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別視点
それぞれの演習 sideアルバート①
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全員参加の演習を数日後に控えていた私は、誰が見ても張り切っているのが丸わかりだったと思う。
こんなに力を入れた演習は今までにないだろう。
可愛い愛息子、ファル君にカッコいいパパを見せたい。
その一心で準備を整えてきた。
それなのに。
「ファルは演習日はセイバースさんと留守番とか無理なんですか?」
ルイが馬鹿な提案をしてきた。
せっかくカッコいいパパの勇姿を見せるチャンスなのに、留守番なんてさせたくない。
それに、例えセイバースやみんながついていてもギルバートも居ない家に1人なんて可哀想だ。
「何故だい?」
平静を装ってルイに問い掛ける。
「団長もそうですけど、獣達が張り切りすぎて連携が取れないと思うんですよ。あのルアンですらやる気に満ちてるんですよ…怖いくらいに…」
確かにファル君は獣達にとても好かれている。
勇姿を見せるチャンスだと、私と同じ様に獣達だって思うだろう。
だが全員参加の演習で連携が取れないのは意味が無くなってしまう行為なのも確かだ。
「ファルも小さい訓練の見学から始めた方が落ち着いて見れるんじゃないですか?」
演習は戦闘職以外の医療班や情報班も参加するのだ。
やはり人数が多ければ、それだけ予期せぬ危険もあるだろう。
私やギルバートがずっとついていてあげられない状態で初めての事をさせるのは危ないのではないだろうか。
私の演習にかける情熱の炎は一気に鎮火された。
『確かにみんな、あの子に見てもらえると思い張り切っている。今更、来ないとわかれば何を仕出かすかわからない。演習当日までは隠し通した方がいいだろう』
相棒のシーザーも残念そうだが、確かに隠しておかなければ最悪ボイコットされる予感がする。
シーザーとソラにだけ伝え、他の獣達には隠す事に決めた。
その日の内に、セイバースとギルバートに演習日はファル君をお留守番させる事を伝えると2人ともすぐに納得した。
セイバースは嬉しいだろうが、ギルバートが納得するとは思っていなかったのだが、どうやら自分が近くにいられない状態で大勢の目に晒すのが嫌だった様だ。
あの心を閉ざしていたギルバートからは考えられないが、ファル君と居るギルバートがいつもニコニコと楽しそうな様子を見ていれば、せっかく笑顔の戻った息子に何も言えなくなる。
「お任せ下さい。使用人一同でファル坊っちゃまの初めてのお留守番を盛り上げて見せましょう」
我が家の有能な家令が張り切っている。
思い起こせば、ファル君との出会いの初日に開いたパーティーも使用人達の本気をみたのだ。
あれから1ヶ月の間、彼らは着々と親交を深めていっている。
「それでは失礼します。今から作戦会議を開きますので…」
ファル君はお留守番で何をする事になるのだろうか。
心配だ。
こんなに力を入れた演習は今までにないだろう。
可愛い愛息子、ファル君にカッコいいパパを見せたい。
その一心で準備を整えてきた。
それなのに。
「ファルは演習日はセイバースさんと留守番とか無理なんですか?」
ルイが馬鹿な提案をしてきた。
せっかくカッコいいパパの勇姿を見せるチャンスなのに、留守番なんてさせたくない。
それに、例えセイバースやみんながついていてもギルバートも居ない家に1人なんて可哀想だ。
「何故だい?」
平静を装ってルイに問い掛ける。
「団長もそうですけど、獣達が張り切りすぎて連携が取れないと思うんですよ。あのルアンですらやる気に満ちてるんですよ…怖いくらいに…」
確かにファル君は獣達にとても好かれている。
勇姿を見せるチャンスだと、私と同じ様に獣達だって思うだろう。
だが全員参加の演習で連携が取れないのは意味が無くなってしまう行為なのも確かだ。
「ファルも小さい訓練の見学から始めた方が落ち着いて見れるんじゃないですか?」
演習は戦闘職以外の医療班や情報班も参加するのだ。
やはり人数が多ければ、それだけ予期せぬ危険もあるだろう。
私やギルバートがずっとついていてあげられない状態で初めての事をさせるのは危ないのではないだろうか。
私の演習にかける情熱の炎は一気に鎮火された。
『確かにみんな、あの子に見てもらえると思い張り切っている。今更、来ないとわかれば何を仕出かすかわからない。演習当日までは隠し通した方がいいだろう』
相棒のシーザーも残念そうだが、確かに隠しておかなければ最悪ボイコットされる予感がする。
シーザーとソラにだけ伝え、他の獣達には隠す事に決めた。
その日の内に、セイバースとギルバートに演習日はファル君をお留守番させる事を伝えると2人ともすぐに納得した。
セイバースは嬉しいだろうが、ギルバートが納得するとは思っていなかったのだが、どうやら自分が近くにいられない状態で大勢の目に晒すのが嫌だった様だ。
あの心を閉ざしていたギルバートからは考えられないが、ファル君と居るギルバートがいつもニコニコと楽しそうな様子を見ていれば、せっかく笑顔の戻った息子に何も言えなくなる。
「お任せ下さい。使用人一同でファル坊っちゃまの初めてのお留守番を盛り上げて見せましょう」
我が家の有能な家令が張り切っている。
思い起こせば、ファル君との出会いの初日に開いたパーティーも使用人達の本気をみたのだ。
あれから1ヶ月の間、彼らは着々と親交を深めていっている。
「それでは失礼します。今から作戦会議を開きますので…」
ファル君はお留守番で何をする事になるのだろうか。
心配だ。
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