104 / 330
99 潜入任務
しおりを挟む「う~~~ん、こんなもんなのかな?」
プルさん経由で、街の情報を流してもらっていますが、想定していたレベルを超える気配は、今のところない。
イメージとしては、小綺麗な中世? 限られた敷地を最大限利用する為に、建物の上に建物が建ち、縦横無尽にアーチ状の石橋で、道が作られている……らしい。地震とかが無いのかな? それとも、起きても倒壊しない様な建築だったり、魔法が関係していたりするのだろうか? 要観察ですね。
魔道具の普及は、そこそこ? 一般家庭にはそれ程ないが、店や施設には専用の魔道具が設置されているみたいですね。
飲食店には、調理の為の加熱用魔道具、公共施設には冷房の魔道具などなど、ちょっとした高級品と言った感じですかね?
水回りは、下水へ繋がる公共の排水溝が設置され、結構衛生的の様だ。……粘液達の侵入経路にできそうですね、警戒されてないかな? 要検討。
食事についても、生野菜のサラダとか、生肉をその場で焼いて提供していたりと、結構充実しているご様子。魔道具による保存と運搬の為のインフラが、中々整っているようですね。通信関係は、まだ全然分かっていないですけど、それを抜きにしても、見た目よりかなり生活レベルは高い様ですね。
ただちょっと、昼間からたむろしている人が多いのが、気になりますね~。その他大勢より強い奴が中心みたいですし、荒事専門の人……冒険者みたいな人たちですかね? 森とか全部なくなって、仕事が無いのかもしれない。新しい資源として、こちらに来る可能性は大いにあるでしょう、要警戒っと。
他にも、侵入したい施設の目星は付いているんですけど、元々が隠密の得意な子達でないので、難航している。得意なのが、闇影粘液さんだけですからね~。
……潜入部隊でも編制しましょうか? 誰か指揮を執れる子で、興味がある子居ないかな?
「マイロード、人の営みは如何なものですか?」
「ん? 気になりますか?」
「えぇ、勿論! 怒り、悲しみ、恐怖に欲。生き物が抱く感情こそ、私めが求めるものでございますゆえ。メルルルルル」
「う~ん、まさに悪魔」
人の体に山羊の頭が付いた、悪魔族の魔物、名前はゴトーさん。今は、蜘蛛達が作った執事服もどきを身に纏っている。
名称:淫魔
氏名:ゴトー
分類:半虚現体
種族:悪魔族
LV: 12 / 25
HP: 150 / 150
SP: 139 / 150
MP:1537 / 2500
筋力:56
耐久:56
体力:56
俊敏:400
器用:1200
思考:2000
魔力:1200
スキル
・肉体:<神出鬼没LV2><状態異常吸収LV1><属性吸収LV1><魔眼(誘惑)LV1>
・技術:<魔力支配LV3><高速思考LV4><平行思考LV4><分離思考LV4><翻訳LV2><読心LV3><偽装LV5>
・技能:<威圧LV4><誘導LV4><精神魔法LV5><幻覚魔法LV5><念話LV4><鑑定LV4><集中LV3><瞑想LV3>
称 号:<誘惑するモノ><幹部(ボス)>
うん、淫魔なんですよ、この子。
この子はスキルが無くても、相手が好む姿に変われる能力を持っている。その為、今の姿は本当の姿ではない。
あ、ちなみに、彼の種族にとって、人が呼吸するのと同じ様な機能になる為、スキルとして表示されてなかったりする。
それと今の姿は、誰かの好みというわけでは無く、これが一番落ち着くんだとか。
順当に進化していったら、同じような姿の魔物が居ますし、そっち方面に引っ張られているのでしょうかね? 能力的にも性格的にも相性が良い種類ですしね。
「行きたいなら止めませんよ? 聞いた感じですと、監視の魔道具の様なものも見つかっていませんし、ゴトーさんならバレないかと」
「本当ですかな!? でしたら私め、現地に赴きたいと思いますが、よろしいですか!?」
「良いですよ~、ここに居ても暇でしょうしね。粘液さん経由で良いので、可能なら情報の提供もお願いします」
「御意! メルルルルル~」
「後続を送るかもしれないので、その時はよろしくお願いします」
心底嬉しそうに、ゴトーさんは周囲に溶ける様に消えていった。
早速、侵入チームの指揮官が決まって仕舞った。後は、実行部隊ですね、募集でも掛けてみますか。
―――
― カラン コロン -
「いらっしゃいませ、ようこそ冒険者ギル…ド…へ」
「ギルドへの登録をしたいのですが、宜しいですかな?」(ニッコリ)
「………………ハ! は、はい! 少々お待ちくだしゃい!!」
受付の女性は、慌てて棚から資料を取り出している。メルル、マイロードが仰っていた通り、人は面白いですな!
主様の話では、人の顔の平均値を取ると、親しみを覚える美形顔になると聞いておりましたので、道中の人から理想像を搔き集め、その姿を模してみたのですが、効果覿面ですな!
思い返せば、一般人ではなく、理想像の平均……メルルルルル、加減を間違えましたかな?
これは、女性版の理想像も作って置いて、損は無さそうですな! ……主様に仕掛けたら、どんな反応をするのでしょう? 興味がありますな。あぁ、しかし、その様な無礼が許され……そうですな。今度試してみましょう、メルルルルル
「こ、此方ににゃりあす!」
「どうも」
「ひゃい!!」
ふむ、名前と種族、得意分野や魔法、職業…と、随分シンプルですな? 適当に、問題視されない程度かつ、ごまかしが効きやすいモノにして置きましょうかな。
「こちらでよろしいですかな?」
「拝見致します……ゴトー様ですね? 問題ありません、登録いたしますので、少々お待ち下さい」
「おや、随分簡単でございますね?」
私めが項目を埋めている間に、秘かに受付嬢が交代していた、なかなか洗礼された動きでしたな。手練れと見ました。
彼女の感情の揺らめきは、見ていて飽きなかったのですがねぇ、仕方がありません……こちらの方が美味しそうですしね!
「何だかんだと言いましても、冒険者は荒事屋ですので、シンプルに分かりやすく、を目指しております」
「……なるほど、判断はそちらが為さると言う事ですな」
「」
一般人ではまず気が付かない程の、感情の揺らぎ。
メルルルルル、良いですな~。その押し殺した動揺! 不信! 興味! 警戒! ……警戒されるのは不味かったですかな?
マイロード以外の初の人に、感情の坩堝。私め、少々興奮して仕舞っていたようです! 一度冷静になりましょう。
「……勿論です。ギルドの一員に成るのですから、それに見合った実力と、人格が求められます」
「おやおや、怖いですな。ご迷惑を掛けないよう、気を付けましょう」
「ギルドカードができるまでに……ご自身の能力に興味が御座いませんか?」
「能力ですかな?」
「えぇ、此方には迷宮から出土した、<鑑定>の魔道具が御座います。希望される方に対して、ご提供しております」
「ほうほう、それは凄い! どの程度まで分かるモノなのですかな?」
「<鑑定LV4>程度のモノに成ります」
…………嘘は言っておりませんな。私めの本性がバレるのは不味いですが、私には<偽装LV5>があります。LV5以下のスキルに対して、情報の偽装が可能。ここは偽装した能力を開示し、警戒心を解きましょうか。
ふむ、今後の活動を考えて、どの程度のスキルとステータスに致しましょうかな?
21
お気に入りに追加
5,444
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる