コレは流行りの転生ですか?〜どうやら輪廻転生の方でした〜

誉雨

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本編

お弁当

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結論から言うと、とても楽しい水遊びになった。

自分がちょっとしか掛けられない水を虎は大袈裟なぐらい驚いて被ってくれたし、熊も大きな手で水を掬いチョロチョロと洗礼のように頭にかけてくれた。
それを見ていたお爺さまとギル兄様が笑って、熊にも水をかけてくれたりとわちゃわちゃしていて楽しい時間だった。
しかし1番張り切ってくれたのは兄犬だ。
兄犬は深い所まで犬掻きで泳いでいき、戻ってから自分めがけてブルブルと水を飛ばしてくれたのだ。

「きゃー」

自分が興奮してぴょんぴょんと飛び跳ねて喜ぶものだから、兄犬は何度も繰り返してくれた。
頭が3つあるからか、水が四方八方から飛んでくるので全身びしょ濡れになってしまったが後悔はない。

「ギルバート、見てみろ。ケルベロスが泳いでいるぞ。しかも、なんか可愛い犬を装っておる」
「お爺様、ケルベロスだけじゃなくシーザーやソラまで射殺しそうな視線を飛ばして来てます。それ以上はやめて下さい」

そして初めてトカゲが泳ぐ姿を見た。
小さい翼をパタパタさせていて、とても可愛らしかった。

水に濡れてしまった身体は虎が魔法で乾かしてくれたので、着替えをする必要がなかったのもありがたい。
今日の服は兄犬とお揃いの黒犬バージョンなので、自分もフードを被って遊びたいと思っていたのだ。

「にいしゃま、みちぇ。おしょろいなのよぉ」
「可愛いわんちゃんだね。お手出来る?」

ギル兄様がスッと自分に手を出して来たので、慌てて重ねた。
わんちゃんプレイをご希望なら、全力で応えたいところだ。

「捕まえた!さぁ、お昼ごはんにしようね」

わんちゃんプレイではなく、ただの捕獲作戦だったようだが、ギル兄様と手が繋げたので良しとしよう。
外でお弁当を食べるのは初めてだ。
シェフが作ってくれたお弁当なので、いろんな意味で期待が高まってしまう。

「今日はサンドイッチですからね」

出発前にシェフが教えてくれたのだが、それは普通のサンドイッチだろうか。
あのシェフの事だ。
はじめてのお弁当で張り切らない訳がないと思う。

「これは凄いな」
「ルシー、見てごらん。サンドイッチがキャンディーみたいに包まれてるよ。オカズに刺さってるピックはベクストが作ったのかな?熊と虎と犬が付いてる」

やっぱり、普通じゃなかった。
バスケットの中には、カラフルな紙に可愛らしく包まれ両縁をリボンでまとめられたサンドイッチがいっぱい詰まっていた。
もう1つのバスケットの中は唐揚げやミートボール、ウインナーなどがピックに刺してあるのだが、ピックは多分手作りだと思う。
いったいどれだけの時間をかけて作ったのだろう。
しかも刺してあるお肉の上か下には、星やハートに飾り切りされた色鮮やかな野菜がセットになっているのだ。

全体的に可愛らしい弁当が爆誕していた。
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