、君にその気があるなら試してみようか?」
腰が持ち上げられたと思えば、あっさりと熱が隘路を押し拡げる。痛みがないことに驚いたし、抵抗なく彼を飲み込んでしまう自分の体にもっと驚いた。
「ええっ」
「身体の相性はいいようだ。君のことをもっと教えてくれないかな」
「に、二回目は、さすがに、ああんっ」
ぐりぐりと奥のほうを擦られると視界がチカチカした。
「君のおかげで忌避感を払拭できそうだ。すまないが付き合ってくれ」
こっちが本音だと直感する。耳元で切なく囁かれたら、もう拒む理由はない。
私は力を抜いた。
「愛しています、フロラン。どうぞお望みのままに」
体の負担を考えるのはやめよう。感じるままをフロランに返したい。
私はフロランの広い背中に自身の腕をまわして抱き締めた。
「でも」
体が思うように動かせない。なんとか彼のほうを見やると、まだ元気を失っていない屹立が目に入った。ついじっと見つめてしまう。
「……あの」
「なにかね」
「吐精したら落ち着くものと聞いていたので」
「まだ出せるからね」
近くに拭うものがなかったからだろう。自分が着ていたシャツで私のお腹を拭ってくれた。申し訳ない。
「出したほうがいいんですよね?」
「出してしまったほうが早くおさまるとは思うが」
わずかだが、屹立にまとわりついた泡立ったものに赤いものが少し混じっている。破瓜によるものだろうか。身構えていたほど血は出なかったようだ。
「私の身体、気持ちがよかったですか?」
「想像以上だった」
「想像したことがあったんですか?」
「君だって、僕で夢想していたのだろう? それとも、僕以外の誰かで耽っていたのかな」
探るように問われて、私は首を横に振った。
「まさか。フロランだけ、です、想像したのは」
「想像どおりだった?」
「えっと……ちょっと拍子抜けした、かも?」
「おや、僕は君を満足させることができなかったのかな」
ぽいっと汚れたシャツをベッドの外に放り投げると、フロランは私に覆いかぶさってきた。そして顎を持ち上げられ、顔をそむけることを封じられる。
「そ、そういう意味ではないんです」
「では、その真意は?」
「なんか、こう、もっと行為に夢中にさせるつもりでいたので……」
理性的なフロランの本能を刺激して、メチャクチャにされるところを私は常日頃妄想していた。この感じだと、いつものフロラン博士の延長であって、実験台と変わらないようなさみしさを感じてしまったという話である。
……優しくしてほしいと頼んだのは私なんだけど。
大事に愛されるのは嫌ではない。だが自分本位に抱きたくないと告げたフロランに、理性を捨てて好きなように抱いてほしいと求めるのは酷だろう。
視線を外して口籠ると、フロランに口づけられた。舌を絡める深くて丁寧な口吸い。
「んんん?」
「……煽るのは賢明ではないよ、シュザンヌ君」
腰が動き、秘裂に熱が擦り付けられている。卑猥な水音がする。
「お、おしまいなんですよね?」
「気絶するほどの刺激がお望みなら、やぶさかではないんだが」
「ひゃっ」
敏感な場所をぐりぐりと刺激された。蜜が溢れ出すのがわかる。
「君の身体は問題がなさそうだ」
欲しいと言えと命じられているように錯覚してしまう強い視線。色気も感じる。眩暈を覚えた。
「わ、私」
「情熱的に抱くのは結婚してからがよいだろうと遠慮したんだが、君にその気があるなら試してみようか?」
腰が持ち上げられたと思えば、あっさりと熱が隘路を押し拡げる。痛みがないことに驚いたし、抵抗なく彼を飲み込んでしまう自分の体にもっと驚いた。
「ええっ」
「身体の相性はいいようだ。君のことをもっと教えてくれないかな」
「に、二回目は、さすがに、ああんっ」
ぐりぐりと奥のほうを擦られると視界がチカチカした。
「君のおかげで忌避感を払拭できそうだ。すまないが付き合ってくれ」
こっちが本音だと直感する。耳元で切なく囁かれたら、もう拒む理由はない。
私は力を抜いた。
「愛しています、フロラン。どうぞお望みのままに」
体の負担を考えるのはやめよう。感じるままをフロランに返したい。
私はフロランの広い背中に自身の腕をまわして抱き締めた。
2
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
【R18】うっかりな私のせいで大好きな人が媚薬で苦しんでるので、身体を張って助けようと思います!
夕月
恋愛
魔女見習いのミリアムは、騎士のイヴァンのことが昔から大好き。きっと彼にとってミリアムは、手のかかる妹分でしかないけど。
ある日、師匠に言われて森の中へ薬草を採りに行ったミリアムは、護衛でついてきてくれたイヴァンに怪我を負わせてしまう。毒にやられた彼を助けるため、急いで解毒剤を調合したものの、うっかりミスで、それが媚薬化してしまって…!?
それなら、私が身体を張ってイヴァンの熱を鎮めるわ!と俄然やる気を出すミリアムと、必死に抵抗するイヴァンとの、ひとつ屋根の下で起きるあれこれ。
Twitterで開催されていた、月見酒の集い 主催の『ひとつ屋根の下企画』参加作品です。
※作中出てくるエリーとその彼氏は、『魔女の悪戯に巻き込まれた2人〜』の2人を想定してます。魔法のおかげで痛くなかった2人なので、決してエリーの彼氏が…、な訳ではないのです(笑)
騎士様に甘いお仕置きをされました~聖女の姉君は媚薬の調合がお得意~
二階堂まや
恋愛
聖女エルネの姉であるイエヴァは、悩める婦人達のために媚薬の調合と受け渡しを行っていた。それは、妹に対して劣等感を抱いてきた彼女の心の支えとなっていた。
しかしある日、生真面目で仕事人間な夫のアルヴィスにそのことを知られてしまう。
離婚を覚悟したイエヴァだが、アルヴィスは媚薬を使った''仕置き''が必要だと言い出して……?
