105 / 330
100 冒険者ギルド
しおりを挟む
― カリカリカリカリ…… -
「ふぅ……」
今日最後の書類に、今日何度したか分からないサインを記入し筆をおく。
すっかり冷めて仕舞った紅茶を、一気に流しこむ。
主に平民が集う第三区画、その場に似つかわしくない高級感あふれる部屋に、透明度の高い硝子でできた窓から、暖かい初夏の日差しが差し込む……そろそろ夏か。
何年振りかのスタンピードによって、この国は大きな被害を受けた。
幾つもの前線の村が消え、優秀な冒険者が何人も所在不明に陥り、資材の宝庫であった森も無くなった。
今は国の支援によって町は回っているが、何時までも続く訳では無い。資源不足は誰にでも訪れる、共通の問題だ。
国に所属しない冒険者ギルドには、便宜上関係ない事ではあるが、無視できる事でもない。
何よりも、この国の一員として、現状を放置する気はない。大義名分も十分だからな、ギルドマスターとしての立場を、思う存分振るわせてもらおう……そうでも無ければ、ギルマスなんぞやってられるか。
― コンコン ー
俺の仕事が終わったことを見計らったかのように、何者かが戸をノックする。気配が全くしなかったことから、誰が来たかまるわかりだがな。
「入れ」
「失礼します、ギルドマスター」
入ってきたギルド職員の制服を着た女性は、資料の束を、音もなく置く。
「こちらが本日、新たに登録した人員になります」
「またか」
「いつもの事です」
俺の前に居る女性が、淡々と言ってのける。
黒い髪を腰まで伸ばした彼女は、ここ冒険者ギルド、エンバー支部のサブマスター。姿を見無いと思ったら、今日も発破をかけるために、受付に侵入でもしていたのだろう。
現場からしてみたら、いい迷惑だろうよ。上司な上、仕事も完ぺきにこなすから文句も言えん。トップの俺に何も上がってこないから有り難いがねぇ。
「……何か?」
「別に?」
大量の資料に目を通す。仕事が無いのは分かるが、ハンターギルドに入るついでに、冒険者ギルドに登録する奴が後を絶たない。
お陰で、毎日の様に新人が増えていく。目を通すだけでも一苦労だ。
「登録した所で、碌な仕事なんざ無いだろうに……」
「冒険者に登録し、関所をスムーズに通る為では?」
「あぁ、それもあったな。ランクHじゃ、意味ないがな」
最下位であるHランクは、言うなれば観察期間。まともに仕事をするか、能力があるか、人格と実力を把握するための期間になる。そんなランクの奴が、信用に値する訳がない。一般人と何ら変わらない扱いなのだから。
ここエンバー…てか、エスタール帝国のハンターギルドでも、同じ手法を取っている場所が殆どだ。国内を移動するのにすら、使えない。
まぁ、無能は要らないって事で、ランクアップの査定は冒険者ギルドより厳しめだがな。
「ん? こいつは何だ?」
「要注意人物になります」
「ほう、<鑑定>まで使ったのか? ……魔法タイプか、そこそこ強いな」
「そして、こちらが<鑑定LV3>迷宮具での結果に成ります」
レベルの違う<検定>結果を見比べると、その数値が全く同じであることが、見て取れた。本来ならば、この結果はありえないものだ、ならば…
「……<偽装>か?」
「恐らく」
<鑑定LV4>程になると、詳細なステータスを見ることができるが、<鑑定LV3>程度では、ステータスは大体の数字でしか調べられない。
これだけなら、<鑑定LV4>で十分事足りると思われるが、<鑑定LV3>にも使い道はある。今回の様に、相手が<偽装>を使い<鑑定>結果を騙そうとした場合だ。
スキル<偽装>は、相手が受ける印象や感知系スキル、そして<鑑定>の結果を書き換えるスキルだ。<偽装>を掛けた相手に、低レベルの<鑑定>を掛けると、<鑑定>レベル以上に詳細な結果、対象が設定した結果が表示される。
<偽装>を見破ることができる上位スキル<看破>が無くとも、<偽装>しているか知ることができる。ちょっとした裏技だな。
