コレは流行りの転生ですか?〜どうやら輪廻転生の方でした〜

誉雨

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本編

人間だもん

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「大旦那様にもご報告してすぐに戻ってきてもらいましょう。…それにしても本当にお可愛らしい。やはりお世話係は私にして間違いがなかった様ですね」
「いや、なんで家令のセイバースがファル君の世話係になるんだ?メイドもいるだろう?」
「父上、まずはルシーが座敷童子では無い事を言っていただきたいです。ルシーは僕の天使ですよ」

カオスだ。
恍惚した様子で語るセイバースさんに、座敷童子を否定してくれない団長。
真面に訂正してくれていた筈が、まさかの天使発言を再発させたギル兄様。
とりあえずは落ち着く為に、ソファーに座り直してみたが、ギル兄様にすかさず膝に乗せられてしまった。
興奮しすぎて落ち着けないです。

「おや、座敷童子では無く天使と…これはいけませんね。天使の好きな物をリサーチ出来ていません」

セイバースさんが天使に食いついてきちゃったよ。

「ちがうのぉ。ぼく、にんげんよぉ」

もう自分で訂正するしか無いだろう。
だが、セイバースさんはなかなか認めてくれない。

「こんなに愛らしい人間は居ません。安心して下さい、秘密にしたいのですね?」

何を秘密にする事があるのだろうか。

「むぅ。どちて、にんげん、だもん」
「うんうん。ルシーは人間だよね。ちょっと可愛らしさが人類を超越しちゃってるだけだよね」

ギル兄様、それも違います。

「いいのですよ、坊っちゃま。隠したいのですね。わかりました。このセイバースが坊っちゃまの秘密を隠し通しましょう。坊っちゃまは今日から人間です」

今日からでは無く、生まれてからずっと人間以外になった事は無いです。
これ以上、どう話したら納得してもらえるのか見当もつかないし、とりあえずは人間に落ち着いた様な気がするのでそろそろ諦めてもいいだろうか。

「それで、セイバースが世話係になる経緯は?」

まだ問題が残っていた様だ。

「勿論、勝ち取ったからですが…」

誰と競い合っていたのだろうか。
自分の世話をしたい人がいるとは思えないのだが、子供好きが多いのかもしれない。

「新しくご家族にお迎えするのが坊っちゃまだと聞いて、体力や持久力を考慮した結果、まずは男性に絞り込みました」

メイドや他の女性使用人はこの時点で脱落しましたと、いい笑顔で話しているが大丈夫だろうか。

「次にまだお小さい坊っちゃまを守り切る為にはある程度は戦えないといけません。なので年嵩の者や経験不足の若年者も失格になりました」

どんどん狭き門になってきているが、該当者がセイバースさんだけになってしまったから仕方なくという説も出てきた。

「そこで残った私と、シェフ、庭師で戦いまして…やはり豹の獣人である私が身体能力も高く魔法も多く使いこなせる事から、見事に勝ち取ったのです」

待って、シェフと庭師と戦うって何事ですか。
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