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本編
馬出走
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お兄さんの名前はルイ。
騎士団の副団長らしい。
熊の相棒が団長だと教えてくれた。
森の近くに実戦訓練の為訪れていたが、今朝、熊が森へ入ってから帰って来ない。
熊が人を襲う事は無いし、強さも桁違いな為あまり心配はしていなかったが、気付いたら鳥まで居なくなっていたとの事。
その鳥が戻って来たと思ったら、団長の荷物を咥えて森へ向かって飛んで行くのを見つけてしまったそうだ。
「一応、ルアンは俺の相棒だしさ。団長は笑ってたけど追いかけたわけよ。そしたらシーザーとルアンがコロポックルに求愛中だろ、目を疑ったぜ」
隣を歩きながら大きな手で頭を撫でてくれた。
普通は相棒以外はあまり興味を示さないらしい。
ルイが所属している騎士団は全員が獣と相棒関係を結んでいるとの事。
「訓練地に着いたら、びっくりするぐらいいっぱい動物がいるぞ。ただ、気難しいヤツばかりだから触るなよ。坊主じゃ噛まれたら怪我どころじゃ済まん。…噛んだ方もシーザーに殺されるしな」
団長には子供が1人いるらしい。
10歳だが、騎士団にも所属しており、強い相棒も勿論いる。
「坊主が仲良くなれればいいんだが。…坊主だって見た目、コロポックルだしな」
何か問題がある子なのだろうか。
それにしても10歳で戦いに出ているとは驚きだ。
ただ、目標は決まった。
自分も相棒を見つけて騎士団に入団する。
とりあえず、息子さんは5歳の時には相棒がおり去年入団したらしいので同じように後、約2年で相棒を見つけたい。
「ルイしゃ、あいぼう、どこでみちゅかるのぉ」
「なんだ、坊主は相棒が欲しいのか?」
「ぼく、きしだん、はいって、シーちゃとルアちゃの、ちかくにいるの」
「相棒になれる動物は結構、何処にでも居るんだけどな。…坊主には難しいかもな」
戦って強さを見せつけるとかなら絶対無理だが、どうやら其々の個体によって違うらしい。
中には、好きな花を一緒に集めるだけで相棒になってくれる子も居るそうだ。
「…シーザーとルアンが許さないだろ」
ルイは時折、声が小さくて聞き取れない。
しかし、お花が好きな子が居るなら希望が持てる。
「ぼく、がんばる」
騎士団に入って、雑用でもさせてもらえればいいのだ。
ルイが心配している通り、もしかしたら身体は成長しても平均より小さいままかも知れない。
戦いには不向きだが、事務方だって立派な団員だ。
決意を込めて、大きく頷いた。
しばらくすると訓練地が見えて来た。
普通の馬の倍以上はあるだろうか。
立派な鬣の黒い馬が走って来るのが見えた。
誰も乗って居ない様だが、コチラに向かって一直線だ。
「うまちゃも、おおきいねぇ」
馬の後ろから慌てて数人の団員が走ってくるが追いつく筈が無い。
「不味いな。ルアン、止めてきてくれ」
ルイも焦った様に鳥に指示を出しているが、鳥は自分の頭上から離れない。
そうこうしている間に、馬はどんどん近付いて来る。
「おい、ルアン。このままじゃお前の大好きな坊主が怪我するぞ」
馬の相棒と思われる団員が叫んでいるが馬は止まらない。
鳥も移動しない。
熊はのんびり歩いている。
騎士団の副団長らしい。
熊の相棒が団長だと教えてくれた。
森の近くに実戦訓練の為訪れていたが、今朝、熊が森へ入ってから帰って来ない。
熊が人を襲う事は無いし、強さも桁違いな為あまり心配はしていなかったが、気付いたら鳥まで居なくなっていたとの事。
その鳥が戻って来たと思ったら、団長の荷物を咥えて森へ向かって飛んで行くのを見つけてしまったそうだ。
「一応、ルアンは俺の相棒だしさ。団長は笑ってたけど追いかけたわけよ。そしたらシーザーとルアンがコロポックルに求愛中だろ、目を疑ったぜ」
隣を歩きながら大きな手で頭を撫でてくれた。
普通は相棒以外はあまり興味を示さないらしい。
ルイが所属している騎士団は全員が獣と相棒関係を結んでいるとの事。
「訓練地に着いたら、びっくりするぐらいいっぱい動物がいるぞ。ただ、気難しいヤツばかりだから触るなよ。坊主じゃ噛まれたら怪我どころじゃ済まん。…噛んだ方もシーザーに殺されるしな」
団長には子供が1人いるらしい。
10歳だが、騎士団にも所属しており、強い相棒も勿論いる。
「坊主が仲良くなれればいいんだが。…坊主だって見た目、コロポックルだしな」
何か問題がある子なのだろうか。
それにしても10歳で戦いに出ているとは驚きだ。
ただ、目標は決まった。
自分も相棒を見つけて騎士団に入団する。
とりあえず、息子さんは5歳の時には相棒がおり去年入団したらしいので同じように後、約2年で相棒を見つけたい。
「ルイしゃ、あいぼう、どこでみちゅかるのぉ」
「なんだ、坊主は相棒が欲しいのか?」
「ぼく、きしだん、はいって、シーちゃとルアちゃの、ちかくにいるの」
「相棒になれる動物は結構、何処にでも居るんだけどな。…坊主には難しいかもな」
戦って強さを見せつけるとかなら絶対無理だが、どうやら其々の個体によって違うらしい。
中には、好きな花を一緒に集めるだけで相棒になってくれる子も居るそうだ。
「…シーザーとルアンが許さないだろ」
ルイは時折、声が小さくて聞き取れない。
しかし、お花が好きな子が居るなら希望が持てる。
「ぼく、がんばる」
騎士団に入って、雑用でもさせてもらえればいいのだ。
ルイが心配している通り、もしかしたら身体は成長しても平均より小さいままかも知れない。
戦いには不向きだが、事務方だって立派な団員だ。
決意を込めて、大きく頷いた。
しばらくすると訓練地が見えて来た。
普通の馬の倍以上はあるだろうか。
立派な鬣の黒い馬が走って来るのが見えた。
誰も乗って居ない様だが、コチラに向かって一直線だ。
「うまちゃも、おおきいねぇ」
馬の後ろから慌てて数人の団員が走ってくるが追いつく筈が無い。
「不味いな。ルアン、止めてきてくれ」
ルイも焦った様に鳥に指示を出しているが、鳥は自分の頭上から離れない。
そうこうしている間に、馬はどんどん近付いて来る。
「おい、ルアン。このままじゃお前の大好きな坊主が怪我するぞ」
馬の相棒と思われる団員が叫んでいるが馬は止まらない。
鳥も移動しない。
熊はのんびり歩いている。
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