88 / 195
本編
パーティー開始
しおりを挟む
団長に先導されながら辿り着いた部屋はとても大きかった。
部屋の中には20人くらいが集まっているのだが何故か全員、とんがり帽子をかぶり両手に小さな旗を持ち胸の前でふりふりしている。
旗に描かれている男の子は、もしかして自分なのだろうか。
坊っちゃまだ。可愛い。と一瞬ざわざわと騒がしくなったが旗を振る手は止まらない。
熱烈な歓迎で恥ずかしすぎる。
小さく手を振り返すと、何人かが膝から崩れ落ちた。
「みんな、集まってくれてありがとう。…パーティーをするとは言ったけど、その恰好はどうしたのかな」
団長が挨拶しだすと、膝をついていた数人が隣の人に支えられながら立ち上がり全員が静かに整列した。
だが、全員の視線は自分に集中している。
全員が満面の笑みで自分の一挙一動を見守っているのだ。
なかなかに落ち着けない。
「事前に連絡した通り、今日から私の息子になったファルシュター君です。この通りとっても可愛い子なのでみんなで守って下さい」
団長は話が終わると自分にも挨拶出来るか聞いてきた。
無理しなくてもいいよと優しく頭を撫でてくれたが、やはり最初の印象は大事だと思う。
挨拶も出来ない子だと思われ嫌われるのは嫌だ。
とりあえずギル兄様の抱っこから下ろしてもらう。
「ふぁるしゅたーでしゅ。よろちくなのぉ」
特に何も思い付かず名前だけになってしまったが最後にぺこりと頭を下げた。
「ちゃんと挨拶できて、ルシーは偉いね」
ギル兄様に褒めてもらいとても嬉しいのだが、恥ずかしくもあり顔が真っ赤になってしまった。
顔を隠す様にギル兄様の足に抱きついてしまったが、嫌がられてはいないのでくっついていようと思う。
「僕からも、今まで心配かけてごめんなさい。そしてありがとう。僕はもう大丈夫。だってルシーがいてくれるからね」
ギル兄様が爽やかな笑顔を撒き散らしております。
頭を撫でてもらったので、ニコニコと見上げ両手でギル兄様の手を頭の上にキープします。
もう少し撫でてもらおうとぐりぐりと頭を押し当ててアピールしてみる。
ギル兄様は嬉しそうに破顔して安定の抱っこをしてくれた。
「えへへ」
なんかとてつもなく気持ちの悪い笑い声が出てしまったが、何故だか使用人さん達からは可愛いの大合唱。
旗の振り方が激しくなった。
「さあ、みんなで食事にしよう」
団長の掛け声でパーティーが始まった。
部屋の中には20人くらいが集まっているのだが何故か全員、とんがり帽子をかぶり両手に小さな旗を持ち胸の前でふりふりしている。
旗に描かれている男の子は、もしかして自分なのだろうか。
坊っちゃまだ。可愛い。と一瞬ざわざわと騒がしくなったが旗を振る手は止まらない。
熱烈な歓迎で恥ずかしすぎる。
小さく手を振り返すと、何人かが膝から崩れ落ちた。
「みんな、集まってくれてありがとう。…パーティーをするとは言ったけど、その恰好はどうしたのかな」
団長が挨拶しだすと、膝をついていた数人が隣の人に支えられながら立ち上がり全員が静かに整列した。
だが、全員の視線は自分に集中している。
全員が満面の笑みで自分の一挙一動を見守っているのだ。
なかなかに落ち着けない。
「事前に連絡した通り、今日から私の息子になったファルシュター君です。この通りとっても可愛い子なのでみんなで守って下さい」
団長は話が終わると自分にも挨拶出来るか聞いてきた。
無理しなくてもいいよと優しく頭を撫でてくれたが、やはり最初の印象は大事だと思う。
挨拶も出来ない子だと思われ嫌われるのは嫌だ。
とりあえずギル兄様の抱っこから下ろしてもらう。
「ふぁるしゅたーでしゅ。よろちくなのぉ」
特に何も思い付かず名前だけになってしまったが最後にぺこりと頭を下げた。
「ちゃんと挨拶できて、ルシーは偉いね」
ギル兄様に褒めてもらいとても嬉しいのだが、恥ずかしくもあり顔が真っ赤になってしまった。
顔を隠す様にギル兄様の足に抱きついてしまったが、嫌がられてはいないのでくっついていようと思う。
「僕からも、今まで心配かけてごめんなさい。そしてありがとう。僕はもう大丈夫。だってルシーがいてくれるからね」
ギル兄様が爽やかな笑顔を撒き散らしております。
頭を撫でてもらったので、ニコニコと見上げ両手でギル兄様の手を頭の上にキープします。
もう少し撫でてもらおうとぐりぐりと頭を押し当ててアピールしてみる。
ギル兄様は嬉しそうに破顔して安定の抱っこをしてくれた。
「えへへ」
なんかとてつもなく気持ちの悪い笑い声が出てしまったが、何故だか使用人さん達からは可愛いの大合唱。
旗の振り方が激しくなった。
「さあ、みんなで食事にしよう」
団長の掛け声でパーティーが始まった。
141
お気に入りに追加
3,391
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
モフモフ異世界のモブ当主になったら側近騎士からの愛がすごい
柿家猫緒
BL
目を覚ますとRPGゲーム『トップオブビースト』の世界に、公爵家の次期当主“リュカ”として転生していた浅草琉夏。獣人だけの世界に困惑するリュカだったが、「ゲームのメインは父。顔も映らない自分に影響はない」と安穏と暮らしていた。しかし父が急逝し、リュカが当主になってしまう! そしてふたつの直属騎士団を設立し、なぜか魔王討伐に奮闘することに……。それぞれの騎士団を率いるのは、厳格な性格で圧倒的な美貌を持つオオカミ・ヴァンと、規格外な強さを誇る爆イケなハイエナ・ピート。当主の仕事に追われるリュカだったが、とある事件をきっかけに、ヴァンとピートから思いを告げられて――!? 圧倒的な独占欲とリュカへの愛は加速中! 正反対の最強獣人騎士団長たちが、モフモフ当主をめぐって愛の火花を散らしまくる!
2025年3月 最終章へ向けて更新はじめました。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
【本編完結】最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!
天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。
なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____
過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定
要所要所シリアスが入ります。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる