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本編
亀
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「ルシー、起きれる?もう少し寝ててもいいよ?」
1時間以上、ぐっすりと寝てしまった。
獣に囲まれてモフモフパラダイスの中で寝たはずなのに、今はギル兄様の腕の中だ。
まさか、寝ながらギル兄様を求めてくっついたのだろうか。
自分ならやりそうで怖い。
「起きたか?」
「まだ、ぽやぽやしてますね。かわいいなぁ」
「ギルバートは本当にファルシュターが好きなんだな」
「この子は僕の全てなんです。僕の小さな世界を壊してくれて、現実に戻してくれた。誰の言葉も聞こえなかったのに、この子の声だけは響いたんです。それってきっと運命なんですよ」
ギル兄様がクスクスと笑いながら、頬や額にキスをしてくれている。
自分もお返しがしたいので、気合を込めて閉じかけていた瞼をこじ開けた。
「おはよう、ルシー」
「にいしゃま、おはよ。まだ、あしょべる?」
思ったより長く寝てしまっていたので、そろそろ帰る時間になってしまったかもしれない。
「ファルシュターはまだ遊び足りないか!」
お爺さまが豪快に笑っている。
せっかくピクニックに来たのだし、まだまだ遊びたいが、お爺さまもギル兄様も本当はとても忙しいのを知っているので我儘は言いたくない。
「まだ遊べるよ。でも、また来れば良いから無理しちゃダメだよ」
なんと、また連れてきてもらえるらしい。
「この森だけじゃないぞ。これからはもっと色んな場所に遊びに行くぞ」
街と森以外には騎士団にしか行ったことが無いので何処に連れて行ってもらえるのかとても楽しみだ。
まだ遊んでも良いとの事だったので、湖の周りを探検する事にした。
もちろん、1人ではダメなので全員で移動する。
せっかくの探検なので、ここは自力で歩きたい。
ギル兄様に手を繋いでもらい、ゆっくりと湖の周りを歩いていると、何かが湖の中からノソノソと這い出てくるのが見えた。
「にいしゃま、なんか、いりゅ」
本当なら走って近づきたいくらい興味津々だが、繋がれた手の感触で我慢が出来た。
ここでギル兄様の手を振り解いて走ったりしたら、今日の目標である信用回復は出来ないだろう。
なんとか思いとどまれてよかった。
だが、ノソノソと動いている物体はとてもゆっくりとした動きなので、ちょっと気が急いてしまう。
あの物体は遠目から見てもわかる。
亀だ。
ただ、やはりと言って良いのか普通よりだいぶ大きいと思う。
大人が1人は楽々と甲羅の上に乗れそうな大きさだ。
大きいがとても可愛い。
動きがゆっくりしているからか、怖さは全く感じないし多分だが攻撃性も無さそうだ。
雰囲気がのんびりしている。
1時間以上、ぐっすりと寝てしまった。
獣に囲まれてモフモフパラダイスの中で寝たはずなのに、今はギル兄様の腕の中だ。
まさか、寝ながらギル兄様を求めてくっついたのだろうか。
自分ならやりそうで怖い。
「起きたか?」
「まだ、ぽやぽやしてますね。かわいいなぁ」
「ギルバートは本当にファルシュターが好きなんだな」
「この子は僕の全てなんです。僕の小さな世界を壊してくれて、現実に戻してくれた。誰の言葉も聞こえなかったのに、この子の声だけは響いたんです。それってきっと運命なんですよ」
ギル兄様がクスクスと笑いながら、頬や額にキスをしてくれている。
自分もお返しがしたいので、気合を込めて閉じかけていた瞼をこじ開けた。
「おはよう、ルシー」
「にいしゃま、おはよ。まだ、あしょべる?」
思ったより長く寝てしまっていたので、そろそろ帰る時間になってしまったかもしれない。
「ファルシュターはまだ遊び足りないか!」
お爺さまが豪快に笑っている。
せっかくピクニックに来たのだし、まだまだ遊びたいが、お爺さまもギル兄様も本当はとても忙しいのを知っているので我儘は言いたくない。
「まだ遊べるよ。でも、また来れば良いから無理しちゃダメだよ」
なんと、また連れてきてもらえるらしい。
「この森だけじゃないぞ。これからはもっと色んな場所に遊びに行くぞ」
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まだ遊んでも良いとの事だったので、湖の周りを探検する事にした。
もちろん、1人ではダメなので全員で移動する。
せっかくの探検なので、ここは自力で歩きたい。
ギル兄様に手を繋いでもらい、ゆっくりと湖の周りを歩いていると、何かが湖の中からノソノソと這い出てくるのが見えた。
「にいしゃま、なんか、いりゅ」
本当なら走って近づきたいくらい興味津々だが、繋がれた手の感触で我慢が出来た。
ここでギル兄様の手を振り解いて走ったりしたら、今日の目標である信用回復は出来ないだろう。
なんとか思いとどまれてよかった。
だが、ノソノソと動いている物体はとてもゆっくりとした動きなので、ちょっと気が急いてしまう。
あの物体は遠目から見てもわかる。
亀だ。
ただ、やはりと言って良いのか普通よりだいぶ大きいと思う。
大人が1人は楽々と甲羅の上に乗れそうな大きさだ。
大きいがとても可愛い。
動きがゆっくりしているからか、怖さは全く感じないし多分だが攻撃性も無さそうだ。
雰囲気がのんびりしている。
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