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本編

テディベアだ…と…

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仕事が残っているという団長とルイと別れて、ギル兄様達と一緒に騎士団の施設内を散歩中である。

今度は虎の背に乗って移動中だ。
勿論、危ないからという理由でタンデム。
ただ、お相手はギル兄様では無い。
ギル兄様は自分と手を繋いで、隣を優雅に歩かれている。

では、残っているのは誰か。
そう、熊だ。

団長の部屋までは熊に乗せてもらっていたのだが、団長が仕事をするなら熊も一緒かと思いギル兄様に下ろしてもらった。

「シーちゃも、おしごちょ、がんばっちぇねぇ」

名残惜しいが手を振ってお別れを告げたのだが、熊は団長に向かってガウっと吠えた。

「わかってるよ。ファル君と一緒に居ていいから怒らないでくれよ。仕事ためてた訳じゃ無いって。終わったらすぐ知らせるから、近くには居てくれよ」

どうやら熊は自分と一緒に居てくれるらしい。

「シーちゃ、まだ、いっちょ、いいのぉ」

嬉しくなって前足に抱きつくと、熊がペロペロと頬を舐めてくれた。
それではもう一度と、熊に跨ろうとすればまたもや虎が光に包まれ大きさを元に戻したのだ。

「ソラ!?」

ギル兄様が驚きの声を上げていたが、虎は熊を鼻先で押し今度は自分だと言わんばかりに熊とは反対の頬を舐めてくれる。

第一次モテ期の到来だ。

「ソラちゃには、まだ、ひちょり、むりよぉ」

虎が器用に尻尾で掴み、自分を背に乗せてくれるのだが滑ってしまい安定感がない。
熊の毛はもこふわなので多少は掴めるのだが、虎の毛はサラツルで掴む場所すら無いのだ。
すると虎は熊に目線を送った。
2匹が見つめ合っている。
なんてカッコいいんだ。
暫くすると、熊が仕方ないという感じ丸わかりの仕草をしたかと思えば、光に包まれた。
まさか。
現れたのは巨大テディベア。
ギル兄様と一緒ぐらいの大きさのぬいぐるみにしか見えない。

「かわいいの!」

元のサイズではかっこよく、小さくなれば可愛さが爆発するなんて。
興奮して鼻血が出そうだ。

「団長、いつシーザーのデフォルメぬいぐるみなんて作ってたんです?いくら可愛いのが好きだからってシーザーを可愛くしても需要ありますか?」
「馬鹿を言うな。よく見ろ、動いているじゃないか。アレは新種の何かだよ」
「父上もルイさんもしっかりして下さい。アレは間違いなくシーザーです」

大人2人は騒いでいたが、さすがギル兄様だ。
しっかりと大人組を注意し、笑顔でコチラに歩いて来た。

「にいしゃま、みて、くだちゃい!シーちゃ、かわいいの!」

熊に抱きつきながら興奮して話す自分の頭を優しく撫でてくれる。

「ルシー、よかったね。動物が好き?見に行こうか?」
「いきたいでしゅ!」
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