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本編

お爺さまの様子が…

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パパは可愛い可愛いと大絶賛だった。
パパは何故か熊を褒めていたのだが、自分には会話がわからないので謎のままだ。

「ファルシュター、ちょっとこちらに来なさい」

お爺さまが手招きをして呼んでくれている。
お爺さまはやはり白熊の獣人らしく、しっかりとした体躯をしており鍛えているのが見て取れる。
髪と目の色がパパやギル兄様とお揃いなのが羨ましいが、ゼウスローゼン家の血筋を感じられて好きなポイントでもある。
こうしてみると、種族は違っても3人はよく似ている様だ。
まあ、断トツでギル兄様がカッコいいのだが、そこはやはりツノや鱗が無い所為で神秘的な雰囲気が作り出せないから仕方がないのかもしれない。

ただ、お爺さまは大きな身体で口調もしっかりしているので威厳があり、ちょっと萎縮してしまう。
呼ばれているので無視をする訳にもいかず、ギル兄様から離れてトコトコと近づいた。

「ファルシュター、困っている事はないか?ちゃんとご飯は食べているのか?いつもは何をして過ごしている?何か欲しい物はないのか?じいじに何でも言いなさい」

何か矢継ぎ早に質問されているのだが、さっきまで感じていた威厳は何処かへ行ってしまったようだ。
笑顔は見られないが孫を可愛がる好々爺にしか見えない。
自分を膝に座らせ、尚も質問を続けている。

「お爺様、そんなに1度に質問されてはルシーが困ってしまいます。可愛いのはわかりますが、ちょっと控え目にお願いします」

ギル兄様はお爺さまの前の席に座り、ニコニコと様子を見守っている様だ。
パパはギル兄様の隣に座ると少し不貞腐れている。

「はぁ…。父上にファル君を取られた。私だってお膝に乗せてお話ししたい」
「ワシはみんなより出遅れたからな。これからは時間が許す限り親睦を深めたい」

今の状況はよくわからないが、嫌われてはいない様子に少しだけホッとした。
得体の知れない自分をゼウスローゼン家に迎え入れる事を反対されているかもと心配していたのだ。

「明日はギルとじいじと一緒にお出かけしよう。お弁当を持って森まで遊びにいくぞ。ワシの相棒も紹介したい」

お爺さまの相棒は、お爺さまが騎士団を退団してからもよく一緒に行動しているらしい。
今回の視察にも同行していたらしいのだが、お屋敷には住んでいない様だ。
お爺さまが退団してからも関係が切れた訳ではないらしく騎士団の獣舎で暮らしている。
今でも有事の際はお爺さまと一緒に前線で戦うそうだ。
どんな子なのか、紹介してもらえるのが楽しみである。
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