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本編
お昼の部スタート
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ギル兄様のベットでお昼寝とは思えないほどぐっすりと寝てしまった。
いつもはお昼寝から目覚めるとパパが近くに居るのですぐに気付いてもらえるのだが、今日はギル兄様の部屋なので1人きりだ。
ソファーすら1人で座れないのに、それよりも高さのあるベットから自分で降りるのは不可能だろう。
大声で呼べば誰かが気付いて来てくれるのは間違いないが、仕事の邪魔をしてしまう事になる。
どうしようか迷っているとセイバースさんが部屋に来てくれた。
タイミングが完璧だったのだが、まさか部屋の前で待機していたわけではないだろう。
扉に張り付いて物音に聞き耳を立てているセイバースさんなんて見たくない。
「坊っちゃま、お目覚めですね」
ベットの端に座り足をぶらぶらしていると、衣服を整え靴まで履かせてくれた。
ベットから降ろしてもらいお花の鞄を肩から下げれば、午後からのお手伝い開始である。
「チェフのとこ、いって、いい?」
「はい。シェフも坊っちゃまが来てくれるのを楽しみにしていましたよ」
お昼寝後すぐは動きが鈍いのでセイバースさんに抱っこをお願いした。
因みにギル兄様のお部屋は2階にある為、階段は常に抱っこでの移動である。
騎士団の階段でも思ったが、一段の段差が高すぎではないだろうか。
子供がいつから1人で階段の上り下りが出来る様になるのか教えてもらいたい。
キッチンに到着するとシェフとキッチンスタッフが何かを真剣に見つめていた。
色々と話し合っている様なのでお邪魔をしてはいけない。
「いちょがちそう。あとでに、しゅる」
セイバースさんに伝え、キッチンから出ようとするがその前にシェフが自分に気が付いてしまった様だ。
「ファル坊っちゃま!キッチンに来てくださりありがとうございます」
「いちょがちい?あとでに、しゅるよぉ」
「いいえ!全く!少しも!忙しくありません!」
話し合いが終わった様には思えないのだが、キッチンスタッフも作業台の上を片付けてしまっている。
本当に大丈夫だろうか。
調理部はシェフを含めてたったの3名しかいない。
その3名でお屋敷の使用人全員と自分達のご飯を毎食作ってくれているのだ。
お邪魔をして今日の夕食に響いてしまったらみんなに申し訳ない。
「大丈夫ですよ、坊っちゃま。お夕食の下拵えも終わっていますのでシェフと遊んでやって下さい」
キッチンスタッフが作業台を綺麗に浄化しながら教えてくれたのだが、シェフが遊んでいてもいいのだろうか。
「コラ!遊びじゃない。坊っちゃまにはおやつ作りのお手伝いをお願いしてるんだ」
そうだった。
お手伝いをしに来たのだった。
「ぼく、がんばる」
いつもはお昼寝から目覚めるとパパが近くに居るのですぐに気付いてもらえるのだが、今日はギル兄様の部屋なので1人きりだ。
ソファーすら1人で座れないのに、それよりも高さのあるベットから自分で降りるのは不可能だろう。
大声で呼べば誰かが気付いて来てくれるのは間違いないが、仕事の邪魔をしてしまう事になる。
どうしようか迷っているとセイバースさんが部屋に来てくれた。
タイミングが完璧だったのだが、まさか部屋の前で待機していたわけではないだろう。
扉に張り付いて物音に聞き耳を立てているセイバースさんなんて見たくない。
「坊っちゃま、お目覚めですね」
ベットの端に座り足をぶらぶらしていると、衣服を整え靴まで履かせてくれた。
ベットから降ろしてもらいお花の鞄を肩から下げれば、午後からのお手伝い開始である。
「チェフのとこ、いって、いい?」
「はい。シェフも坊っちゃまが来てくれるのを楽しみにしていましたよ」
お昼寝後すぐは動きが鈍いのでセイバースさんに抱っこをお願いした。
因みにギル兄様のお部屋は2階にある為、階段は常に抱っこでの移動である。
騎士団の階段でも思ったが、一段の段差が高すぎではないだろうか。
子供がいつから1人で階段の上り下りが出来る様になるのか教えてもらいたい。
キッチンに到着するとシェフとキッチンスタッフが何かを真剣に見つめていた。
色々と話し合っている様なのでお邪魔をしてはいけない。
「いちょがちそう。あとでに、しゅる」
セイバースさんに伝え、キッチンから出ようとするがその前にシェフが自分に気が付いてしまった様だ。
「ファル坊っちゃま!キッチンに来てくださりありがとうございます」
「いちょがちい?あとでに、しゅるよぉ」
「いいえ!全く!少しも!忙しくありません!」
話し合いが終わった様には思えないのだが、キッチンスタッフも作業台の上を片付けてしまっている。
本当に大丈夫だろうか。
調理部はシェフを含めてたったの3名しかいない。
その3名でお屋敷の使用人全員と自分達のご飯を毎食作ってくれているのだ。
お邪魔をして今日の夕食に響いてしまったらみんなに申し訳ない。
「大丈夫ですよ、坊っちゃま。お夕食の下拵えも終わっていますのでシェフと遊んでやって下さい」
キッチンスタッフが作業台を綺麗に浄化しながら教えてくれたのだが、シェフが遊んでいてもいいのだろうか。
「コラ!遊びじゃない。坊っちゃまにはおやつ作りのお手伝いをお願いしてるんだ」
そうだった。
お手伝いをしに来たのだった。
「ぼく、がんばる」
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