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本編

オシャレ上級者

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「そのツノはどうされたのですか?」

幻覚症状や進化論に惑わされて、自分もツノの評価が知りたかった事を忘れていた。
折角大人が3人も揃ったのだから、意見を聞きたい。

「にいしゃまと、おしょろい。にてる?」

せめて髪の色が銀は無理でも灰色や白に近ければ、お揃い感も増すのだが自分は真っ黒なので顔や雰囲気を似せて行く事は難しいだろう。
だがしかし、何もしなければ永遠に平行線のままだ。
ギル兄様と血縁関係が無いのだから、少しでも近づくには無理を承知でお揃いコーデにチャレンジするしかない。
ギル兄様を表すのに最も大切な神秘的なツノは、お揃いコーデには欠かせない一品に間違いないのだ。

「ええ、良くお似合いです。まるでギルバート様と同じ竜人のようです。お可愛らしい」

一番の褒め言葉、頂きました。

憧れの竜人族のように見てもらえるのなら、このツノを付ける事は大成功だと断言出来る。

「可愛いルシーが僕とお揃いが欲しいって言ってくれたから、ちょっと探してきたんだ。ルシーの綺麗な黒髪にも映えてて、可愛いでしょう?」

ギル兄様が凄く褒めてくれるけど、綺麗な黒髪ではないのでそこはちゃんと否定しておきたかったのだが、大人3人組がすぐさま肯定してしまい出来なかった。
自分の黒髪は艶はあるのだが、ギル兄様やパパのような銀髪の方が綺麗だし、カラフルの髪色の方が断然良いと思う。
そういえば、さっき会ったセイバースさんの息子さんは牛の獣人だからなのか、白髪にところどころ黒色が入っているオシャレな髪色だった。
アレはオシャレ上級者にしか出来ないだろう。
自分もところどころに白色を入れてみれば、息子さんと反対の色合いで同じような髪色が出来上がりそうなものだが、自分に置き換えて想像するとまるで虫食いのように見える様な気がしてしまい実行に移す気にはならない。
もう少し伸びたら髪型から変えていこうと思っている。
目指せ、脱キノコである。

3人に褒めちぎられ、ギル兄様にニコニコと見守られた結果、お揃いのままお爺さまとお会いする決心がついた。
怒られそうだったら、すぐさま外そう。

3人は仕事に戻って行ったのだが、ベクストの腰にくっついていた花人形がずっと自分を見ていたのが気になる。
目はないはずなのに、何故あんなに視線を感じてしまうのか。
そして、もう普通の動かない花人形に戻る事はないのだろうか。
動かない子に戻ったらお部屋に飾ってもいいと思うのだが、今のままでは怖くて無理なのだ。
夜中に目が覚めた時に、動いているのを見てしまったら自分はギル兄様に迷惑をかけると分かっていても大声で叫んでしまうだろう。
オバケ系はとても苦手である。
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