+ムーンライトノベルズにも掲載しております。
+2/16小話追加しました。
氷の騎士団長様に辞表を叩きつける前にメリッサにはヤらねばならぬことがある
木村
恋愛
ロロイア王国王宮魔道士メリッサ・リラドールは平民出身の女だからと、貴族出身者で構成された王宮近衛騎士団から雑務を押し付けられている。特に『氷の騎士』と呼ばれる騎士団長ヨル・ファランに至っては鉢合わせる度に「メリッサ・リラドール、私の部下に何の用だ」と難癖をつけられ、メリッサの勤怠と精神状態はブラックを極めていた。そんなときに『騎士団長の娼館通い』というスキャンダルをもみ消せ、という業務が舞い込む。
「し、し、知ったことかぁ!!!」
徹夜続きのメリッサは退職届を片手に、ブチギレた――これはもう『わからせる』しかない、と。
社畜ヒロインが暴走し、誤解されがちなヒーローをめちゃくちゃにする、女性優位、男性受けの両片思いラブコメファンタジー。プレイ内容はハードですが、作品テイストはギャグ寄りです。
メリッサ・リラドール
ヒロイン 26歳 宮廷魔道士
平民出身 努力と才能で現在の地位についた才女
他人の思考を読み過ぎて先走る 疲れると暴走しがち
ヨル・ファラン
ヒーロー 28歳 宮廷付騎士団団長
大公の長男だが嫡男ではない
銀髪、水色の瞳のハンサム
無表情で威圧感がすごい 誤解されがち
大事な姫様の性教育のために、姫様の御前で殿方と実演することになってしまいました。
水鏡あかり
恋愛
姫様に「あの人との初夜で粗相をしてしまうのが不安だから、貴女のを見せて」とお願いされた、姫様至上主義の侍女・真砂《まさご》。自分の拙い閨の経験では参考にならないと思いつつ、大事な姫様に懇願されて、引き受けることに。
真砂には気になる相手・檜佐木《ひさぎ》がいたものの、過去に一度、檜佐木の誘いを断ってしまっていたため、いまさら言えず、姫様の提案で、相手役は姫の夫である若様に選んでいただくことになる。
しかし、実演の当夜に閨に現れたのは、檜佐木で。どうも怒っているようなのだがーー。
主君至上主義な従者同士の恋愛が大好きなので書いてみました! ちょっと言葉責めもあるかも。
大嫌いなアイツが媚薬を盛られたらしいので、不本意ながらカラダを張って救けてあげます
スケキヨ
恋愛
媚薬を盛られたミアを救けてくれたのは学生時代からのライバルで公爵家の次男坊・リアムだった。ほっとしたのも束の間、なんと今度はリアムのほうが異国の王女に媚薬を盛られて絶体絶命!?
「弟を救けてやってくれないか?」――リアムの兄の策略で、発情したリアムと同じ部屋に閉じ込められてしまったミア。気が付くと、頬を上気させ目元を潤ませたリアムの顔がすぐそばにあって……!!
『媚薬を盛られた私をいろんな意味で救けてくれたのは、大嫌いなアイツでした』という作品の続編になります。前作は読んでいなくてもそんなに支障ありませんので、気楽にご覧ください。
・R18描写のある話には※を付けています。
・別サイトにも掲載しています。
【R18】素直になれない私が、得体の知れない薬のおかげで幼馴染との距離を強引に縮めた話。
夕月
恋愛
薬師のメルヴィナは、かつてないほどに焦っていた。ちょっとした正義感を発揮した結果、催淫剤を飲んでしまったのだ。
優秀な自分なら、すぐに解毒剤を調合できると思っていたのに、思った以上に身体に薬が回るのが早い。
どんどん熱くなる身体と、ぼんやりとしていく思考。
快楽を求めて誰彼構わず押し倒しそうなほどに追い詰められていく中、幼馴染のフィンリーがあらわれてメルヴィナは更に焦る。
顔を合わせれば口喧嘩ばかりしているけれど、本当はずっと好きな人なのに。
想いを告げるどころか、発情したメルヴィナを見てきっとドン引きされるはずだ。
……そう思っていたのに、フィンリーは優しい笑みを浮かべている。
「手伝うよ」
ってそれは、解毒剤の調合を? それとも快楽を得るお手伝い!?
素直になれない意地っ張りヒロインが、催淫剤のおかげで大好きな人との距離を縮めた話。
大人描写のある回には★をつけます。
夫に他の男性との情事を目撃されてしまいました
鍋
恋愛
私はヴァニラ、Eランク冒険者。
何故かSSランク冒険者のセーロスと結婚。
夫の留守中、風邪に効く薬草を採りに森に入って、幻覚・催淫作用のあるホルメー茸の胞子を吸い込んでしまった。
これは、森の中で見ず知らずの男性と情事に及んでいたヒロインが、夫に現場を目撃され夫がヤンデレ化していくお話です。
※地雷要素多いのでご注意ください。
R18
いきなりヒロインの他の男性との絡みから始まります。
メリバ?監禁風?
のんびり更新します。
媚薬を飲まされたので、好きな人の部屋に行きました。
入海月子
恋愛
女騎士エリカは同僚のダンケルトのことが好きなのに素直になれない。あるとき、媚薬を飲まされて襲われそうになったエリカは返り討ちにして、ダンケルトの部屋に逃げ込んだ。二人は──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる