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本編
家宝爆誕!
しおりを挟む「すごい、しーちゃも、ソラちゃも、まほう」
「最後は僕かな」
2匹の魔法に感動していると、ギル兄様が花びらを何枚か手に取った。
それを握りしめて何か呟くと、開いた手の中から花の形をした飴が出てきたのだ。
驚きすぎていつのまにか涙が止まっている。
「はい、コレ食べて、笑って?」
このままだと飲んじゃうと危ないからと、わざわざ茎に見立てた棒までつけて渡してくれた。
家宝にしたい。
大好きな熊と、神様と、神の使徒の共作だ。
これは食べずに飾っておくべきだと思うのに、神様が期待に満ちた顔で待たれているので、食べない訳にはいかない。
「おいしい。あまくて、しゅごい、おいしい!」
舐めるとハチミツと柑橘系の味がしてとても美味しかった。
ニコニコと舐め続けてしまう。
「僕の天使は笑っているのが可愛いよ」
頭まで撫でてもらえた。
今日は髪も洗わない。
「坊主は獣に魅了魔法でもかけてるんですかね、団長。それとも俺の目がイカれたんですか?シーザーとソラが坊主の為に魔法使ってましたよ?ありえるんですかね」
「いやいや、それよりギルバートだよ!笑顔でチュッチュしてるよ!激甘だよ!溺愛だよ!」
大人2人が騒がしいが、ギル兄様に地面に下ろしてもらうとすぐに熊が抱き上げてくれた。
そのまま空いている方の手で鼻や口周りを撫でる。
熊が虎の背中に乗せてくれ、そのまま落ちないように支えてくれていたので、今度は虎の首や頭、耳などを撫でくりまわす。
「シーちゃ、ソラちゃ、ありかとぉ。ぼく、もう、ないて、ないからねぇ」
「シーザーが壊れた」
「父上、ソラもですから。僕の天使が可愛すぎるので、仕方の無い事なのです」
自分が2匹と遊んでいる間に、ギル兄様は大人2人と真剣に話出したので空気を読んで大人しくしていようと思う。
飴を舐めながら、熊や虎と遊んで待つ事にした。
熊は氷の魔法が得意の様だが、虎は何でも使える。
熊の氷を虎の炎で溶かすと蝶々が飛び出してきた時は、手品かと思った。
2匹の目の前に座り込み特等席で見せてもらう。
2匹が魔法を使うたび、手を叩いて大はしゃぎしてしまったのは少し恥ずかしい。
いつの間にか話し合いは終わっていた様で、3人が自分の後ろに立っていた。
「待たせてごめんね。さあ、我が家に帰ろう」
「だんちょ、さっきは、たたいて、ごめんちゃい」
「ぜんぜん痛くなかったよ。ポコポコしてるのが可愛くて止めてあげられなかったんだ、おてては痛くない?私もごめんね」
あんなに必死に殴ったのに、ポコポコとか言われてしまったのは悔しいが、暴力はいけない事なのでしっかりと頭を下げて謝った。
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