コレは流行りの転生ですか？〜どうやら輪廻転生の方でした〜

本編

テイクアウト出来ますか？

そうこうしている間に、虎の寝床に到着した様だ。

とは言っても、特に代わり映えのないただの木の根元だ。
何か洞窟とかの中で寝ているのかと期待していた分、残念でならない。
これでは雨の日はどうしているのだろうか。
確かに大きな木だが、虎も普通より大きい。
雨宿りが出来るとは考えられない。

「あめ、どうちてるの？」

今までも何度か雨の日はあった。
だが、びしょ濡れになって登場した事がなかったのだ。
獣が普通の動物より強いのは知っているが、それでも風邪をひいてしまうかもしれない。
雨の日は自分の部屋に来てもらっても構わないのだが、夜はリラックスタイムなので好きな場所で過ごしてもらいたい。
パパにお願いしてここに屋根でも作ってもらおうか。
もしかしたら熊も同じ環境かもしれないので、コチラも確認が必要だ。

虎は自分の疑問に答えるために、本日何度目になるかわからない魔法を使ってくれた。
魔法には回数制限とかは無いのだろうか。
自分の為にこうも何度も魔法を使ってもらうと、虎の身体に影響が出ないか心配になってしまう。
様子を見ていても、虎は元気いっぱいだ。
自分も魔法を見せてもらうのが大好きなので、無理のない範囲でお願いしよう。

そして、今回の魔法。
目には全く見えないのだが、どうやらバリアがはってあるらしい。
上からお花を降らせてもらったのだが、自分の遙か上空で忽然と止まっているのだ。
そこにどんどんとお花が積み上がっていくのを手を叩いて鑑賞してしまった。

「ちゅごい！ソラちゃ、まほう、ちゅごいのぉ」

大きくなったら自分もバリアがはりたい。
この魔法はギル兄様をお守りするのに大活躍間違いなしだ。
一番最初に教えてもらおうと思う。

虎はバリアを解除したのか、そのままお花が降ってきた。
結構な高さからあれだけの量が落ちてくるので身構えたのだが、ふわふわと緩やかに降ってくるのだ。
きっとこれも虎の魔法だろう。
最終的には自分の周りはお花で敷き詰められている状態になっているのだが、このまま遊ばせてもらおう。

そうだ。
少し持って帰って、ギル兄様とお爺さまにプレゼントしても良いかもしれない。
そうなるとパパも欲しいだろうか。
魔法の箱に敷かれていた布を1枚お借りして、綺麗なお花を選んで包もう。

お爺さまは白熊の獣人なので純白の大きなお花がいいだろう。
パパも白熊だが同じ花では芸が無い。
少しピンクが入った同じ種類のお花にした。
ギル兄様にプレゼントするお花はどういった物が似合うだろうか。

何をイメージしてもお花が負けてしまう。
ギル兄様に勝てるお花など存在しないので仕方がない。