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本編
紅白
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2匹とも仕方がないと言わんばかりの態度で渋々ながら許してくれた。
現在はお屋敷に帰る途中なのだが、移動方法はプリンセス・キノコ仕様である。
熊がテディベア化し、背もたれとなるフルモデルタイプなので恥ずかしい。
ギル兄様は抱っこで帰りたいと2匹に訴えていたが、そこは虎も熊も譲らなかった。
何故、歩くという選択肢が存在しないのか疑問だ。
これでは足が弱くなる一方だが、このくらいの年齢なら普通なのだろうか。
基準がわからない。
このまま、お爺様との初対面に突入とかしたらどうしよう。
服も壁との仲良し期間のお陰で汚れていると思う。
元々、お昼ご飯を食べてから着替える予定だったのだ。
せめて、お出迎え用に準備した服に着替えたい。
お出迎えは、セイバースさん渾身の作の着ぐるみではなく、おぼっちゃまスタイルで挑む予定だった。
何故だか使用人さん全員が集まって誰得か全くわからないファッションショーを開催した挙句、投票によって選ばれた1枚である。
光の加減でゼウスローゼン家の色である銀色に見える光沢のある白に、襟や裾に赤で刺繍が施されている大変おめでたい色合いの服だ。
全く似合っていないのに、使用人さん達の満場一致で決定されてしまった。
自分はセイバースさんが作ってくれた新作のトカゲの着ぐるみがよかったのだが、やはりお爺様に初めてお会いする時はおぼっちゃまスタイルが良いらしい。
「おきがえ、できりゅ?」
「もちろんだよ。ファル君は家に帰ったらちょっと休憩。お夕食の時にご挨拶しようね」
「ルシーもお昼ご飯食べてないから、オヤツを一緒に食べよう。多分シェフが用意してるよ」
そうだ。
自分の家出騒動でパパもギル兄様もお昼ご飯を食べていないかもしれない。
パパはもしかしたら騎士団で食べているかもしれないが、ギル兄様は自分と食べる予定だったのだ。
自分が居ないからといって先に食べるとは思えない。
「にいしゃま、ごはん、たべちゃ?」
「朝ご飯いっぱい食べたからお腹が空いてなくて…。今なら食べれそうだから、一緒にオヤツ食べてくれる?」
間違いなく自分の所為なのに、責めもせずに…。
なんて慈悲深いんだ。
「パパも一緒に食べたいな。パパも忙しくて今日はハチミツしか舐めれてないよ」
そういえば、パパはお仕事は大丈夫なのだろうか。
「パパ、おちごと、おわった?」
「うん。今日はもう終わりだよ。明日はお休みだから何して遊ぼうか?」
毎回お休みの日まで自分と遊ぼうとしてくれるパパは子煩悩だ。
本当に素敵な家族に恵まれたと思う。
現在はお屋敷に帰る途中なのだが、移動方法はプリンセス・キノコ仕様である。
熊がテディベア化し、背もたれとなるフルモデルタイプなので恥ずかしい。
ギル兄様は抱っこで帰りたいと2匹に訴えていたが、そこは虎も熊も譲らなかった。
何故、歩くという選択肢が存在しないのか疑問だ。
これでは足が弱くなる一方だが、このくらいの年齢なら普通なのだろうか。
基準がわからない。
このまま、お爺様との初対面に突入とかしたらどうしよう。
服も壁との仲良し期間のお陰で汚れていると思う。
元々、お昼ご飯を食べてから着替える予定だったのだ。
せめて、お出迎え用に準備した服に着替えたい。
お出迎えは、セイバースさん渾身の作の着ぐるみではなく、おぼっちゃまスタイルで挑む予定だった。
何故だか使用人さん全員が集まって誰得か全くわからないファッションショーを開催した挙句、投票によって選ばれた1枚である。
光の加減でゼウスローゼン家の色である銀色に見える光沢のある白に、襟や裾に赤で刺繍が施されている大変おめでたい色合いの服だ。
全く似合っていないのに、使用人さん達の満場一致で決定されてしまった。
自分はセイバースさんが作ってくれた新作のトカゲの着ぐるみがよかったのだが、やはりお爺様に初めてお会いする時はおぼっちゃまスタイルが良いらしい。
「おきがえ、できりゅ?」
「もちろんだよ。ファル君は家に帰ったらちょっと休憩。お夕食の時にご挨拶しようね」
「ルシーもお昼ご飯食べてないから、オヤツを一緒に食べよう。多分シェフが用意してるよ」
そうだ。
自分の家出騒動でパパもギル兄様もお昼ご飯を食べていないかもしれない。
パパはもしかしたら騎士団で食べているかもしれないが、ギル兄様は自分と食べる予定だったのだ。
自分が居ないからといって先に食べるとは思えない。
「にいしゃま、ごはん、たべちゃ?」
「朝ご飯いっぱい食べたからお腹が空いてなくて…。今なら食べれそうだから、一緒にオヤツ食べてくれる?」
間違いなく自分の所為なのに、責めもせずに…。
なんて慈悲深いんだ。
「パパも一緒に食べたいな。パパも忙しくて今日はハチミツしか舐めれてないよ」
そういえば、パパはお仕事は大丈夫なのだろうか。
「パパ、おちごと、おわった?」
「うん。今日はもう終わりだよ。明日はお休みだから何して遊ぼうか?」
毎回お休みの日まで自分と遊ぼうとしてくれるパパは子煩悩だ。
本当に素敵な家族に恵まれたと思う。
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