130 / 195
本編
他国の冒険者
しおりを挟む
「竜人族の兄ちゃん、その子って…」
抱きついていたギル兄様の身体がビクッと跳ねたのがわかった。
まさか…。
この冒険者達がギル兄様の不安の種か。
確かに身体も大きく、顔も厳つい。
この2人が襲いかかってきたら、足手纏いの自分がいたらギル兄様だって苦戦してしまうかもしれない。
しかし、ご安心ください。
この肉壁、パパが来るまで時間を稼いでみせます。
「ぼく?」
まずは対話だ。
攻撃力、耐久力ゼロの自分に出来る事は、お話合いしかないだろう。
「ルシー!」
ギル兄様が焦った様子でまるで自分を隠す様に覆い、抱きしめてくれた。
「悪い。その子、兄ちゃんの番か?」
「…僕の伴侶です」
「そりゃぁ、ジロジロ見ちまって悪かったな。敵意は無えんだ、勘弁してくれ」
自分が対話で時間を稼ごうと思っていたのに、ギル兄様が冒険者達の対応をしてしまっている。
「俺達、2つ向こうの国から来たんだ」
その国はエルフが多く住む国らしい。
エルフとは妖精族の血をひいている者で自然に愛されている種族の事だと教えてもらった。
ベクストの事かな?
いや、彼は人族だと言っていたはずだが、エルフとは彼以上に植物に愛されているということか。
外見的な特徴は人族より耳が尖っているのと、身体が大きいらしい。
華奢な姿を思い描いていたのでびっくりだ。
まさかと思いチラッと冒険者達を盗み見るが耳は自分と同じ形をしていた。
なんとなく、よかったと思ってしまった。
ギル兄様より美しい者は存在しないと断言できるが、エルフのイメージがどうしても目の前の冒険者達とは違うのだ。
いつか、エルフにも会ってみたい。
「俺達の国でも竜人族は珍しいけど、まさかここで伴侶持ちに出会えるなんてな。嬉しいぜ」
「嬉しい?」
「なんだ、知らねえのか?」
彼らの国では、その昔。
魔物の王様が大群を率いて攻めてきたらしい。
国が滅びていくのを誰も止められなかったのだが、伴侶を奪われそうになった竜人族がたった1人で全滅させた。
その竜人は王様にならないかと打診されるも、伴侶以外に興味が無いと何の褒美も受け取らずに伴侶と竜人族の国へ帰って行ったそうだ。
そこから、彼らの国では伴侶持ちの竜人族は英雄であり、出会えると良い事が起きると信じられているそうだ。
「あんまり信じて無かったけどよ、マジで良い事あったわ」
「だな。国へ帰ったら自慢しようぜ」
既に何か良い事が起こったらしい。
さすが、ギル兄様。
ギル兄様は普通の竜人族とは違い、神々しい竜人なので御利益があって当然だ。
自分もこの1ヶ月、毎日良い事尽くめである。
冒険者達よ。
ギル兄様への愛を叫ぶ準備が出来たのなら、入信はコチラです。
抱きついていたギル兄様の身体がビクッと跳ねたのがわかった。
まさか…。
この冒険者達がギル兄様の不安の種か。
確かに身体も大きく、顔も厳つい。
この2人が襲いかかってきたら、足手纏いの自分がいたらギル兄様だって苦戦してしまうかもしれない。
しかし、ご安心ください。
この肉壁、パパが来るまで時間を稼いでみせます。
「ぼく?」
まずは対話だ。
攻撃力、耐久力ゼロの自分に出来る事は、お話合いしかないだろう。
「ルシー!」
ギル兄様が焦った様子でまるで自分を隠す様に覆い、抱きしめてくれた。
「悪い。その子、兄ちゃんの番か?」
「…僕の伴侶です」
「そりゃぁ、ジロジロ見ちまって悪かったな。敵意は無えんだ、勘弁してくれ」
自分が対話で時間を稼ごうと思っていたのに、ギル兄様が冒険者達の対応をしてしまっている。
「俺達、2つ向こうの国から来たんだ」
その国はエルフが多く住む国らしい。
エルフとは妖精族の血をひいている者で自然に愛されている種族の事だと教えてもらった。
ベクストの事かな?
いや、彼は人族だと言っていたはずだが、エルフとは彼以上に植物に愛されているということか。
外見的な特徴は人族より耳が尖っているのと、身体が大きいらしい。
華奢な姿を思い描いていたのでびっくりだ。
まさかと思いチラッと冒険者達を盗み見るが耳は自分と同じ形をしていた。
なんとなく、よかったと思ってしまった。
ギル兄様より美しい者は存在しないと断言できるが、エルフのイメージがどうしても目の前の冒険者達とは違うのだ。
いつか、エルフにも会ってみたい。
「俺達の国でも竜人族は珍しいけど、まさかここで伴侶持ちに出会えるなんてな。嬉しいぜ」
「嬉しい?」
「なんだ、知らねえのか?」
彼らの国では、その昔。
魔物の王様が大群を率いて攻めてきたらしい。
国が滅びていくのを誰も止められなかったのだが、伴侶を奪われそうになった竜人族がたった1人で全滅させた。
その竜人は王様にならないかと打診されるも、伴侶以外に興味が無いと何の褒美も受け取らずに伴侶と竜人族の国へ帰って行ったそうだ。
そこから、彼らの国では伴侶持ちの竜人族は英雄であり、出会えると良い事が起きると信じられているそうだ。
「あんまり信じて無かったけどよ、マジで良い事あったわ」
「だな。国へ帰ったら自慢しようぜ」
既に何か良い事が起こったらしい。
さすが、ギル兄様。
ギル兄様は普通の竜人族とは違い、神々しい竜人なので御利益があって当然だ。
自分もこの1ヶ月、毎日良い事尽くめである。
冒険者達よ。
ギル兄様への愛を叫ぶ準備が出来たのなら、入信はコチラです。
101
お気に入りに追加
3,388
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(3/14)ストック更新終わりました!幕間を挟みます。また本筋練り終わりましたら再開します。待っててくださいね♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる