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第七話 ルイス様に報告です
しおりを挟む部屋に戻り、リアンの今の状態をまとめる。
明日、ルイス様にしっかりお伝えするためだ。
ルイス様は今のリアンを見て、どう思うんだろう。
お互いリアンに反省してもらうことが目的だったし、私と同じ感じかな。
まあ、明日になってみないとわからないか。
私は夕飯を食べたあと、いつもより早めに寝た。
・*・*・*・*・*・*・*・
次の日。
ルイス様を待っている間、私はリアンの様子を見ていた。
リアンの部屋には大量の手紙があった。
そして、リアン自身は鏡の前でたくさんの宝石を身に着けてうっとりしてる。
何度か話しかけたけど、私の存在に気がついていないみたいだ。
コンコン。
メイドさんがリアンの部屋に入ってきた。
「ステラ様、ルイス様がおみえになりました」
「わかったわ。ありがとう」
「いえ」
メイドにお礼をいい、いつものテラスに移動する。
ルイス様はもうイスに座っていた。
「ルイス様、お待たせしてしまいすみません」
「オレも来たばかりだから大丈夫だよ」
ルイス様はそういって笑った。
いつもの席に座り、ルイス様にリアンのことを話した。
「……なるほど。一週間で効果が消えるならちょうどいいね。あとは、リアンが生きていけなくなるレベルの問題行動をしないように見守るだけかな」
「ええ、ちょっと恥ずかしい、ぐらいのことは起こしてほしいですがさすがにそこまでの問題は起こさないようにしっかり監視する予定です」
「うん、なら問題はないかな」
そういうと、ルイス様は紅茶を飲んだ。
そういえば、ルイス様が次に家に来れるのいつだったけ?
たしかちょっと先だった気がするんだけど……。
「ルイス様って次来れるのいつでしたっけ?」
「来れるのは六日後かな。だから薬の効果はもう切れてるね」
……六日も逢えないの寂しいな。
でもお互い家のこともやらないといけないし仕方ないか。
リアンのことは次来たとき、しっかり説明できるようにしておかないとね。
リアンの話題がいったん落ち着き、お菓子を食べながら仕事の話とか他の貴族の話をした。
そんなとき、ドタドタと勢いよく走ってくる音が聞こえてきた。
「お姉さま! 特別にこの私の時間を少しあげるわ!」
ようはお茶会に参加するってことかな。
リアンは返事をする前にイスに座った。
「あら、今日のお菓子はクッキーだけなの? この私が来たんだからもっと豪華なものにしなさいよ!」
「ごめんなさい。今日はこれだけなの。その分紅茶はクッキーにあう美味しいものよ」
「あら、そうなの」
メイドさんがタイミングよく紅茶を持ってきてくれたので、私はそう答えた。
わがままナルシスト化してるリアンの対応は大変だ。
普段のリアンも面倒くさいけど今は前の倍って感じ。
「ルイス様は私のどこが一番かわいいって思いますか?」
リアンはルイス様にも絡みだした。
ところでこの質問、全部以外の回答は受け付けていなさそうだけど……。
ルイス様はチラッと私を見てきた。
私はうなずく。
「全部だとおもうな」
「うれしいですわ! でもそうですよね! 選べませんよね! だって世界で一番かわいいんですもの」
リアンは嬉しそうにしている。
それからもリアンの『私かわいい、私は世界一』という話が続いた。
「あっ、私そろそろ部屋に戻りますわ」
「ええ、わかったわ」
「うん、わかった」
私たちがそう答えると、リアンが不機嫌そうな顔をした。
「お礼の一つもないだなんて……」
面倒くさい。
私はため息をつきたいのを我慢しつつ、お礼をいった。
「リアン、貴重な時間を使ってくれてありがとう」
「リアンちゃん、ありがとうね」
私たちがそういうと、リアンは笑顔になって帰っていった。
はぁと私はため息をついた。
「リアンかなり面倒くさい性格になってるね」
「ええ、対応に疲れますよね」
「うん。ステラ、頑張ってね」
「はい」
それから、少しの間だったけどルイス様とお話をして、別れた。
リアンの薬が切れるまであと六日。
頑張ろうっと。
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