コレは流行りの転生ですか?〜どうやら輪廻転生の方でした〜

誉雨

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本編

熱々

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ギル兄様とパパから少しずつ謎のパンを貰い食べた結果、とても美味しい事が判明した。
あの蛍光ピンクのクリームも味はしっかりとした生クリーム。
目を瞑って食べればケーキの様だ。
何故こんな色にしているのかは理解できないが、他店と差別化でもはかっているのだろう。
間違いなく奇抜さは群を抜いている。

「おいちかったぁ」
「ふふふ。ルシーは甘いもの好きだよね」
「色々買ってベンチに行こうか。ファル君も疲れちゃうからね」

自分はただ食べているだけなので全く疲れはしないのだが、パパもギル兄様も歩き通しでは大変だと思う。
とりあえずパパとギル兄様のオススメの物を購入しベンチへ移動する事になった。
途中でフレッシュジュースの屋台があり、オレンジジュースを買ってもらったのだが、ちゃんと機械で搾っていた。
やはり手搾りなのはシェフだけの様だ。
シェフの凄さを再確認した。

ベンチに到着すると、ギル兄様とパパが両端に座り、中央に購入した商品を色々並べている。
もちろん自分はギル兄様の膝の上だ。
最初は隣に座らせてもらおうとしたのだが、ギル兄様の流れる様な動きで膝の上へ着地していた。
これも神様の慈悲深い厚意だ。
ありがたく堪能しよう。

購入した商品は肉の串焼きや焼きそばなどのガッツリした物から、蒸した野菜にチーズがかかっている小洒落た物まで多種にわたっている。
スープや肉まんも美味しそうだ。

「にいしゃま、はんぶんこ」

肉まんを手に取り、半分に割ってからギル兄様に渡した。

「熱いから気をつけてね。フーフーしようか?」
「だいじょぶよぉ。ふーふー」
「ふふ。ルシー、息を吹きかけなきゃ。ふーふーって言ってても冷めないよ」

自分では吹きかけているつもりだったのだが、ただ言葉が出ているだけになってしまっていた様だ。
なんて恥ずかしい。
恥ずかしがっている内に、ギル兄様がフーフーと冷ましてくれていた。

肉まんに最高の調味料がかけられている。

食べるのは勿体無いが、ノロノロしていてパパに取られてしまっては困る。
勢いよくかぶりついた。

「おいちい!」

ギル兄様の吐息付きの肉まんだ。
美味しくない訳がない。

「ゆっくり食べようね。…父上、食べたらどこに行きますか?」
「そうだね…あんまり待たせるとシーザーもソラも煩そうだから、お店通りを見て回ろうか」

前回、ギル兄様とセイバースさんと一緒に行った本屋や雑貨屋がある通りの事らしい。
確かに屋台街よりは落ち着いていた印象がある。

それにしても、串焼きの肉が固い。
串から外してもらい、自分の拳大の肉1個と格闘しているのだが、文字通り歯が立たない。
もしかしたら、肉は食べずに肉汁だけを吸う物なのだろうか。
同じ串から外された肉を普通に食べている2人を見ると違うのだろう。
顎の力の問題なのだろうか。
シェフが作ってくれる肉料理はとても柔らかいので食べやすいのだが、この固さが一般的だったらどうしよう。
食べられる気がしない。
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