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第十四話 あれから
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ロイドさんが乗った馬車が去っていくのを眺めていた。
これで本当に終わったんだと思うとホッとする。
馬車が見えなくなった後、ノア様はもう一台の馬車で帰っていった。
たぶんロイドさんのことの後始末があるんだと思う。
今回は本当に周りの人に助けられた。
後日、もっとしっかりとお礼をしたい。
「レーナ、屋敷の中に入ろう」
「はい、お兄さま」
お兄さまと一緒に屋敷の中に入る。
屋敷の中に入ると、お母さまとお父さまが玄関にいた。
「レーナ、無事でよかったわ」
「ロイドの声が聞こえて心配で見に行こうとしていたところだったんだ。無事でよかった」
お母さまが私を抱きしめた。
お父さまも安心したような表情をしている。
「それで、ロイドが来ていたんでしょう? レーナは大丈夫だったの?」
「はい、みなさんが守って下さったので」
「ならよかったわ。詳しくは夕ご飯のあと聞かせてね」
「はい、わかりました」
食堂に移動して、いつもより少し早めの夕ご飯を食べた。
たまたまメインが私の好きなもので嬉しかった。
夕ご飯を食べたあと、リビングで家族に今日のことを話した。
お兄さまがところどころ補足してくれたおかげで、しっかりと伝えることができたと思う。
「じゃあ、もうレーナがロイドとかかわることは無いって考えていいのかしら?」
「はい、たぶんですが無いかと思います」
「ならよかったわ」
明日ロイドさんにどのような処分が下されたのか、聞いてみようかな。
しばらく家族で話をしたあと、私は寝る準備をした。
今日はなんか疲れちゃったから早く寝るつもりだ。
ベッド上に横になる。
目を閉じてすぐに私は眠りについた。
・*・*・*・*・*・*・*・*・
次の日。
私はノア様の部屋に来ている。
「ところでノア様、ロイドさんってどうなったのでしょうか?」
「牢屋に一生幽閉が決まった感じかな。昨日はかなり騒いでたみたいだよ」
「そうなんですね。教えて下さりありがとうございます」
一生牢屋に幽閉ならもう会うことはないか。
よかった。
「お兄さまがいろいろと迷惑をかけてすみませんでした」
急にノア様が頭を下げた。
私は慌てて返事をする。
「ノア様が謝らなくて大丈夫です。むしろ謝るなら私が……」
「いえ、レーナさんは何も悪くないので謝る必要はありません。僕はただ、お兄さまがなにも謝罪をしなかったのが気になっていて……」
「ノア様、そこまで気にしなくても大丈夫ですよ。私はあまり気にしていませんし」
「そうなんですね。よかった……」
ノア様が安心したような表情で笑った。
私もつられて笑顔になる。
コンコンコン。
ドアがノックされた音が聞こえた。
「失礼しますね」
入ってきたのは王妃様だ。
「二人の婚約について話に来たの」
「なにかありました?」
ノア様が不思議そうに返事をした。
「ふふふ。二人の婚約をいつ発表するかと結婚式の予定が決まったの。発表は三ヶ月後で結婚式は半年後よ。ロイドのことがあったから少し発表は遅くなってしまうけど、その間は準備期間にしましょう」
「わっわかりました」
「わかりました」
結婚式……。
私、ついに結婚するんだ。
「早く二人の結婚式を見たいわ。これから準備で忙しくなるけど二人とも頑張ってね」
「はい。お母さま」
「はい、頑張りますね」
「それじゃあ私はもう行くわね。せっかくいい雰囲気になってたのに邪魔してごめんなさい」
そういって王妃様は部屋から出ていった。
気がついたらノア様と見つめあっていた。
ノア様の顔がほんのり赤い。
「レーナさん、これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。結婚式、楽しみですね」
「はい!」
二人で笑いあう。
幸せだなぁ。
結婚式も楽しみ。
いい式にできるように頑張らないと。
・*・*・*・*・*・*・*・*・
次回最終回です。
これで本当に終わったんだと思うとホッとする。
馬車が見えなくなった後、ノア様はもう一台の馬車で帰っていった。
たぶんロイドさんのことの後始末があるんだと思う。
今回は本当に周りの人に助けられた。
後日、もっとしっかりとお礼をしたい。
「レーナ、屋敷の中に入ろう」
「はい、お兄さま」
お兄さまと一緒に屋敷の中に入る。
屋敷の中に入ると、お母さまとお父さまが玄関にいた。
「レーナ、無事でよかったわ」
「ロイドの声が聞こえて心配で見に行こうとしていたところだったんだ。無事でよかった」
お母さまが私を抱きしめた。
お父さまも安心したような表情をしている。
「それで、ロイドが来ていたんでしょう? レーナは大丈夫だったの?」
「はい、みなさんが守って下さったので」
「ならよかったわ。詳しくは夕ご飯のあと聞かせてね」
「はい、わかりました」
食堂に移動して、いつもより少し早めの夕ご飯を食べた。
たまたまメインが私の好きなもので嬉しかった。
夕ご飯を食べたあと、リビングで家族に今日のことを話した。
お兄さまがところどころ補足してくれたおかげで、しっかりと伝えることができたと思う。
「じゃあ、もうレーナがロイドとかかわることは無いって考えていいのかしら?」
「はい、たぶんですが無いかと思います」
「ならよかったわ」
明日ロイドさんにどのような処分が下されたのか、聞いてみようかな。
しばらく家族で話をしたあと、私は寝る準備をした。
今日はなんか疲れちゃったから早く寝るつもりだ。
ベッド上に横になる。
目を閉じてすぐに私は眠りについた。
・*・*・*・*・*・*・*・*・
次の日。
私はノア様の部屋に来ている。
「ところでノア様、ロイドさんってどうなったのでしょうか?」
「牢屋に一生幽閉が決まった感じかな。昨日はかなり騒いでたみたいだよ」
「そうなんですね。教えて下さりありがとうございます」
一生牢屋に幽閉ならもう会うことはないか。
よかった。
「お兄さまがいろいろと迷惑をかけてすみませんでした」
急にノア様が頭を下げた。
私は慌てて返事をする。
「ノア様が謝らなくて大丈夫です。むしろ謝るなら私が……」
「いえ、レーナさんは何も悪くないので謝る必要はありません。僕はただ、お兄さまがなにも謝罪をしなかったのが気になっていて……」
「ノア様、そこまで気にしなくても大丈夫ですよ。私はあまり気にしていませんし」
「そうなんですね。よかった……」
ノア様が安心したような表情で笑った。
私もつられて笑顔になる。
コンコンコン。
ドアがノックされた音が聞こえた。
「失礼しますね」
入ってきたのは王妃様だ。
「二人の婚約について話に来たの」
「なにかありました?」
ノア様が不思議そうに返事をした。
「ふふふ。二人の婚約をいつ発表するかと結婚式の予定が決まったの。発表は三ヶ月後で結婚式は半年後よ。ロイドのことがあったから少し発表は遅くなってしまうけど、その間は準備期間にしましょう」
「わっわかりました」
「わかりました」
結婚式……。
私、ついに結婚するんだ。
「早く二人の結婚式を見たいわ。これから準備で忙しくなるけど二人とも頑張ってね」
「はい。お母さま」
「はい、頑張りますね」
「それじゃあ私はもう行くわね。せっかくいい雰囲気になってたのに邪魔してごめんなさい」
そういって王妃様は部屋から出ていった。
気がついたらノア様と見つめあっていた。
ノア様の顔がほんのり赤い。
「レーナさん、これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。結婚式、楽しみですね」
「はい!」
二人で笑いあう。
幸せだなぁ。
結婚式も楽しみ。
いい式にできるように頑張らないと。
・*・*・*・*・*・*・*・*・
次回最終回です。
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