コレは流行りの転生ですか？〜どうやら輪廻転生の方でした〜

本編

獣舎に到着

朝食を食べ終わると、全員で騎士団まで転移した。
熊と虎は瞬間移動で来るかと思ったが、ちゃんと自分の横に居てくれた。
とは言っても、自分は安定のギル兄様の腕の中だ。
ピクニックへ行った先の森では、なんとか自分の足で歩く事にしよう。

「ファル君…。パパはお仕事で一緒に行けないけど、怪我をしないようにね。シーザーの側から離れちゃダメだよ」

パパの部屋の前までお見送りして、その後は獣舎に向かった。
ここでお爺さまの相棒と合流するらしい。
お爺さまの相棒が獣舎に住んでいるのなら、大型の可能性が高いだろう。
何故、お屋敷で一緒に暮らさないのか聞いてみたところ、獣には兄弟がいるらしく見張りも兼ねて一緒に居るらしい。
見張りが必要とはどんなやんちゃな兄弟がいるのだろうか。

着いた獣舎はいつも遊びに来ているところだった。

「ありぇ？ノイちゃんたちと、いっちょ？」

狐やグリフォン、犬がいる獣舎だ。
ここにはペンギンや鳥と一緒に何度も遊びに来ている。
この獣舎に住んでいる４匹は比較的若い子達なので、自分の遊び相手に嬉々としてなってくれるのだ。

「九尾狐とも仲が良いのか！？あの子は臆病でなかなか気難しい性格をしていたと思ったが…」
「お爺様。ルシーは獣達にとても好かれているので、全員ルシーの虜ですよ」
「そうか！それなら紹介しやすいな」
「そうですね。別の意味で不安はありますが…」

獣舎に着く少し前から、ギル兄様と手を繋いで歩いていたので、ギル兄様に許可をもらい獣舎に向かって駆け出した。
熊と虎はピッタリと並走してくれている。
いや、見栄を張って嘘をついた。
熊も虎も自分のピッタリ横をのんびり歩いて着いてきてくれている。
こんなに一生懸命、必死に走っているのに少しも急いでいる様子もなく、それどころか自分が転ばない様にサポートまでしてくれているのだ。
もういっそ虎に首根っこでも咥えて運んでもらった方が良いのかもしれないが、それではいつまで経っても足は速くならないので、みんなに見られているのは恥ずかしいがこれからも走る事は続けていきたい。

「ノイちゃん、チャチャ、チロ、エグちゃん。いましゅか？」

４匹はいつも獣舎にいる時は声をかけるとすぐに来てくれるのだ。
チャチャとチロだけ呼び捨てなのは、自分の舌が短い所為なのかチャチャちゃんが言えなかったからだ。
２匹にも謝り、相棒にも許可を取った。
だが、今日は４匹は現れなかった。
お仕事中かもしれない。

今日は遊びに来たわけではなかった事を思い出し、お爺さまの相棒がいないかキョロキョロと見回してみたが、それらしい姿も見えなかった。
それにしても、どの子の兄弟なんだろうか。