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ふたりの部屋で。*
風紀が乱れるのはよくないんですって‼︎
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ぴくりと身体を震わせる。
「僕は君と触れ合っていたほうがもっと気持ちがいいんじゃないかなって考えてるよ?」
紫水晶の瞳が私を映す。
まずい。話題をそらさないと酔わされてしまう!
「そ、そんなことはないですって」
「どちらが気持ちがいいか、確かめてみないことにはわからないと思うが?」
反対側からシトリンの手が伸びてきて、私の鎖骨をなぞる。服を脱がそうと考えているのが視線の動きから明白だ。
「いやいやいや。お二方とも落ち着いてください。よくないです。こういうことはよくないんですって。部隊の風紀が乱れたら、今後の士気にも関わります。お付き合いもしていない男女が、身体を触れ合わせるのはよくないんですって」
「む……風紀の乱れ、か」
先に私の言葉に反応したのはシトリンのほうだった。
「爛れた関係って言うんですか、そういうの。ダイヤさんやサファイヤさんが嫌うでしょ!」
ウチの部隊で堅物だと名高いふたりの名を出す。
金剛石の鉱物人形・ダイヤも、青玉の鉱物人形・サファイヤも潔癖のきらいがあり、女の子を口説きがちな紅玉の鉱物人形・ルビを叱っている場面によく遭遇する。私だけでなく、鉱物人形たちもそういう認識のはずだ。
シトリンは怯んだが、アメシストには刺さらなかったらしかった。アメシストの指先が私の唇を弄ぶ。
「どうだろう。僕は君のこと、ちゃんと大好きだよ? 弟のこと以上に、君に興味があるんだ」
そう告げて。
アメシストの綺麗な顔が近づいてきて。
あ、これ、ダメなやつ……
逃げられないままに口づけを交わした。
「……魔力の交換をしなければ、マスターの身体への影響は防げるって、ルビが言ってた」
どんな助言をしてくれちゃってるんですか、ルビさん!
あとで呼び出して説教してやらねば、と誓ったのは一瞬で。
アメシストの手が私の胸元に触れた。
「もっと楽しいこと、しよう?」
誘いの言葉には乗らないと口を開いたところで、再び唇を塞がれた。舌が入り込んでくる。
「んんんんんっ!」
バタバタ手足を動かしたが、胸をやわやわと揉まれていくうちにそれどころじゃなくなっていく。息苦しくて、意識がぼんやりとしてきた。
「……や、あっ、アメシスト、さんっ」
「直に触れるよ?」
ドレスシャツが捲られて、下着がずらされると直接胸に触れられた。アメシストの手は熱い。
「や、だっ、いいって言ってないっ」
揉む力が絶妙で、翻弄されてしまう。
胸を揉まれるって、こういう感じなの?
このままアメシストに好きなようにされるわけにはいかない。助けを求めてシトリンを見やる。彼は熱っぽい視線をこちらに向けて様子をうかがっている。
「た、助けて」
胸に吸いつくアメシストはそのままにして、私はシトリンに手を伸ばす。
シトリンはすぐには私の手を取らず視線を彷徨わせたが、結局は私の手を取った。
「シトリン……」
「大丈夫だ」
私の手を握っていない方の手で頭を撫でてくる。少し気がそれたところで、今度はシトリンから口づけされた。
「んんん‼︎」
唇を食まれるとゾクっとする。胸の刺激とあいまって、頭の中がグルグルし始めた。
なんで、なんでっ⁉︎
全然大丈夫ではない。おかしくなりそうだ。
「僕は君と触れ合っていたほうがもっと気持ちがいいんじゃないかなって考えてるよ?」
紫水晶の瞳が私を映す。
まずい。話題をそらさないと酔わされてしまう!
「そ、そんなことはないですって」
「どちらが気持ちがいいか、確かめてみないことにはわからないと思うが?」
反対側からシトリンの手が伸びてきて、私の鎖骨をなぞる。服を脱がそうと考えているのが視線の動きから明白だ。
「いやいやいや。お二方とも落ち着いてください。よくないです。こういうことはよくないんですって。部隊の風紀が乱れたら、今後の士気にも関わります。お付き合いもしていない男女が、身体を触れ合わせるのはよくないんですって」
「む……風紀の乱れ、か」
先に私の言葉に反応したのはシトリンのほうだった。
「爛れた関係って言うんですか、そういうの。ダイヤさんやサファイヤさんが嫌うでしょ!」
ウチの部隊で堅物だと名高いふたりの名を出す。
金剛石の鉱物人形・ダイヤも、青玉の鉱物人形・サファイヤも潔癖のきらいがあり、女の子を口説きがちな紅玉の鉱物人形・ルビを叱っている場面によく遭遇する。私だけでなく、鉱物人形たちもそういう認識のはずだ。
シトリンは怯んだが、アメシストには刺さらなかったらしかった。アメシストの指先が私の唇を弄ぶ。
「どうだろう。僕は君のこと、ちゃんと大好きだよ? 弟のこと以上に、君に興味があるんだ」
そう告げて。
アメシストの綺麗な顔が近づいてきて。
あ、これ、ダメなやつ……
逃げられないままに口づけを交わした。
「……魔力の交換をしなければ、マスターの身体への影響は防げるって、ルビが言ってた」
どんな助言をしてくれちゃってるんですか、ルビさん!
あとで呼び出して説教してやらねば、と誓ったのは一瞬で。
アメシストの手が私の胸元に触れた。
「もっと楽しいこと、しよう?」
誘いの言葉には乗らないと口を開いたところで、再び唇を塞がれた。舌が入り込んでくる。
「んんんんんっ!」
バタバタ手足を動かしたが、胸をやわやわと揉まれていくうちにそれどころじゃなくなっていく。息苦しくて、意識がぼんやりとしてきた。
「……や、あっ、アメシスト、さんっ」
「直に触れるよ?」
ドレスシャツが捲られて、下着がずらされると直接胸に触れられた。アメシストの手は熱い。
「や、だっ、いいって言ってないっ」
揉む力が絶妙で、翻弄されてしまう。
胸を揉まれるって、こういう感じなの?
このままアメシストに好きなようにされるわけにはいかない。助けを求めてシトリンを見やる。彼は熱っぽい視線をこちらに向けて様子をうかがっている。
「た、助けて」
胸に吸いつくアメシストはそのままにして、私はシトリンに手を伸ばす。
シトリンはすぐには私の手を取らず視線を彷徨わせたが、結局は私の手を取った。
「シトリン……」
「大丈夫だ」
私の手を握っていない方の手で頭を撫でてくる。少し気がそれたところで、今度はシトリンから口づけされた。
「んんん‼︎」
唇を食まれるとゾクっとする。胸の刺激とあいまって、頭の中がグルグルし始めた。
なんで、なんでっ⁉︎
全然大丈夫ではない。おかしくなりそうだ。
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