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ふたりの部屋で。*

甘い口づけに翻弄されて

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「あっ」

 唇が離れる。強制的に息継ぎをさせられて、再びシトリンと唇を合わせられた。舌がにゅるりと入り込んでくる。唇を食まれた影響なのか、感覚が鋭くなっているようだ。とてもドキドキした。

 待って、これ。私の知ってるキスじゃないんですけどっ⁉︎

 口の中を丁寧になぞられる。彼を追い出したくて口を閉じようとしたがうまくいかない。舌で押し出そうと触れると身体がジンと痺れた。

 なにこれ? なんなの?

 抵抗のすべを失って、受け入れざるを得なくなってしまった。喉の奥のあたりを執拗に責められると堪らなくて身体をくねらせた。

「……ふぅん? 僕のキスより弟のキスのほうが気持ちよさそうだね」

 楽しんでいた私の胸から離れたアメシストは、さっと自身の上着を脱ぐ。ベッドの外に投げ出される上着が放物線を描く。たくましい上半身が露わになったのがちらりと見えた。

「マスターも脱いでしまおうね」

 そう宣言されて、拒む間もなくスカートが引き抜かれた。下着も、靴下も、抵抗する間も無く剥ぎ取られていく。

「や、ちょっ、待って」

 アメシストに下半身をすべて脱がされたタイミングで、シトリンによって上半身が起こされる。身体を隠さないとと思っているうちに、背後からシトリンに口づけを求められて応じてしまった。唇を塞がれる。器用に私のドレスシャツが脱がされ、下着も取り除かれてしまう。
 手慣れているわけではなさそうなのに、ふたりとも手際がよすぎる。連携の妙というのだろうか。あっという間に全裸にされていた。

「……恥ずかしい」

 部屋の灯りはつけっぱなしで、昼間ほど明るくはないけれど全身がはっきりと見えてしまう。もじもじと膝を擦り合わせていると、アメシストは私の裸を嬉しそうに視線でなぞり、自身の唇をぺろりと舐めた。

「マスターは綺麗だねえ」
「あ、あなた方と比べたら、私なんて」

 鉱物人形は顔だけでなくスタイルもいい。筋肉のつき方のバランスがいいから、細身であろうとも太めであろうともとても美しく見える。戦場を駆けるための身体であるので、当然といえば当然の造形なのだろうけれど。
 私はアメシストの視線から逃れるように顔を横に向ける。

「そうはいうが、俺たちとは違う女の身体だろう? この柔らかな膨らみは、とても美しい曲線だと感じられるが」

 背後で支えているシトリンが私の胸からお腹を撫でながら告げる。
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