上 下
179 / 195
本編

友達いっぱい

しおりを挟む
「ルシー、戻っておいで?」

ギル兄様に呼ばれている。
自分では急いで戻っているつもりだが、多分ギル兄様が近付いてくれているスピードの方が速かったと思う。

「今日はみんな外にいるみたいだよ」

外の訓練場は1人では近付いてはいけないとパパと約束をしているので、行くのは誰かと一緒の時だけだ。
訓練中は獣達も気が立っていたり、周りが見えなくなってしまう程、興奮してしまう事もあるらしく危険だと判断された結果だ。
確かに、自分には身を守る術がないのでそう思われても仕方がないのだが、熊や虎は普通に誘ってくるので困ってしまう。
獣舎で遊んだ帰りに、普通に訓練場に寄ろうとするのだ。
訓練場にはたくさんの獣がいるので、行きたいとは思ってしまうがパパとの約束を破るわけにはいかないので、遠くから見学だけしていつも素通りだ。

「今日は僕もお爺様もいるから、訓練場に行ってみようね。多分、今ならペンギンやカルファもいると思うよ」
「カルファもファルシュターの友達か?」

もちろん、馬もペンギンも友達だ。
出会った獣達はみんな友好的なので、勝手に友達だと思っている。
その中でも馬は仲が良い方だろう。
いつもオヤツを持っていくと美味しそうに手から食べてくれるのだ。
馬体はとても大きいが、身を屈めて鬣を触らせてくれたりもする。

「うん!なかよちよぉ」
「ルシーはルアンとも仲良しだもんね」
「ルアちゃん、しゅき」

鳥もペンギンと同様にいつも遊んでくれる。
獣達が忙しく、誰もいない時でも2匹は絶対に遊んでくれるのだ。
大丈夫かと心配になりそれぞれの相棒に確認はしたが、本当に必要な時は呼ぶから気にしなくてもいいそうだ。

「凄いな…ルアンまでか…」
「はい。シーザーやソラも片時も離れたくないみたいでいつも一緒です。なので、お爺様の相棒がルシーに腹を見せてもおかしくなった訳ではないので、気をしっかり持っていて下さいね」

そんなにお爺さまの相棒は人馴れしていない子なのだろうか。
それならば自分に腹を見せる事はないだろう。
動物に好かれやすいとは言っても、初対面の子の警戒心は凄いと思う。

だが、これは決定的な証拠が手に入ったのではないだろうか。
腹を見せるという事は、もふもふ系だ。
そうなれば、グリフォンではないだろう。
身体はもふもふ系だが翼が邪魔をして腹は出せない。
狐か犬か…。
どちらにしても可愛いし、同種の獣を見るのは初めてだ。
兄弟だという事は、両親もいるという事だ。
もし紹介してもらえるのなら、是非家族全員をお願いしたい。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ラブラブな僕たちが見守るイケメンアンドロイドの恋

BL / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:498

騎士団長!!参る!!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:2,760

カテゴリー

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:14

異世界でのおれへの評価がおかしいんだが

BL / 完結 24h.ポイント:1,207pt お気に入り:13,884

前世の愛が重かったので、今世では距離を置きます

BL / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:1,930

【BL】水属性しか持たない俺を手放した王国のその後。

BL / 連載中 24h.ポイント:49pt お気に入り:1,683

幼馴染に色々と奪われましたが、もう負けません!

BL / 完結 24h.ポイント:560pt お気に入り:4,365

処理中です...