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2:私の人生が動くとき
衣装も身体の一部です。
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「経験のないまっさらなお嬢さんに、そういう言い方はないんじゃないか?」
「すぐに慣れるわよ」
「きみがそうだったからって、彼女もそうだとは限らないだろ?」
「…………」
その通りです、オパールさん。
セレナはむすっとしただけで、何も言わなかった。なんとなく、オパールとは仲良くなれそうな気がした。
「……よし。もう平気だな」
オパールがするりと包帯を取ると、破れていた衣装まで元通りになっている。不思議だ。
私は目をまんまるくして怪我をしていたはずの場所を見つめる。
「……服も直るんですか?」
「鉱物人形はこの正装も含めて鉱物人形なんだよ。服が破れることは、身体にダメージが入っているのと同じことだ。まあ、着脱はできるんだが、そういうものだと考えてくれ」
衣装も含めて鉱物人形……興味深い。
私は頷いた。
「なるほど、それで回復させたときにアメシストさんもシトリンさんも服のほつれが直ったんですね」
「ありゃ、経験あるのか」
「そこは不問で」
「おう、わかった」
詮索したり茶化したりしてこないあたり、オパールさんはいいひとだと思う。
「――という感じで、鉱物人形の修復はこんな感じ。できるだけ怪我はさせたくないけれど、向こうも容赦してはくれないからね。戦闘はそういうものだと覚悟しておいて」
「わかりました」
オパールが回復しているのを見て安心したのだろう。セレナの口調は少し柔らかかった。
「私は戦況を聞いてくるから、オパール、彼女をお願い」
「了解」
セレナはオパールに私たちを託し、席を外した。
私は周囲を見渡す。気配から察するに、一番重傷だったのは今治療が終わったオパールだったようだ。様々な宝石を元にした鉱物人形がいる。アメシストとシトリンによく似た鉱物人形も見かけた。
なるほど、同じ鉱物が元になっていると容姿も似るのか。
見た目がほぼ一緒であっても、内包する魔力による気配が異なるので私は識別できる。魔力に扱い慣れていない人間から見たら、個体を区別できないのだろう。そのあたりは、私が宝石を見て精霊の祝福の有無を見分けられるのに似ている。
「面白いか?」
オパールが私に声をかけてきた。私の態度は不躾だっただろうか。私は注意されたみたいに感じられて、オパールに顔を向ける。
「すぐに慣れるわよ」
「きみがそうだったからって、彼女もそうだとは限らないだろ?」
「…………」
その通りです、オパールさん。
セレナはむすっとしただけで、何も言わなかった。なんとなく、オパールとは仲良くなれそうな気がした。
「……よし。もう平気だな」
オパールがするりと包帯を取ると、破れていた衣装まで元通りになっている。不思議だ。
私は目をまんまるくして怪我をしていたはずの場所を見つめる。
「……服も直るんですか?」
「鉱物人形はこの正装も含めて鉱物人形なんだよ。服が破れることは、身体にダメージが入っているのと同じことだ。まあ、着脱はできるんだが、そういうものだと考えてくれ」
衣装も含めて鉱物人形……興味深い。
私は頷いた。
「なるほど、それで回復させたときにアメシストさんもシトリンさんも服のほつれが直ったんですね」
「ありゃ、経験あるのか」
「そこは不問で」
「おう、わかった」
詮索したり茶化したりしてこないあたり、オパールさんはいいひとだと思う。
「――という感じで、鉱物人形の修復はこんな感じ。できるだけ怪我はさせたくないけれど、向こうも容赦してはくれないからね。戦闘はそういうものだと覚悟しておいて」
「わかりました」
オパールが回復しているのを見て安心したのだろう。セレナの口調は少し柔らかかった。
「私は戦況を聞いてくるから、オパール、彼女をお願い」
「了解」
セレナはオパールに私たちを託し、席を外した。
私は周囲を見渡す。気配から察するに、一番重傷だったのは今治療が終わったオパールだったようだ。様々な宝石を元にした鉱物人形がいる。アメシストとシトリンによく似た鉱物人形も見かけた。
なるほど、同じ鉱物が元になっていると容姿も似るのか。
見た目がほぼ一緒であっても、内包する魔力による気配が異なるので私は識別できる。魔力に扱い慣れていない人間から見たら、個体を区別できないのだろう。そのあたりは、私が宝石を見て精霊の祝福の有無を見分けられるのに似ている。
「面白いか?」
オパールが私に声をかけてきた。私の態度は不躾だっただろうか。私は注意されたみたいに感じられて、オパールに顔を向ける。
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