106 / 195
本編
お昼の部スタート
しおりを挟む
ギル兄様のベットでお昼寝とは思えないほどぐっすりと寝てしまった。
いつもはお昼寝から目覚めるとパパが近くに居るのですぐに気付いてもらえるのだが、今日はギル兄様の部屋なので1人きりだ。
ソファーすら1人で座れないのに、それよりも高さのあるベットから自分で降りるのは不可能だろう。
大声で呼べば誰かが気付いて来てくれるのは間違いないが、仕事の邪魔をしてしまう事になる。
どうしようか迷っているとセイバースさんが部屋に来てくれた。
タイミングが完璧だったのだが、まさか部屋の前で待機していたわけではないだろう。
扉に張り付いて物音に聞き耳を立てているセイバースさんなんて見たくない。
「坊っちゃま、お目覚めですね」
ベットの端に座り足をぶらぶらしていると、衣服を整え靴まで履かせてくれた。
ベットから降ろしてもらいお花の鞄を肩から下げれば、午後からのお手伝い開始である。
「チェフのとこ、いって、いい?」
「はい。シェフも坊っちゃまが来てくれるのを楽しみにしていましたよ」
お昼寝後すぐは動きが鈍いのでセイバースさんに抱っこをお願いした。
因みにギル兄様のお部屋は2階にある為、階段は常に抱っこでの移動である。
騎士団の階段でも思ったが、一段の段差が高すぎではないだろうか。
子供がいつから1人で階段の上り下りが出来る様になるのか教えてもらいたい。
キッチンに到着するとシェフとキッチンスタッフが何かを真剣に見つめていた。
色々と話し合っている様なのでお邪魔をしてはいけない。
「いちょがちそう。あとでに、しゅる」
セイバースさんに伝え、キッチンから出ようとするがその前にシェフが自分に気が付いてしまった様だ。
「ファル坊っちゃま!キッチンに来てくださりありがとうございます」
「いちょがちい?あとでに、しゅるよぉ」
「いいえ!全く!少しも!忙しくありません!」
話し合いが終わった様には思えないのだが、キッチンスタッフも作業台の上を片付けてしまっている。
本当に大丈夫だろうか。
調理部はシェフを含めてたったの3名しかいない。
その3名でお屋敷の使用人全員と自分達のご飯を毎食作ってくれているのだ。
お邪魔をして今日の夕食に響いてしまったらみんなに申し訳ない。
「大丈夫ですよ、坊っちゃま。お夕食の下拵えも終わっていますのでシェフと遊んでやって下さい」
キッチンスタッフが作業台を綺麗に浄化しながら教えてくれたのだが、シェフが遊んでいてもいいのだろうか。
「コラ!遊びじゃない。坊っちゃまにはおやつ作りのお手伝いをお願いしてるんだ」
そうだった。
お手伝いをしに来たのだった。
「ぼく、がんばる」
いつもはお昼寝から目覚めるとパパが近くに居るのですぐに気付いてもらえるのだが、今日はギル兄様の部屋なので1人きりだ。
ソファーすら1人で座れないのに、それよりも高さのあるベットから自分で降りるのは不可能だろう。
大声で呼べば誰かが気付いて来てくれるのは間違いないが、仕事の邪魔をしてしまう事になる。
どうしようか迷っているとセイバースさんが部屋に来てくれた。
タイミングが完璧だったのだが、まさか部屋の前で待機していたわけではないだろう。
扉に張り付いて物音に聞き耳を立てているセイバースさんなんて見たくない。
「坊っちゃま、お目覚めですね」
ベットの端に座り足をぶらぶらしていると、衣服を整え靴まで履かせてくれた。
ベットから降ろしてもらいお花の鞄を肩から下げれば、午後からのお手伝い開始である。
「チェフのとこ、いって、いい?」
「はい。シェフも坊っちゃまが来てくれるのを楽しみにしていましたよ」
お昼寝後すぐは動きが鈍いのでセイバースさんに抱っこをお願いした。
因みにギル兄様のお部屋は2階にある為、階段は常に抱っこでの移動である。
騎士団の階段でも思ったが、一段の段差が高すぎではないだろうか。
子供がいつから1人で階段の上り下りが出来る様になるのか教えてもらいたい。
キッチンに到着するとシェフとキッチンスタッフが何かを真剣に見つめていた。
色々と話し合っている様なのでお邪魔をしてはいけない。
「いちょがちそう。あとでに、しゅる」
セイバースさんに伝え、キッチンから出ようとするがその前にシェフが自分に気が付いてしまった様だ。
「ファル坊っちゃま!キッチンに来てくださりありがとうございます」
「いちょがちい?あとでに、しゅるよぉ」
「いいえ!全く!少しも!忙しくありません!」
話し合いが終わった様には思えないのだが、キッチンスタッフも作業台の上を片付けてしまっている。
本当に大丈夫だろうか。
調理部はシェフを含めてたったの3名しかいない。
その3名でお屋敷の使用人全員と自分達のご飯を毎食作ってくれているのだ。
お邪魔をして今日の夕食に響いてしまったらみんなに申し訳ない。
「大丈夫ですよ、坊っちゃま。お夕食の下拵えも終わっていますのでシェフと遊んでやって下さい」
キッチンスタッフが作業台を綺麗に浄化しながら教えてくれたのだが、シェフが遊んでいてもいいのだろうか。
「コラ!遊びじゃない。坊っちゃまにはおやつ作りのお手伝いをお願いしてるんだ」
そうだった。
お手伝いをしに来たのだった。
「ぼく、がんばる」
121
お気に入りに追加
3,394
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。
15
BL
生まれた頃から病弱で…ついに完治する事なく短い生涯を終えた少年。
しかし、目が覚めるとそこは見知らぬ景色…。
「ふえぇ…」
お、俺赤ちゃんになってる!?
