青空の色

小鳥遊 雛人

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1色目 雨上がりの空の色

1-7

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「そ、そのサングラスも関係あるの?」
「うん!明るいところだと色の濃淡の差がわかりにくいの。だから多すぎる光を遮るための遮光サングラスなんだよ」
「…なるほど」
「海外セレブみたいでかっこいいでしょ?」

 そう言って彼女はくるりと回る。紺色のスカートがひらりと風を受けて広がった。

「……」

 見え隠れした白い太腿に目を逸らす。思わず目を逸らした。

「なんで目を逸らしたの?」
「べ、別に」
「…意外と初心だねぇ」

 クスクスと笑う彼女。そういう視線に敏感だと何かで聞いたことあるが、本当なようだ。


「あ、そうだ!リュウくん、明日からも屋上来てよ!」
「え!?」
「色の答え合わせしたいの!手伝って!」

 さっきまでの色の問答は合点がいった。とはいえ、今更それに意味があるのだろうか?

「いや、でも…」
「えー、嫌なの?」

 言い淀んだが、どうせお昼に話す友達もいない。それに屋上から見える空は嫌いじゃなかった。

「…わ、わかった」
「やった!」

 こちらにピースサインを向ける彼女。青空の下、サングラス越しの笑顔が光る。


「あ、えっと…」
「んー?」

 僕はずっと気になってたことを聞こうと、勇気を出して声をかけた。

「き、君の名前。なんて言うの?」
「言ってなかったっけ!」

 名前を聞くのに緊張するようになったのは、周りに怖がられるようになってからだ。
 僕は久しくこの感覚を味わっていなかった。誰かと仲良くなる、この感覚。初めましてする、この感覚。


青空あおぞら 夏虹かこだよ!」

 そう言って青空さんは夏の太陽にも負けないほどキラキラと笑った。
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