職業:魔法使い(マジシャン)
氏名:ゴトー
分類:現体
種族:草人
LV:12
HP:146 / 146
SP:146 / 146
MP:1289 / 1289
筋力:56
耐久:56
体力:56
俊敏:429
器用:622
思考:625
魔力:653
スキル
<身体強化LV2><魔力操作Lv3><火魔法LV2><水魔法LV2><風魔法LV2><裁縫LV3><料理LV3><細工LV2><運搬LV1>
スキル(自己申請)
・魔法全般、<身体強化>使用可能、
・その他雑用
「名前はゴトー、種族は草人、スキル魔法中心、犯罪歴なし、自己申請では魔法全般が使用可能…か」
「態度も紳士的でした」
「直接対応したのか? ……ん? じゃぁなんで、<鑑定>まで使う程疑ったんだ? お前なら、すぐに見抜けるだろう?」
「……第一印象は、怪しい所は何も無かったのですが、逆に外見、態度、印象、全て理想像すぎました。私一人、同種の草人だけならまだ納得できますが、受付に居た全種族となりますと…」
「あぁ、そりゃ怪しいわな」
亜人、獣人、魔人、この国は人種の坩堝だからな。その種族の違いからくる、趣向の違いに関係なく好感を持たれるなら、魔法等による無差別な精神干渉の類だろうよ。
ま、相手と場所によっては逆効果ってこった。
この国に、いや、冒険者ギルドに潜入するには、余りにもお粗末、素人のやり方だ。だが、そんな奴が高レベルの<偽装>スキル、乃至魔道具を持っているはずがねぇ。たまたま手に入れただけなら、それを売るだけで一財産だ。危険を冒す理由もねぇ。
「……随分、ちぐはぐな奴だな?」
「はい。こちらの情報に疎いのか、他から目を逸らさせるための目晦ましか、ただただ自己顕示欲が強いだけのか。犯罪歴が有るのでしたら、こちらの事を知らないなど、無いでしょうし……」
「<偽装>までして入る目的か……」
今時、冒険者ギルドに喧嘩を売る奴なんて居ねぇからな。冒険者の敵に成るって事は、個人は死を意味し、国規模の場合、魔物の情報が入って来なくなるって事だ。なら狙いは、ギルドそのものではなく……帝国の方か?
……そんなことする理由が、思い付かねぇ。一昔に起きた戦争も、自国に統合して、帝国の一部にしちまったからな。不穏分子なんぞ残すヘマ、この国がするとも思えねぇし……
「分からん!」
「ですね、情報が足りません」
「今は静観か……」
「何か釣れますかね?」
「おぅ、怖い怖い」
取り敢えず、諜報部隊の何人かを付けることにし、様子見となった。こちらの人材や組織力を知らないならば、その内ボロを出すだろうよ。
はーーー……、スタンピードといい、発生源の森といい、先遣隊が連れてきた従魔といい……なんで、面倒ごとは重なるかねぇ。
―――
その頃、冒険者となったゴトーさんは……
「新人か?」(警戒)
「け! また増えやがった」(苛立ち)
「先輩方ですな? 今日より、冒険者となりました、ゴトーと申します。皆様の邪魔にならぬよう、切磋琢磨して行く所存ですゆえ、何卒よろしくお願いします」
「お、おう……」(困惑)
「おぉ~!! 本当に直ってる!」(歓喜)
「新品みたいだ」(驚愕)
「ふふふ、友から教わった技術ですが、お役に立って何よりです」
「俺のも良いか!?」
「もちろん。但し、素人の仕事ですから、後で本職の方に見せて下さい」
「美形の兄ちゃん、なんで冒険者なんてもんになったんだ?」(興味)
「世界を見て回りたかったのです。その為には、冒険者の肩書が最も適していると思った次第です」
「へ~、ま! 兄ちゃん位の実力なら、やって行けるだろうよ、頑張んな!」(好感)
「えぇ、ありがとうございます」
「やーだ、そんな事言っても、何も出ないよ!」(喜び)
「そんな事はありません。本心ですよ」
「やだよぅ、もう!!」(照れ)
「「「……」」」(嫉妬)
……人の世界を、大いに満喫していた。
「ふぅ……」