しかも魔族って!?
無自覚系病弱美少年の物語。
「俺の顔は平凡以下です」
転生+人外の話。
俺TUEEEE系ではない。一から学んでいくスタイル。
でも要領がいいので割となんでもこなしていく、天才タイプ。です。
*カクヨム様にて加筆修正を加えたものを公開してます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
日本で死んだ無自覚美少年が異世界に転生してまったり?生きる話
りお
BL
自分が平凡だと思ってる海野 咲(うみの
さき)は16歳に交通事故で死んだ…………
と思ったら転生?!チート付きだし!しかも転生先は森からスタート?!
これからどうなるの?!
と思ったら拾われました
サフィリス・ミリナスとして生きることになったけど、やっぱり異世界といったら魔法使いながらまったりすることでしょ!
※これは無自覚美少年が周りの人達に愛されつつまったり?するはなしです
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
名前のない脇役で異世界召喚~頼む、脇役の僕を巻き込まないでくれ~
沖田さくら
BL
仕事帰り、ラノベでよく見る異世界召喚に遭遇。
巻き込まれない様、召喚される予定?らしき青年とそんな青年の救出を試みる高校生を傍観していた八乙女昌斗だが。
予想だにしない事態が起きてしまう
巻き込まれ召喚に巻き込まれ、ラノベでも登場しないポジションで異世界転移。
”召喚された美青年リーマン”
”人助けをしようとして召喚に巻き込まれた高校生”
じゃあ、何もせず巻き込まれた僕は”なに”?
名前のない脇役にも居場所はあるのか。
捻くれ主人公が異世界転移をきっかけに様々な”経験”と”感情”を知っていく物語。
「頼むから脇役の僕を巻き込まないでくれ!」
ーーーーーー・ーーーーーー
小説家になろう!でも更新中!
早めにお話を読みたい方は、是非其方に見に来て下さい!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
BLゲームのモブに転生したので壁になろうと思います
雪
BL
前世の記憶を持ったまま異世界に転生!
しかも転生先が前世で死ぬ直前に買ったBLゲームの世界で....!?
モブだったので安心して壁になろうとしたのだが....?
ゆっくり更新です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】健康な身体に成り代わったので異世界を満喫します。
白(しろ)
BL
神様曰く、これはお節介らしい。
僕の身体は運が悪くとても脆く出来ていた。心臓の部分が。だからそろそろダメかもな、なんて思っていたある日の夢で僕は健康な身体を手に入れていた。
けれどそれは僕の身体じゃなくて、まるで天使のように綺麗な顔をした人の身体だった。
どうせ夢だ、すぐに覚めると思っていたのに夢は覚めない。それどころか感じる全てがリアルで、もしかしてこれは現実なのかもしれないと有り得ない考えに及んだとき、頭に鈴の音が響いた。
「お節介を焼くことにした。なに心配することはない。ただ、成り代わるだけさ。お前が欲しくて堪らなかった身体に」
神様らしき人の差配で、僕は僕じゃない人物として生きることになった。
これは健康な身体を手に入れた僕が、好きなように生きていくお話。
本編は三人称です。
R−18に該当するページには※を付けます。
毎日20時更新
登場人物
ラファエル・ローデン
金髪青眼の美青年。無邪気であどけなくもあるが無鉄砲で好奇心旺盛。
ある日人が変わったように活発になったことで親しい人たちを戸惑わせた。今では受け入れられている。
首筋で脈を取るのがクセ。
アルフレッド
茶髪に赤目の迫力ある男前苦労人。ラファエルの友人であり相棒。
剣の腕が立ち騎士団への入団を強く望まれていたが縛り付けられるのを嫌う性格な為断った。
神様
ガラが悪い大男。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる