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151 BBQ

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~ピピピ・ピピピ・ピピピ~
~おはようございます、マスター~
~領域より18,500 DPを回収しました~
~侵入者を撃退し、37,659 DPを取得しました~
~所持DPの端数を利用し、世界樹に対して<成長>を執行します~
~迷宮化が終了しております~
~テンプレート【大空洞】が完成しております~
~領域拡張が終了しております~

「あ~い、おはようございます…」
「なの!」

ショタ神様の元から戻ってから数日、ダンジョンの確認と迷宮作成や機能テストやらなんやらで、何気にイベント盛りだくさんな数日を過ごしていましたが、ようやく落ち着いた朝を迎える事ができました。

「メシなの!!」

何も食べなくても良い体なのですっかり忘れていましたが、最近何も食べていませんでしたね。既に日常の一部になっていますし、世界樹さんからの要望もあります。何か作りましょうか。

「何を食べましょうか」
「肉なの!」
「あいあい」

世界樹さんのご要望にお応えして、今日は焼肉定食にでもしましょうかね。
……なぜか【倉庫】に、大量の肉が有るのですが…下級竜レッサードラゴンの肉? 誰が狩ったんでしょうか?

「あ、それルナが持ってきたなの、忠告しても襲ってきたから、返り討ちにしたらしいなの」

あー、獣人さん方を襲っていた相手の事ですか、ちらっと耳にはしていましたが……どんだけ居たんですか、【倉庫】が肉だらけですよ。しかしドラゴンですか~、北での出来事ですし、竜の谷から来たんでしょうね。
此方としても、獣人さん方を守る必要がありましたし、突然襲ったのではなく、忠告と妥協案を提示しているのでしたら、配慮としては十分でしょう。誰の縄張りでもない場所での出来事ですし、裁く者も、基準となるルールも無い。弱い奴が悪い、弱肉強食の世界ですもんね。

う~ん、肉ですか~、大量の肉ですか~……あ

「……BBQバーベキューでもしましょうか」
「びーびーきゅーなの?」

―――

どうしてこうなった……

急遽外に作られた会場、網焼きセットが並べられ、ジリジリと音を上げている。その周囲には、各所に肉と野菜の山積みにされているのが見える。火加減も食材もばっちり、まさに準備万端と言ったところでしょうか。

「此度は突然のイベントにも関わらず、よく集まってくれた。これより、主様からお言葉をいただきたいと思う。主様どうぞ」

クロスさんに促され、壇上に押し上げられる。痛いです、もう逃げないですから、牙で突っつかないで!?
前にもお茶会をやったけど、君ら本当にこう言った事が好きだね。やる事なす事、本気過ぎるんですよ。

ここで待たせるのは無いですね、今か今かと待つ皆さんの目線が怖いですし。待ちきれない様で、涎ダラダラ垂れ流している子まで居るので、さっさと済ませましょう。

「あ~、皆さん、お疲れさまです。初期から居る子も、途中参加した子も、ここまでご苦労様でした。慰労会って事で、好きなように飲み食いしてください、それでは…乾杯!」
「「「乾杯―――!!」」」

社会のしがらみに囚われる必要も無いですしね。この位緩い感じで良いでしょう、うん。さてさて、俺も何か食べましょうかね~。

「主~、これ食ってみて~♪」
「お、クロカゲさんのお勧めですか? ……後ろにできた列は何でしょう?」
「お勧めじゃねぇ?」

これ全部ですか? 全て食えと? 

― じ~~~~~~…… -(期待に満ちた眼差し)

……ふふ、えぇ、えぇ、食べますとも、全部かかってこいやー! (ガブ)

「あ、美味しい」
「属性ガン積みキノコ、好評だぞ~」
「「「わ~い」」」
「お肉ウマ~なの」

―――

意外と入りますね。イヤ、底が見えない。幾らでも食べられて仕舞います。俺の中ってどうなっているんでしょうね? 食べたものを、魔力に変換しているんでしょうけど、変換速度が異常なのかな?
やはり、食事は娯楽程度にとどめておくのが良さそうです。終わりが見えない。

「お肉ウマ~なの」
「肉は~、やっぱり普通かな? でも、味付けが優秀ですね、流石ゲッコーさん、美味い美味い」
「う、うるせー」
「照れる事無いですよ、世界樹さんもそう思うでしょう?」
「お肉ウマ~なの」

先ほどから、世界樹さんが肉しか食べていない件について。以前にドラゴンステーキを食べてから、ドハマりしたみたいなんですよね。肉食系幼女……どこかに需要ありますかね?

「お肉美味しいですか?」
「なの! 香草焼きが美味しいなの!」

ほうほう、香りが強いのが好きなのかな? あ、世界樹さんの樹液使って作った照り焼きは論外です。自分の血液でできた食事を食べても、血肉が増えることは無いのと同じで、満たされる感覚が無いらしい。
しかし……先ほどから、世界樹さんの目が虚ろなのは、気のせいでしょうか?

「世界樹さん、何を見ているんですか?」
「迷宮に挑んでいる、モフモフを見てるなの!」(もぐもぐ)

あぁ、視界だけを本体に戻しているんですか、ますます器用になりますね。
そして、AVアニマルビデオを見ながら肉を食べると。樹生…もう人生で良いですね、人生満喫しているな~。

しかし、昨日の今日だと言うのに、早速挑戦していましたか。俺も見て見ましょうかね?
ついでですから、周りに画面を展開しておきましょう。そうすれば、他の方も見られるでしょう。人種の戦い方を学ぶのも大切ですからね。コアさんや、焼肉会場に適当に設置して下さい。

~ 了解、挑戦者を表示します ~

ダンジョン【世界樹の迷宮】、迷宮【岩窟】 魔物ランクE~D

岩をくり抜いたかのような洞窟型の迷宮。その下層の少し開けた場所にて、挑戦者と一体の魔物が対峙していた。

「だーーー、何だこいつ、クソ固ぇ!!」
「一旦下がれ! ファイヤーボルト!」

― ドン!! -

「キシャーーー!!」
「チィ、これでもダメか!」
「勝てん、撤退だ!」

お、丁度戦闘中でしたか、ですが勝てずに撤退するようですね。引き際を見極められるのは、優秀な証拠です。しかし、ちょっと迷宮のレベル、上げ過ぎましたかね? (モグモグ)

名称: 岩亀ロックルト
氏名: ―――
分類: 現体
種族: 蜥蜴族
LV:    5 / 25  <怒り(小)>
HP: 1324 / 1673 
SP: 1578 / 1667 
MP:  328 /  416 
筋力: 476 
耐久: 918 
体力: 818 
俊敏: 39 
器用: 140
思考: 140 
魔力: 194 
適応率: 25(Max100)
変異率: 25(Max100)
スキル
・肉体: <甲羅LV5><岩肌LV2><毒耐性LV3><麻痺耐性LV3>
・技術: <踏ん張るLV9><気配感知LV2><気配隠蔽LV4>
・技能: <地均しLV1><捕食回復LV1><守るLV6><自己回復LV4><解毒LV3>
称  号: <最終進化><主>

平均レベル20のチームでも、最大レベル25(中級)の最終進化が相手では、分が悪いですか。しかも、相手は防御特化の耐久型、スキルも相まって圧倒的に火力が足りない。足が遅いのが唯一の救いですかね? お陰で逃げる事は問題ないでしょう。
この迷宮の生態系の頂点に立つ魔物ですから、仕方がないですね。しかし、≪最終進化≫の魔物はやっぱり強いな~。

(北より、身元不明の魔物が急速接近中!)
(敵性不明! 数1イチ!!)

おぉう!? 侵入者ですか? どうやら、北に張っていた粘液スライム族と虫族による警戒網に引っ掛かったらしい。

「お父様!! 緊急事態ですわ!! この魔物、ヤバいですわ!!!」

全速力で飛んでくるルナさん。その様子からも、相手を相当危険視していることが伺える。てか、ルナさんがヤバいって相当ですよ!?

~ ダンジョンに侵入者が現れました ~

コアさんの侵入者報告、久しぶりに聞きました。一定以下の相手は対象外にしていましたからね。早速ダンジョンの機能で確認しましょう。報告からほぼノータイムできましたから、相当はや、はっや!? ちょ、これあかん奴だ!!

第一種対空防衛体制!」
(((了解!!)))
「任せるなの! <障壁>!」

外に居た子達は、すぐさま物理的に隠蔽した避難用通路に飛び込み、既に世界樹さんの中にいる子達も、すぐに動けるように迷宮内を移動する。俺は、コアさんの<神出鬼没>で、コアルームまで避難する。此処が一番安全ですし、なお且つ此処が落ちれば終わりですからね。

そしてダンジョンの中ほどに、世界樹さんを中心に円柱状の障壁が瞬時に展開される。

「どっからでも、掛かって来いなの! 御飯の邪魔をした責任は取らせるなの!」

これが、ダンジョンの機能で<障壁>や<エリア選択>などを取らなかった理由だ。
此処には世界樹さんが居ますからね。多少習得に時間が掛かっていましたが、世界樹さんの膨大な魔力とコントロールをもってすれば、ダンジョン内に魔法で障壁を張る事ができてしまうのだ。普通のダンジョンではこうはならないでしょう。やっぱり世界樹さんはチートですわ。

真っ直ぐ突き進んでいた侵入者は、障壁の少し手前で停止。しばし様子を見る様に障壁の周りを旋回していたが、諦めたのかその場で滞空した。

(……ぐぬぬ、これでは近づくことができない。かと言って、無理やり押し通る訳にもいかない。竜王様が到着する前に、如何にか接触しなくては)

なんてことを呟く侵入者、改めドラゴンさん。敵対的な態度には出ませんか、このレベルを相手にするのは避けたかったところですし、有り難い限りです。
エレンさんの紹介でしょうかね? 向こうは、こちらとの接触を望んでいるみたいです。だとするならば、こちらから接触する必要があります……が、それよりも、不穏な単語が聞こえた気がするんですが? 
なに? 竜王? ここ来るの? しかも、すぐ近くまで来ているの? マジっすか? 
エレンさんや、一体どんな説明をしたんですか……

「どうするなの? 叩き潰すなの?」
「物騒な事言わないでください。世界樹さんが動いたら、被害がとんでもない事になりますから。それよりも、先ずは話を聞いてみましょう、プルさん」
(は~い)
「<念話>ができる子……滞空できる子が良いですね、送っていただけますか?」
(分かった、ちょっと待ってて~)

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