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本編
クッキー
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「ベク、だっこ、して」
ギル兄様が帰ってくる前には家に戻っていたい。
お出迎えしたいのだ。
だが、悲しいかな自分は足がとても遅い。
多分だが歩いていては、ギル兄様の到着に間に合わないと思う。
ベクストは慣れた手つきで抱っこしてくれた。
そのまま談話室まで連れて行ってくれたので、どうやらまだギル兄様とパパは帰ってきていない様だ。
2人が帰ってくる時は必ず玄関にセイバースさんが立っているので分かり易い。
今日は自分もそれに混ざる気だ。
「坊っちゃま、そのド…いやトカゲには名前を付けたんですか?」
まだパパとギル兄様にお願いしていないので名前は付けられない。
もしダメなら元の場所に帰してあげなければいけないのに、名前を付けたら情が湧いてお別れの時に泣いてしまうだろう。
今でも可愛いと思っているのだ。
「パパと、にいしゃまに、ちょーだんよぉ」
ベクストとトカゲを見ながら話していると、セイバースさんが布やら綿を敷き詰めた籠を持ってきてくれた。
どうやらトカゲの寝床らしい。
トカゲを籠に入れてやると、落ち着いたのかそのまま寝てしまった。
野生に帰れるか心配だ。
「坊っちゃま、クッキーをお届けに参りましたよ」
綺麗に包まれた2袋とお皿に少しだけのせたクッキーを持ってシェフが来てくれた。
包まれたクッキーはパパとギル兄様の分だ。
可愛らしくリボンも付けてもらえている。
お皿の分は今、食べても良い物なのだろう。
ちょうど4枚あったのでみんなに1枚ずつ渡して一緒に食べた。
「おいちいねぇ」
「ファル坊っちゃまがお手伝いしてくれたおかげです」
「……勿体無くて食べれないっス」
「食べないのなら、私が頂きますよ」
「食べます!今、心のメモリーに焼き付けてるんで、少し放って置いて下さい!」
セイバースさんとベクストがまたしても言い争っているが、クッキーは多分まだあると思うので食べたければ貰ってくればいいと思う。
自分は夕食を完食する為にもこれ以上クッキーを食べてはいけないのだ。
我慢である。
食べ終わるとベクストとシェフは仕事に戻っていった。
暫くすると転移陣から反応があったみたいだ。
自分では全くわからないのだが、何かで気がつける様な仕組みになっているらしい。
音や光でお知らせしてくれれば自分でも気がつけると思うのだがそういった物ではないと思われる。
全く分からないのでいつもセイバースさんが声をかけてくれるのだ。
とは言っても、玄関でのお出迎えは必要なく部屋で待っていると笑顔でただいまと帰ってきてくれるので、そこで毎回お帰りの抱擁をする。
ギル兄様が帰ってくる前には家に戻っていたい。
お出迎えしたいのだ。
だが、悲しいかな自分は足がとても遅い。
多分だが歩いていては、ギル兄様の到着に間に合わないと思う。
ベクストは慣れた手つきで抱っこしてくれた。
そのまま談話室まで連れて行ってくれたので、どうやらまだギル兄様とパパは帰ってきていない様だ。
2人が帰ってくる時は必ず玄関にセイバースさんが立っているので分かり易い。
今日は自分もそれに混ざる気だ。
「坊っちゃま、そのド…いやトカゲには名前を付けたんですか?」
まだパパとギル兄様にお願いしていないので名前は付けられない。
もしダメなら元の場所に帰してあげなければいけないのに、名前を付けたら情が湧いてお別れの時に泣いてしまうだろう。
今でも可愛いと思っているのだ。
「パパと、にいしゃまに、ちょーだんよぉ」
ベクストとトカゲを見ながら話していると、セイバースさんが布やら綿を敷き詰めた籠を持ってきてくれた。
どうやらトカゲの寝床らしい。
トカゲを籠に入れてやると、落ち着いたのかそのまま寝てしまった。
野生に帰れるか心配だ。
「坊っちゃま、クッキーをお届けに参りましたよ」
綺麗に包まれた2袋とお皿に少しだけのせたクッキーを持ってシェフが来てくれた。
包まれたクッキーはパパとギル兄様の分だ。
可愛らしくリボンも付けてもらえている。
お皿の分は今、食べても良い物なのだろう。
ちょうど4枚あったのでみんなに1枚ずつ渡して一緒に食べた。
「おいちいねぇ」
「ファル坊っちゃまがお手伝いしてくれたおかげです」
「……勿体無くて食べれないっス」
「食べないのなら、私が頂きますよ」
「食べます!今、心のメモリーに焼き付けてるんで、少し放って置いて下さい!」
セイバースさんとベクストがまたしても言い争っているが、クッキーは多分まだあると思うので食べたければ貰ってくればいいと思う。
自分は夕食を完食する為にもこれ以上クッキーを食べてはいけないのだ。
我慢である。
食べ終わるとベクストとシェフは仕事に戻っていった。
暫くすると転移陣から反応があったみたいだ。
自分では全くわからないのだが、何かで気がつける様な仕組みになっているらしい。
音や光でお知らせしてくれれば自分でも気がつけると思うのだがそういった物ではないと思われる。
全く分からないのでいつもセイバースさんが声をかけてくれるのだ。
とは言っても、玄関でのお出迎えは必要なく部屋で待っていると笑顔でただいまと帰ってきてくれるので、そこで毎回お帰りの抱擁をする。
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