今日最後の書類に、今日何度したか分からないサインを記入し筆をおく。
すっかり冷めて仕舞った紅茶を、一気に流しこむ。
主に平民が集う第三区画、その場に似つかわしくない高級感あふれる部屋に、透明度の高い硝子でできた窓から、暖かい初夏の日差しが差し込む……そろそろ夏か。
何年振りかのスタンピードによって、この国は大きな被害を受けた。
幾つもの前線の村が消え、優秀な冒険者が何人も所在不明に陥り、資材の宝庫であった森も無くなった。
今は国の支援によって町は回っているが、何時までも続く訳では無い。資源不足は誰にでも訪れる、共通の問題だ。
国に所属しない冒険者ギルドには、便宜上関係ない事ではあるが、無視できる事でもない。
何よりも、この国の一員として、現状を放置する気はない。大義名分も十分だからな、ギルドマスターとしての立場を、思う存分振るわせてもらおう……そうでも無ければ、ギルマスなんぞやってられるか。
― コンコン ー
俺の仕事が終わったことを見計らったかのように、何者かが戸をノックする。気配が全くしなかったことから、誰が来たかまるわかりだがな。
「入れ」
「失礼します、ギルドマスター」
入ってきたギルド職員の制服を着た女性は、資料の束を、音もなく置く。
「こちらが本日、新たに登録した人員になります」
「またか」
「いつもの事です」
俺の前に居る女性が、淡々と言ってのける。
黒い髪を腰まで伸ばした彼女は、ここ冒険者ギルド、エンバー支部のサブマスター。姿を見無いと思ったら、今日も発破をかけるために、受付に侵入でもしていたのだろう。
現場からしてみたら、いい迷惑だろうよ。上司な上、仕事も完ぺきにこなすから文句も言えん。トップの俺に何も上がってこないから有り難いがねぇ。
「……何か?」
「別に?」
大量の資料に目を通す。仕事が無いのは分かるが、ハンターギルドに入るついでに、冒険者ギルドに登録する奴が後を絶たない。
お陰で、毎日の様に新人が増えていく。目を通すだけでも一苦労だ。
「登録した所で、碌な仕事なんざ無いだろうに……」
「冒険者に登録し、関所をスムーズに通る為では?」
「あぁ、それもあったな。ランクHじゃ、意味ないがな」
最下位であるHランクは、言うなれば観察期間。まともに仕事をするか、能力があるか、人格と実力を把握するための期間になる。そんなランクの奴が、信用に値する訳がない。一般人と何ら変わらない扱いなのだから。
ここエンバー…てか、エスタール帝国のハンターギルドでも、同じ手法を取っている場所が殆どだ。国内を移動するのにすら、使えない。
まぁ、無能は要らないって事で、ランクアップの査定は冒険者ギルドより厳しめだがな。
「ん? こいつは何だ?」
「要注意人物になります」
「ほう、<鑑定>まで使ったのか? ……魔法タイプか、そこそこ強いな」
「そして、こちらが<鑑定LV3>迷宮具での結果に成ります」
レベルの違う<検定>結果を見比べると、その数値が全く同じであることが、見て取れた。本来ならば、この結果はありえないものだ、ならば…
「……<偽装>か?」
「恐らく」
<鑑定LV4>程になると、詳細なステータスを見ることができるが、<鑑定LV3>程度では、ステータスは大体の数字でしか調べられない。
これだけなら、<鑑定LV4>で十分事足りると思われるが、<鑑定LV3>にも使い道はある。今回の様に、相手が<偽装>を使い<鑑定>結果を騙そうとした場合だ。
スキル<偽装>は、相手が受ける印象や感知系スキル、そして<鑑定>の結果を書き換えるスキルだ。<偽装>を掛けた相手に、低レベルの<鑑定>を掛けると、<鑑定>レベル以上に詳細な結果、対象が設定した結果が表示される。
<偽装>を見破ることができる上位スキル<看破>が無くとも、<偽装>しているか知ることができる。ちょっとした裏技だな。
職業:魔法使い(マジシャン)
氏名:ゴトー
分類:現体
種族:草人
LV:12
HP:146 / 146
SP:146 / 146
MP:1289 / 1289
筋力:56
耐久:56
体力:56
俊敏:429
器用:622
思考:625
魔力:653
スキル
<身体強化LV2><魔力操作Lv3><火魔法LV2><水魔法LV2><風魔法LV2><裁縫LV3><料理LV3><細工LV2><運搬LV1>
スキル(自己申請)
・魔法全般、<身体強化>使用可能、
・その他雑用
「名前はゴトー、種族は草人、スキル魔法中心、犯罪歴なし、自己申請では魔法全般が使用可能…か」
「態度も紳士的でした」
「直接対応したのか? ……ん? じゃぁなんで、<鑑定>まで使う程疑ったんだ? お前なら、すぐに見抜けるだろう?」
「……第一印象は、怪しい所は何も無かったのですが、逆に外見、態度、印象、全て理想像すぎました。私一人、同種の草人だけならまだ納得できますが、受付に居た全種族となりますと…」
「あぁ、そりゃ怪しいわな」
亜人、獣人、魔人、この国は人種の坩堝だからな。その種族の違いからくる、趣向の違いに関係なく好感を持たれるなら、魔法等による無差別な精神干渉の類だろうよ。
ま、相手と場所によっては逆効果ってこった。
この国に、いや、冒険者ギルドに潜入するには、余りにもお粗末、素人のやり方だ。だが、そんな奴が高レベルの<偽装>スキル、乃至魔道具を持っているはずがねぇ。たまたま手に入れただけなら、それを売るだけで一財産だ。危険を冒す理由もねぇ。
「……随分、ちぐはぐな奴だな?」
「はい。こちらの情報に疎いのか、他から目を逸らさせるための目晦ましか、ただただ自己顕示欲が強いだけのか。犯罪歴が有るのでしたら、こちらの事を知らないなど、無いでしょうし……」
「<偽装>までして入る目的か……」
今時、冒険者ギルドに喧嘩を売る奴なんて居ねぇからな。冒険者の敵に成るって事は、個人は死を意味し、国規模の場合、魔物の情報が入って来なくなるって事だ。なら狙いは、ギルドそのものではなく……帝国の方か?
……そんなことする理由が、思い付かねぇ。一昔に起きた戦争も、自国に統合して、帝国の一部にしちまったからな。不穏分子なんぞ残すヘマ、この国がするとも思えねぇし……
「分からん!」
「ですね、情報が足りません」
「今は静観か……」
「何か釣れますかね?」
「おぅ、怖い怖い」
取り敢えず、諜報部隊の何人かを付けることにし、様子見となった。こちらの人材や組織力を知らないならば、その内ボロを出すだろうよ。
はーーー……、スタンピードといい、発生源の森といい、先遣隊が連れてきた従魔といい……なんで、面倒ごとは重なるかねぇ。
―――
その頃、冒険者となったゴトーさんは……
「新人か?」(警戒)
「け! また増えやがった」(苛立ち)
「先輩方ですな? 今日より、冒険者となりました、ゴトーと申します。皆様の邪魔にならぬよう、切磋琢磨して行く所存ですゆえ、何卒よろしくお願いします」
「お、おう……」(困惑)
「おぉ~!! 本当に直ってる!」(歓喜)
「新品みたいだ」(驚愕)
「ふふふ、友から教わった技術ですが、お役に立って何よりです」
「俺のも良いか!?」
「もちろん。但し、素人の仕事ですから、後で本職の方に見せて下さい」
「美形の兄ちゃん、なんで冒険者なんてもんになったんだ?」(興味)
「世界を見て回りたかったのです。その為には、冒険者の肩書が最も適していると思った次第です」
「へ~、ま! 兄ちゃん位の実力なら、やって行けるだろうよ、頑張んな!」(好感)
「えぇ、ありがとうございます」
「やーだ、そんな事言っても、何も出ないよ!」(喜び)
「そんな事はありません。本心ですよ」
「やだよぅ、もう!!」(照れ)
「「「……」」」(嫉妬)
……人の世界を、大いに満喫していた。
21
お気に入りに追加
5,444
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる