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127 獣人さん、ご到着
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「ご主人ー、連れて来たー!」
「ご苦労様です、ビャクヤさん」
迷宮の中から、ビャクヤさんの到着を迎える。流石に外で待つわけにもいかないですからね。またクロスさんに泣かれるのは、勘弁です。あれ、結構精神的にキツイんですよ。
「それでビャクヤさんや、皆さん相当疲弊しているように見えるのですが……」
「うん、周りに面倒なのが沢山居たから、巻きで来た!」
あぁ、周りでうろちょろしている奴が居ましたね……だからと言って、限界速度ギリギリを狙って走ることは無いでしょうに。
「これからお話に入ろうと思いますけど、ビャクヤさんは如何します?」
「一緒にいる!」
「了解です」
ビャクヤさんが近くに居れば、変な奴が寄ってきたりはしないでしょう。獣人方は……暫く話せそうにないですから、まずはこっちか。
(こんにちは、森人のお方)
「招待して頂き、感謝致します。ダンジョンマスターよ」
(すいませんね~。危険な目にまで合わせてしまって)
「いやいや、こちらが迎えを断ったのが発端じゃ。寧ろ助けていただき、感謝致しますぞ」
ふむふむ……掴みは悪くなさそうですね。迎えを出したのは、正解だったようです。
プルさん達、粘液を経由しての<念話>も良好。ゴトーさんの時もそうでしたが、真似るのが本当に上手です。
さて……世界樹さんが大人しいのが、逆に怖いのですが。
「世界樹さん、この人が本当の森人な訳ですが……同じですか?」
「……」
じっと画面を見る世界樹さん。あ、これは画面を見ている訳ではなく、感覚の殆ど本体の方に戻していますね、抜け殻ですわ。て、あ。
「……」(ジー)
「ッ、おや、どちら様で…す……」
おう、消えたかと思ったら、直接会いに行きやがりましたか。
情報収集や心情面を理由に、刷り込みのように殺さない様には言っておきましたが、どうなる事やら……洗脳ではないですよ?
「な~~~の」
「……」
……見た瞬間に殺しに行かなかったですし……大丈夫かな?
見られて居るエルフ爺さんの方は……あれ、泣いている?
「せ、世界樹の……女神、様?」
「なの、コイツ違うなの」
それだけ言うと、世界樹さんはエルフ爺さんの元から消え、こっちに戻ってきた。もう眼中に無いらしい。
「違いました?」
「似てるけど……半分くらい? なの」
半分ね~……つまり、ハーフエルフって事でしょうか? つまり、半分人間?
……この世界の人間とつく輩に、碌な奴は居ないのでしょうか。はぁ……。
いや、そうとも限らない。森人に近い種の人がいるかもしれないし、人間以外とのハーフも有り得る。結論を出すには早すぎますね。
長生きしてそうですし、ここは交流も兼ねてエルフ爺さんにでも聞いて……どした?
視線を画面の方に戻すと、エルフ爺さんが蹲って……おぅ、大号泣しているじゃないですか、何があったし。
……………………あ、これダメな奴だ、感情が吹っ切れている。
獣人組も回復したのか、エルフ爺さんの元へ集まりだした。
話しかけても、無駄だと思いますがね~。あれだけ感極まったの、殺意以外で初めて見たかもしれない。
―――
「世界樹様の女神様が見ている御前、大変見苦しい姿をお見せ致しました」
(いえいえ)
「この大陸から世界樹が消えて早1000年! 最早、お目にする事など叶わぬと失意に暮れておりましたが、何たる幸運! 何たる僥倖! 神はまだ、この世界を見捨てていなかった!!」
(ふむ)
「儂如きに、恐れ多くも世界樹に宿る女神様の、その尊いお姿を拝見することができようとは。儂は何と幸福なのでしょうか! あぁ、今も汚れないそのお姿が、瞳の奥に焼き付いて離れませぬ!!」
(へぇ)
「この老骨に沸き上がる激情を表す言葉を持ち合わせておりませぬ! あぁ!! あの麗しき女神様の美しさを後世に伝えなければ! しかし、どうしたらよいのだ、どの様な言葉も尽くしても、伝えることなど叶わぬ!」
(はぁ)
と、止まらない……これは、放っておくと、何時までも話し続けるやつだ。
何よりも、隣にいる世界樹さんのドヤ顔がウザイ。しかも、ちらちらこちらを見て来るのが、更にウザさを引き立ている。
……何を期待しているか知りませんが、俺は何も言いませんよ?
「エルフ爺さん、話長い!」
「むぐ……」
「そうだぜ、エルフにとって世界樹が特別なもんなのは昨晩散々聞いたけどよ、それは後でも問題ないだろう?」
「むむむ……」
リリーさんの一声で、正気に戻るエルフ爺さん。
ここで真っ先に発言するとは、リリーさん図太いと言うよりも、慣れていますね。やっぱり結構重要なポジション?
(……終わりました?)
「すまねぇ、こんな饒舌なエルフ爺さん、初めてでよ。止めるタイミングが掴めなかった、許してくれ」
(こちらは急いでいないので、大丈夫ですよ)
この方は、豚人ですか。見た目はまんま、二足歩行の豚ですね。
体は弛んでいる訳ではなく、引き締まった筋肉の鎧と言った感じ。短毛の為、世界樹さんの食指は動かないご様子。長旅による多少の汚れは見られるが、不潔な感じは見られない。
そのまま、豚人の方が話し続けるのかと思えば、後ろから、子供ほどの大きさの獣人が前に出て来た。これは……鼠かな?
「では改めて、鼠人、ポー族が長、ポー・チェット。獣人を代表し、此度の招待を感謝する、迷宮の主よ」
(これはご丁寧に。大まかな事情は、そちらのリリーさんに聞いております。大変苦労された様ですね)
「どの程度聞き及んでいる…ますか?」
(……無理せずとも、いつも通りの話し方で大丈夫ですよ?)
「いえ、それでは……」
(礼節や建前は大切ですが、俺に対しては不要です。気持ちは受け取っておりますので、どうぞいつも通りの話し方で、お願いします)
「……分かった、感謝する」
さてさて、擦り合わせときましょうかね~。
― クイクイ ―
「ん? どうしました、世界樹さん」
「忘れて無いなの?」
「……あぁ、モフモフ?」
「モフモフなの!!」
袖を引っ張ってきたから、何事かと思えば。いや、世界樹さんからしたら、大事な事なんでしょうけどね?
「もう少し待ってください。脈絡もなく要求するのは、説明とか色々面倒ですから」
「なの~~~……」
「取り敢えず、今はモフモコフワ三点セットで我慢してください」
モコモコさんの背中に乗せ、その上にフワフワさんが乗る。そして、手元にモフモフさんを置いて、モフモコフワ豪華三点セットの完成である。フワフワさんが大きくなった為、できる様になった。
「なの~~~」
「僕達じゃダメなの?」
「違うなの! だけど、新規開拓は大事な事なの!」
……気持ちは分からんでもない。
(まず、何から話せばよい?)
さて、代表として鼠人の長、ポー・チェットさんが、話をするようですね。小さくて可愛いのに、渋くてかっこいいって、何このギャップ。
そうですね~。まずは、何から聞きましょうか。
3人までなら、無理なく同時に処理できますし、少し離れたところに居る他の獣人さんとも、粘液達を通じて、同時並行で話を聞いておきましょうか。
「ご苦労様です、ビャクヤさん」
迷宮の中から、ビャクヤさんの到着を迎える。流石に外で待つわけにもいかないですからね。またクロスさんに泣かれるのは、勘弁です。あれ、結構精神的にキツイんですよ。
「それでビャクヤさんや、皆さん相当疲弊しているように見えるのですが……」
「うん、周りに面倒なのが沢山居たから、巻きで来た!」
あぁ、周りでうろちょろしている奴が居ましたね……だからと言って、限界速度ギリギリを狙って走ることは無いでしょうに。
「これからお話に入ろうと思いますけど、ビャクヤさんは如何します?」
「一緒にいる!」
「了解です」
ビャクヤさんが近くに居れば、変な奴が寄ってきたりはしないでしょう。獣人方は……暫く話せそうにないですから、まずはこっちか。
(こんにちは、森人のお方)
「招待して頂き、感謝致します。ダンジョンマスターよ」
(すいませんね~。危険な目にまで合わせてしまって)
「いやいや、こちらが迎えを断ったのが発端じゃ。寧ろ助けていただき、感謝致しますぞ」
ふむふむ……掴みは悪くなさそうですね。迎えを出したのは、正解だったようです。
プルさん達、粘液を経由しての<念話>も良好。ゴトーさんの時もそうでしたが、真似るのが本当に上手です。
さて……世界樹さんが大人しいのが、逆に怖いのですが。
「世界樹さん、この人が本当の森人な訳ですが……同じですか?」
「……」
じっと画面を見る世界樹さん。あ、これは画面を見ている訳ではなく、感覚の殆ど本体の方に戻していますね、抜け殻ですわ。て、あ。
「……」(ジー)
「ッ、おや、どちら様で…す……」
おう、消えたかと思ったら、直接会いに行きやがりましたか。
情報収集や心情面を理由に、刷り込みのように殺さない様には言っておきましたが、どうなる事やら……洗脳ではないですよ?
「な~~~の」
「……」
……見た瞬間に殺しに行かなかったですし……大丈夫かな?
見られて居るエルフ爺さんの方は……あれ、泣いている?
「せ、世界樹の……女神、様?」
「なの、コイツ違うなの」
それだけ言うと、世界樹さんはエルフ爺さんの元から消え、こっちに戻ってきた。もう眼中に無いらしい。
「違いました?」
「似てるけど……半分くらい? なの」
半分ね~……つまり、ハーフエルフって事でしょうか? つまり、半分人間?
……この世界の人間とつく輩に、碌な奴は居ないのでしょうか。はぁ……。
いや、そうとも限らない。森人に近い種の人がいるかもしれないし、人間以外とのハーフも有り得る。結論を出すには早すぎますね。
長生きしてそうですし、ここは交流も兼ねてエルフ爺さんにでも聞いて……どした?
視線を画面の方に戻すと、エルフ爺さんが蹲って……おぅ、大号泣しているじゃないですか、何があったし。
……………………あ、これダメな奴だ、感情が吹っ切れている。
獣人組も回復したのか、エルフ爺さんの元へ集まりだした。
話しかけても、無駄だと思いますがね~。あれだけ感極まったの、殺意以外で初めて見たかもしれない。
―――
「世界樹様の女神様が見ている御前、大変見苦しい姿をお見せ致しました」
(いえいえ)
「この大陸から世界樹が消えて早1000年! 最早、お目にする事など叶わぬと失意に暮れておりましたが、何たる幸運! 何たる僥倖! 神はまだ、この世界を見捨てていなかった!!」
(ふむ)
「儂如きに、恐れ多くも世界樹に宿る女神様の、その尊いお姿を拝見することができようとは。儂は何と幸福なのでしょうか! あぁ、今も汚れないそのお姿が、瞳の奥に焼き付いて離れませぬ!!」
(へぇ)
「この老骨に沸き上がる激情を表す言葉を持ち合わせておりませぬ! あぁ!! あの麗しき女神様の美しさを後世に伝えなければ! しかし、どうしたらよいのだ、どの様な言葉も尽くしても、伝えることなど叶わぬ!」
(はぁ)
と、止まらない……これは、放っておくと、何時までも話し続けるやつだ。
何よりも、隣にいる世界樹さんのドヤ顔がウザイ。しかも、ちらちらこちらを見て来るのが、更にウザさを引き立ている。
……何を期待しているか知りませんが、俺は何も言いませんよ?
「エルフ爺さん、話長い!」
「むぐ……」
「そうだぜ、エルフにとって世界樹が特別なもんなのは昨晩散々聞いたけどよ、それは後でも問題ないだろう?」
「むむむ……」
リリーさんの一声で、正気に戻るエルフ爺さん。
ここで真っ先に発言するとは、リリーさん図太いと言うよりも、慣れていますね。やっぱり結構重要なポジション?
(……終わりました?)
「すまねぇ、こんな饒舌なエルフ爺さん、初めてでよ。止めるタイミングが掴めなかった、許してくれ」
(こちらは急いでいないので、大丈夫ですよ)
この方は、豚人ですか。見た目はまんま、二足歩行の豚ですね。
体は弛んでいる訳ではなく、引き締まった筋肉の鎧と言った感じ。短毛の為、世界樹さんの食指は動かないご様子。長旅による多少の汚れは見られるが、不潔な感じは見られない。
そのまま、豚人の方が話し続けるのかと思えば、後ろから、子供ほどの大きさの獣人が前に出て来た。これは……鼠かな?
「では改めて、鼠人、ポー族が長、ポー・チェット。獣人を代表し、此度の招待を感謝する、迷宮の主よ」
(これはご丁寧に。大まかな事情は、そちらのリリーさんに聞いております。大変苦労された様ですね)
「どの程度聞き及んでいる…ますか?」
(……無理せずとも、いつも通りの話し方で大丈夫ですよ?)
「いえ、それでは……」
(礼節や建前は大切ですが、俺に対しては不要です。気持ちは受け取っておりますので、どうぞいつも通りの話し方で、お願いします)
「……分かった、感謝する」
さてさて、擦り合わせときましょうかね~。
― クイクイ ―
「ん? どうしました、世界樹さん」
「忘れて無いなの?」
「……あぁ、モフモフ?」
「モフモフなの!!」
袖を引っ張ってきたから、何事かと思えば。いや、世界樹さんからしたら、大事な事なんでしょうけどね?
「もう少し待ってください。脈絡もなく要求するのは、説明とか色々面倒ですから」
「なの~~~……」
「取り敢えず、今はモフモコフワ三点セットで我慢してください」
モコモコさんの背中に乗せ、その上にフワフワさんが乗る。そして、手元にモフモフさんを置いて、モフモコフワ豪華三点セットの完成である。フワフワさんが大きくなった為、できる様になった。
「なの~~~」
「僕達じゃダメなの?」
「違うなの! だけど、新規開拓は大事な事なの!」
……気持ちは分からんでもない。
(まず、何から話せばよい?)
さて、代表として鼠人の長、ポー・チェットさんが、話をするようですね。小さくて可愛いのに、渋くてかっこいいって、何このギャップ。
そうですね~。まずは、何から聞きましょうか。
3人までなら、無理なく同時に処理できますし、少し離れたところに居る他の獣人さんとも、粘液達を通じて、同時並行で話を聞いておきましょうか。
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