158 / 195
本編
暴走セイバース
しおりを挟む
「申し訳ございませんでしたーー!!!」
お屋敷の前で綺麗に土下座したセイバースさんに出迎えられた。
え!?
何!?
意味がわからなくて固まる自分を置き去りにして、セイバースさんはなおも続けている。
「私の教育が悪かったのです。アレがこんなにも馬鹿だったとは…。もし、ファルぼっちゃまがお戻りになられなかったらと思うと私は…」
どうしよう。
多分だが、息子さんの話をしているのだと思う。
だが、息子さんはギル兄様を思って自分に進言してくれたのだ。
ツノも鱗も好きではないと言っていたギル兄様の気持ちも考えず、粗末なコスプレをしてその上その姿を見てもらおうとしていた自分を止めてくれた。
今日1番のありがたい行為だったと思う。
自分がギル兄様に嫌われる未来を未然に防いでくれていたのだ。
ナイス、キーパー。
「アレにも反省をさせましたが、私も責任を取らなければなりません」
待って待って。
何かすごい空気になっているのだが。
何をする気なの?!
切腹とか嫌だよ!?
指とか捧げられても困るからね!?
「ファルぼっちゃまの、お世話係を…。や…やめ…」
「まっちぇ!!やだよ!ぼく、ちぇいばーちゅしゃんが、いい!」
セイバースさんはギル兄様やパパを除けば、1番一緒に居てくれた人だ。
尻尾を掴んで歩いても文句も言わず、絵本だっていっぱい読んでくれる。
自分が何かをするたびに、大袈裟なくらい誉めてくれるのだ。
庭の遊具で遊んでいたある日、滑り台を頭から滑るというちょっとだけ危険な行動をした時は、とても心配してくれた後にありがたいお叱りを受けたものだ。
もう自分はセイバースさんを信頼しきっている。
従僕トリオもシェフもベクストもみんな大好きだが、誰か1人を選ぶならセイバースさんがいい。
「ぼっちゃま!!」
「ルシーはセイバースが好きだもんね」
「パパ、妬けちゃうなぁ」
土下座のまま感動に震えているセイバースさんをなんとか立たせる事に成功した。
その甲斐もあってか、セイバースさんは自分のお世話係を続けてくれる事になった。
よかった。
最初は着るのが恥ずかしかった着ぐるみも、最近ではなんとなく可愛く見えてきていたのだ。
新作が何のモチーフになるのか気になってしまう程にはお気に入りなのかもしれない。
「大旦那様から伝言を預かっておりました。夕食の時に会えるのを楽しみにしているとの事です。お土産を期待して待っていて欲しいと仰っておりました」
お爺様は用事ができてしまい外出しているらしい。
それならば、あのおめでたい色合いの服に着替える事も出来るしオヤツも食べられる。
ホッとしたらお腹が鳴ってしまった。
自分はとことん恥ずかしいヤツである。
お屋敷の前で綺麗に土下座したセイバースさんに出迎えられた。
え!?
何!?
意味がわからなくて固まる自分を置き去りにして、セイバースさんはなおも続けている。
「私の教育が悪かったのです。アレがこんなにも馬鹿だったとは…。もし、ファルぼっちゃまがお戻りになられなかったらと思うと私は…」
どうしよう。
多分だが、息子さんの話をしているのだと思う。
だが、息子さんはギル兄様を思って自分に進言してくれたのだ。
ツノも鱗も好きではないと言っていたギル兄様の気持ちも考えず、粗末なコスプレをしてその上その姿を見てもらおうとしていた自分を止めてくれた。
今日1番のありがたい行為だったと思う。
自分がギル兄様に嫌われる未来を未然に防いでくれていたのだ。
ナイス、キーパー。
「アレにも反省をさせましたが、私も責任を取らなければなりません」
待って待って。
何かすごい空気になっているのだが。
何をする気なの?!
切腹とか嫌だよ!?
指とか捧げられても困るからね!?
「ファルぼっちゃまの、お世話係を…。や…やめ…」
「まっちぇ!!やだよ!ぼく、ちぇいばーちゅしゃんが、いい!」
セイバースさんはギル兄様やパパを除けば、1番一緒に居てくれた人だ。
尻尾を掴んで歩いても文句も言わず、絵本だっていっぱい読んでくれる。
自分が何かをするたびに、大袈裟なくらい誉めてくれるのだ。
庭の遊具で遊んでいたある日、滑り台を頭から滑るというちょっとだけ危険な行動をした時は、とても心配してくれた後にありがたいお叱りを受けたものだ。
もう自分はセイバースさんを信頼しきっている。
従僕トリオもシェフもベクストもみんな大好きだが、誰か1人を選ぶならセイバースさんがいい。
「ぼっちゃま!!」
「ルシーはセイバースが好きだもんね」
「パパ、妬けちゃうなぁ」
土下座のまま感動に震えているセイバースさんをなんとか立たせる事に成功した。
その甲斐もあってか、セイバースさんは自分のお世話係を続けてくれる事になった。
よかった。
最初は着るのが恥ずかしかった着ぐるみも、最近ではなんとなく可愛く見えてきていたのだ。
新作が何のモチーフになるのか気になってしまう程にはお気に入りなのかもしれない。
「大旦那様から伝言を預かっておりました。夕食の時に会えるのを楽しみにしているとの事です。お土産を期待して待っていて欲しいと仰っておりました」
お爺様は用事ができてしまい外出しているらしい。
それならば、あのおめでたい色合いの服に着替える事も出来るしオヤツも食べられる。
ホッとしたらお腹が鳴ってしまった。
自分はとことん恥ずかしいヤツである。
応援ありがとうございます!
43
お気に入りに追加
3,352
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる