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別視点
それぞれの演習 side情報統括隊長②
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カルファはいつも通り、不機嫌だった。
騎乗は諦めて、少しでもコミュニケーションを取りたいと話しかけるのだが返事は一言、二言のみ。
「昨日から疲れただろう?」
『黙れ』
「明日は休みなんだ。よかったら家に来てみないか?」
『煩い。黙れと言ったのが聞こえないのか』
我が家は一応、貴族の末端に席を置いている為比較的大きな家に住んでいるのだが、カルファは1度も来てくれた事がない。
カルファ専用に大きな厩舎も用意してあるのだが、未だに使われる事は疎か見てもらった事すらないので、家族もガッカリしているのだ。
俺は早くに結婚していた為、息子も今年17歳になった。
家族はみんな俺同様に馬が好きだ。
俺がカルファの相棒に選ばれた時、自分の事の様に喜んでくれ、いつかは我が家で暮らしてくれる事を望んでいるのだ。
もちろん、カルファには俺の家族を紹介してある。
息子に至っては産まれる前、妻の腹にいる時からカルファには何度も話をしていたし会ってももらっていた。
カルファは常に不機嫌で暴れている事の方が多いがたぶん元々の性格は優しいのだと思う。
その証拠に、妊婦を威嚇したり目の前で暴れたりする事は1度も無かった。
息子が小さい時、一度だけ乗りたいと我儘を言った事がある。
当然、乗せてくれる事はなかったが、鬣を触らせてくれたのだ。
妻も息子も、カルファがどれだけ暴馬と言われてもずっと好きなままなのはそんな気性を知っているからだと思う。
カルファはそれっきり何を話しかけても返事をしてくれなくなった。
これ以上しつこくしては暴れ出しそうで俺も怖い。
隊員達の訓練を確認しようとした時。
カルファは急に走り出した。
カルファの脚に追いつける者など居ない。
隊員達と必死に追いかけるがどんどん離されていった。
カルファの向かう先に、ルイが居た。
まさか、カルファは俺の気持ちを汲んでルイに仕返しでもしてくれるのだろうか。
やってやれ!
そう思ったのも束の間、一緒にいたシーザーの背に小さな子供を見つけてしまい血の気が引いた。
襲う事は無いと信じているが、あの勢いのまま突っ込んで行けば怪我では済まなくなってしまう。
シーザーやルアンが居るのだから、大丈夫だとは思うが俺も息子を持つ親だ。
子供が泣く姿など見たくない。
「カルファ!戻ってくれ!」
声をかけても聞こえていない様子だ。
ルイも鞘に入れたままの剣を構えて、子供を守る様に立ち塞がってくれている。
どうしたらいいんだ。
「とまっちぇぇぇ。カルちゃ!」
子供の叫び声が聞こえた。
騎乗は諦めて、少しでもコミュニケーションを取りたいと話しかけるのだが返事は一言、二言のみ。
「昨日から疲れただろう?」
『黙れ』
「明日は休みなんだ。よかったら家に来てみないか?」
『煩い。黙れと言ったのが聞こえないのか』
我が家は一応、貴族の末端に席を置いている為比較的大きな家に住んでいるのだが、カルファは1度も来てくれた事がない。
カルファ専用に大きな厩舎も用意してあるのだが、未だに使われる事は疎か見てもらった事すらないので、家族もガッカリしているのだ。
俺は早くに結婚していた為、息子も今年17歳になった。
家族はみんな俺同様に馬が好きだ。
俺がカルファの相棒に選ばれた時、自分の事の様に喜んでくれ、いつかは我が家で暮らしてくれる事を望んでいるのだ。
もちろん、カルファには俺の家族を紹介してある。
息子に至っては産まれる前、妻の腹にいる時からカルファには何度も話をしていたし会ってももらっていた。
カルファは常に不機嫌で暴れている事の方が多いがたぶん元々の性格は優しいのだと思う。
その証拠に、妊婦を威嚇したり目の前で暴れたりする事は1度も無かった。
息子が小さい時、一度だけ乗りたいと我儘を言った事がある。
当然、乗せてくれる事はなかったが、鬣を触らせてくれたのだ。
妻も息子も、カルファがどれだけ暴馬と言われてもずっと好きなままなのはそんな気性を知っているからだと思う。
カルファはそれっきり何を話しかけても返事をしてくれなくなった。
これ以上しつこくしては暴れ出しそうで俺も怖い。
隊員達の訓練を確認しようとした時。
カルファは急に走り出した。
カルファの脚に追いつける者など居ない。
隊員達と必死に追いかけるがどんどん離されていった。
カルファの向かう先に、ルイが居た。
まさか、カルファは俺の気持ちを汲んでルイに仕返しでもしてくれるのだろうか。
やってやれ!
そう思ったのも束の間、一緒にいたシーザーの背に小さな子供を見つけてしまい血の気が引いた。
襲う事は無いと信じているが、あの勢いのまま突っ込んで行けば怪我では済まなくなってしまう。
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子供が泣く姿など見たくない。
「カルファ!戻ってくれ!」
声をかけても聞こえていない様子だ。
ルイも鞘に入れたままの剣を構えて、子供を守る様に立ち塞がってくれている。
どうしたらいいんだ。
「とまっちぇぇぇ。カルちゃ!」
子供の叫び声が聞こえた。
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