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別視点
それぞれの演習 side医療隊長②
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「待て。今日、もし頑張ってくれるなら今度ファルシュターの家に遊びに連れて行ってやるけど、どうする?」
『吾輩、身を粉にして頑張る所存であります!』
よし。
食いついた。
とりあえずこれで後遺症が残るヤツは居なくなった。
元々、魔法が展開されていて死ぬ事は無いが、獣が本気で襲い掛かってきたら俺たちにはどうする事も出来ない。
腕や足の一本で済めば安いほうだろう。
ペンギンがいれば、激痛は覚悟しなければいけないが千切れてもなんとかなる。
『ルアン先輩、流石。狙い撃ちとは凄いでありますな』
関心している場合ではない。
『おっと、カルファさん。今日は優雅に空の散歩ですか。羨ましい、大空は吾輩の憧れですぞ』
ペンギン、お前の目は節穴か。
何処が優雅なんだ。
黒い馬体と相まって、暗黒のオーラが途轍もなく似合う姿になっているじゃないか。
倒れた団員を片っ端から治療していくが、獣はわかっているのか苦痛を長引かせる為、じわじわと甚振っている。
恐ろしい。
『隊長、吾輩の特訓の成果を披露しますぞ』
何をする気だ。
特訓が回復系ならありがたいが、この馬鹿の事だ。
絶対に違うと断言出来る。
「やめてくれ、ペンギン。これ以上、俺の仕事を増やさないでくれ」
もう既にクタクタなのだ。
治療隊の隊員達もそろそろ限界だろう。
だがこのペンギンは馬鹿で阿呆なお調子者に進化している。
近付きたくも無いが、こんなのでも俺の相棒だ。
他の隊員の迷惑になる前に、何とか捕獲しなければならない。
『この技は、ルアン先輩とソラ先輩に伝授してもらった吾輩の必殺技であります!』
幼体では出来ないのか、一瞬で成体に戻ると凄まじい勢いで踏ん張っている。
あの踏ん張り、見た事がある。
嫌な予感がする。
『出ました!やりました!』
なんで回復特化型で水属性しか無いペンギンが火の玉なんて出せるんだ。
小さな火の玉が2つ。
どうする気だ。
投げるのか?
だがやはりお調子者は俺の想像を超えてきた。
『ほいっ!ほいっ!』
この馬鹿はあろう事か火の玉でお手玉をしだしたのだ。
火に全く耐性の無い、フリッパーでだ。
どうなるかなんて誰でもわかるだろう。
『アツーーーイ!!!』
我慢できなくなった馬鹿は、そのまま勢いよく火の玉を投げ捨てた。
火の玉は物資置場のテントに見事に着火した。
『隊長、吾輩の可憐なフリッパーに火傷を負いました。治療して下さい!』
「馬鹿野郎!まずは火を消せ!火を!」
物資置場のテントは全焼した。
本来ならこれほどまでに治療隊が活躍したのだ。
褒美を貰っても良いはずだったのに、俺が団長から渡されたのは始末書を書く為の大量の紙だった。
「ファルシュターの家には連れて行かん!」
『そんな!?…吾輩、家出を決行します』
後日、ペンギンは俺が始末書と戦っている間に本当に家出しやがった。
誰の協力かは知らんが、団長の家の庭に不法侵入しあの家の有能な家令に捕獲された。
急遽、菓子折り持参で引き取りに行ったのは言うまでもない。
『吾輩、身を粉にして頑張る所存であります!』
よし。
食いついた。
とりあえずこれで後遺症が残るヤツは居なくなった。
元々、魔法が展開されていて死ぬ事は無いが、獣が本気で襲い掛かってきたら俺たちにはどうする事も出来ない。
腕や足の一本で済めば安いほうだろう。
ペンギンがいれば、激痛は覚悟しなければいけないが千切れてもなんとかなる。
『ルアン先輩、流石。狙い撃ちとは凄いでありますな』
関心している場合ではない。
『おっと、カルファさん。今日は優雅に空の散歩ですか。羨ましい、大空は吾輩の憧れですぞ』
ペンギン、お前の目は節穴か。
何処が優雅なんだ。
黒い馬体と相まって、暗黒のオーラが途轍もなく似合う姿になっているじゃないか。
倒れた団員を片っ端から治療していくが、獣はわかっているのか苦痛を長引かせる為、じわじわと甚振っている。
恐ろしい。
『隊長、吾輩の特訓の成果を披露しますぞ』
何をする気だ。
特訓が回復系ならありがたいが、この馬鹿の事だ。
絶対に違うと断言出来る。
「やめてくれ、ペンギン。これ以上、俺の仕事を増やさないでくれ」
もう既にクタクタなのだ。
治療隊の隊員達もそろそろ限界だろう。
だがこのペンギンは馬鹿で阿呆なお調子者に進化している。
近付きたくも無いが、こんなのでも俺の相棒だ。
他の隊員の迷惑になる前に、何とか捕獲しなければならない。
『この技は、ルアン先輩とソラ先輩に伝授してもらった吾輩の必殺技であります!』
幼体では出来ないのか、一瞬で成体に戻ると凄まじい勢いで踏ん張っている。
あの踏ん張り、見た事がある。
嫌な予感がする。
『出ました!やりました!』
なんで回復特化型で水属性しか無いペンギンが火の玉なんて出せるんだ。
小さな火の玉が2つ。
どうする気だ。
投げるのか?
だがやはりお調子者は俺の想像を超えてきた。
『ほいっ!ほいっ!』
この馬鹿はあろう事か火の玉でお手玉をしだしたのだ。
火に全く耐性の無い、フリッパーでだ。
どうなるかなんて誰でもわかるだろう。
『アツーーーイ!!!』
我慢できなくなった馬鹿は、そのまま勢いよく火の玉を投げ捨てた。
火の玉は物資置場のテントに見事に着火した。
『隊長、吾輩の可憐なフリッパーに火傷を負いました。治療して下さい!』
「馬鹿野郎!まずは火を消せ!火を!」
物資置場のテントは全焼した。
本来ならこれほどまでに治療隊が活躍したのだ。
褒美を貰っても良いはずだったのに、俺が団長から渡されたのは始末書を書く為の大量の紙だった。
「ファルシュターの家には連れて行かん!」
『そんな!?…吾輩、家出を決行します』
後日、ペンギンは俺が始末書と戦っている間に本当に家出しやがった。
誰の協力かは知らんが、団長の家の庭に不法侵入しあの家の有能な家令に捕獲された。
急遽、菓子折り持参で引き取りに行ったのは言うまでもない。
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