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本編

告白

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心配そうに覗き込んでいる2人を見て、自分も覚悟を決めた。
誠心誠意謝っても、今までの事を全て許してもらえるとは思わないが、ここまで心配してくれているのだ。
やり直すチャンスはくれると思う。
そうしたら、もう間違えない。
今までの様な我儘で人の気持ちを考えない行為は絶対にしないと誓おう。

「ごめんなしゃい」
「ファル君、謝らなくていいんだよ?お家が嫌なら、3人で暫く旅行にでも行こうか」

いやいや、お屋敷が嫌だなんて思った事はない。
旅行には行ってみたいが、家が嫌なら旅行という考えが突拍子もなくて驚いた。

「おうち、しゅきだよぉ」
「本当?無理しなくていいんだよ?パパは家族旅行行きたいな。…セイバースあたりは走ってでも着いてきそうだけど…」

今回の事を反省し、もっともっと自分が良い子になったら家族旅行に連れて行ってもらおう。
それまではこれ以上の贅沢を望んではいけない。

「ルシー……。父上、退いて下さい。入口を壊して迎えに行きます」
「やめなさい、ギルバート。ファル君が怪我でもしたら…」
「僕がルシーに怪我なんてさせる訳ないでしょう!!」

ギル兄様が破壊活動をする気だ。
これはもう一刻の猶予もないだろう。
こうなってしまった原因のコスプレ事件から、壁に好かれすぎて離してもらえない今の状況を泣きながら説明した。

「にいしゃま、ごめんなしゃい。ぼく、わるいこ、なのぉ」

好きすぎてごめんなさい。
ギル兄様の気持ちも考えず、好きの気持ちを押しつけてごめんなさい。
ちゃんと反省するから。
だから。

嫌いにならないで。

気を失っている間、夢を見ていたんだ。
いつも優しくて笑顔のギル兄様が、あの男の子みたいに怒鳴りながら自分の事をもう要らないと言っていた。
泣いて追いかけても、振り向いてもくれない後ろ姿が怖かった。
いつもならすぐに抱き上げてくれる手が、触れたと同時に振り払われる感触がリアルすぎて忘れられない。
自分が犯した罪の所為なのはわかっているのだ。
それでも、ギル兄様に嫌われる事が何より怖かった。

「馬鹿だな、ルシー。僕がルシーを嫌いになる事なんてないんだよ。もしルシーが悪い子になったとしても、その時は僕も一緒に悪い子になる。僕とルシーはずっと一緒だって約束したでしょう?」

ギル兄様が優しく笑ってくれている。
手を伸ばして少しでも自分に触れようとしてくれている。
それだけで、あの悪夢が少し払拭される気がした。


「可愛い僕のファルシュター。僕は最期の時までファルシュターだけを愛しているよ」
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