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27 治水は大事!
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ドドドドドドドドド―――
(さーん、にー、いーち、いま~!)
掛け声と同時に毒が到達した。
「・・・・・・よし、いけたな!」
地上への穴から流れてきた毒を、水を吸って大きくなった子が受け止め、隙間を普通の子が埋める。そして、他の子がその後ろから踏ん張り支える。アーチ状に隊列を組んだことで、正面から受け止めることなく、毒を隣にある地下への穴へ誘導することに成功した。
しかし、死毒は結構粘性が高いイメージがあったが、流れてきたものはかなり水っぽかった。これは、世界樹を原料にした高品質なものと、そのほかの物を原料にした低品質なものとの違いかな? 水と一緒に流れてきたから速いからかと思っていたが、こりゃあ8割方毒だな。
しかし、予想以上の衝撃だったが、よく耐えられたな。
(う~んとね、じめんと~、からだのあいだに~、すきまをつくって、きゅっ! と、すうと~、ひっつくの!)
つまりは吸盤みたいにしてくっ付いていたのか。え? 君達って、そうやって壁とかに引っ付いて移動していたの? そうなんだ、知らなかったよ。
~迷宮化が完了しました~
よし、間に合った。
毒の方は順調に下に作った縦穴へ向かっている。
地下から溢れてきた毒も、順調に水位が上がってきている。このままいけば、これもかつての通路だった横穴部分まで上がっていくだろう。
「よし! 手の空いている粘液達は出来た縦穴に集合だ!」
(すくらんぶる~)
続々と粘液達が集まって行く。うむ、根の周りの子たちは残っているな、関心、関心。元々地面以外は変わらないらしいし、今のところ問題は無い。
・・・不安要素が尽きないけどね。何時まで続くのかとか、せり上がる速度が上がらないかとか、地盤が緩んでないかとか、考えたら限がない。
今の状態じゃ、起きたことに対して順次対応していくしかないか。領域画面の表示に毒しか出ないからね!
~領域拡張が終了いたしました~
「保留!」
そうこうしている内に、毒が縦穴に到達した。ドバドバと、音が鳴っているかのように溜まっていく。
画面だけで音は聞こえないけどね! は~、早く映像付きで確認できるようになりたいです。
「粘液達、次の仕事だ! そこに溜まった毒を処理してくれ!」
(ご~、ご~、ご~~~♪)
わらわらと、縦穴に粘液達が飛び込んで行った。水面に浮きながら毒を処理し始める。
「ふ~、一段落」
(主様! この後はどの様に致しますか?)
「しばらく様子見だね、毒の処理が追いつくならこのままで、そうじゃないなら穴を塞ぐ方向で行こうか。何かありますか?」
(承知いたしました、こちらは問題ありません。他の場もいつもと変わりません)
「分かった、ところでクロスさん、一つお願いが」
(なんで御座いましょうか?)
「これから何かあったら、寝ていてもいいから報告してください。特に今は不安定な時期ですから」
(も、申し訳ありません! 以後! 必ず!!)
「ほ、報連相は大事だけど、そこまで気負わなくていいですからね? 程々にね?」
う~ん、頼りになるいい子なんだけど、ちょっと忠誠心過剰な気がするね。俺に対して融通が利かない感じだ。これはいつか致命的な失敗とかしそう。けど、そのことを俺が指摘なんてできない、最悪、要らない子扱いと勘違いされかねない。
・・・ちょうどいい子が居たな。あの子に丸投げしよう。
「処理速度は間に合っている?」
(だいじょうぶ~、たべやすいから~、もっとほしいって~)
あ、そっか。<吸収>で吸いださなくていいから速いのか。
(こちらの報告でも、毒の処理は問題なさそうです。しかし、水の方は如何致しますか? そちらも、粘液の方々に任せますか?)
「あ、その点は大丈夫なはずだ。コアさん、ダンジョン内の【水】を【倉庫】に吸収してください・・・、【水】だけだよ?」
~ダンジョンLVが不足しています。現在、選別しての吸収は不可能です。吸収範囲を指定してください~
「だよね~、ならこの縦穴の床に触れている物質を吸収して。そうだな・・・水面の~mまで吸収とかって出来る?」
~可能です~
「それは楽だね。う~ん・・・、見た感じ落下した毒は、3m沈むくらいかな? なら、毒の層もあるし余裕をもって、水の層が5m以上になったらその分吸収して」
~承知いたしました~
「クロスさんは、既存の作業を続行して。あ! 横穴を掘って避難している子がいるから、その子達も回収してあげて」
(ハ! お任せください!)
「後は皆、何か変わったことがあったら報告してください」
焦りはしたけど、何とかなった・・・は~~~疲れた。寝起きでこれはキツイ、様子を見ながら少し休もう。
今問題なのはDPがなくなったことだ。少し奮発しすぎたか? いや、あの状況では考えている余裕は無かった、こういう時のための節約だったのだから仕方がない。
・・・逆に言うと、もう余裕が無いんだよな~。次、不測の事態が起こったらDPを使っての対処はできないぞ?
今のうちに、出来だけ予防策を講じよう。これも現場のクロスさんと相談かな?
(さーん、にー、いーち、いま~!)
掛け声と同時に毒が到達した。
「・・・・・・よし、いけたな!」
地上への穴から流れてきた毒を、水を吸って大きくなった子が受け止め、隙間を普通の子が埋める。そして、他の子がその後ろから踏ん張り支える。アーチ状に隊列を組んだことで、正面から受け止めることなく、毒を隣にある地下への穴へ誘導することに成功した。
しかし、死毒は結構粘性が高いイメージがあったが、流れてきたものはかなり水っぽかった。これは、世界樹を原料にした高品質なものと、そのほかの物を原料にした低品質なものとの違いかな? 水と一緒に流れてきたから速いからかと思っていたが、こりゃあ8割方毒だな。
しかし、予想以上の衝撃だったが、よく耐えられたな。
(う~んとね、じめんと~、からだのあいだに~、すきまをつくって、きゅっ! と、すうと~、ひっつくの!)
つまりは吸盤みたいにしてくっ付いていたのか。え? 君達って、そうやって壁とかに引っ付いて移動していたの? そうなんだ、知らなかったよ。
~迷宮化が完了しました~
よし、間に合った。
毒の方は順調に下に作った縦穴へ向かっている。
地下から溢れてきた毒も、順調に水位が上がってきている。このままいけば、これもかつての通路だった横穴部分まで上がっていくだろう。
「よし! 手の空いている粘液達は出来た縦穴に集合だ!」
(すくらんぶる~)
続々と粘液達が集まって行く。うむ、根の周りの子たちは残っているな、関心、関心。元々地面以外は変わらないらしいし、今のところ問題は無い。
・・・不安要素が尽きないけどね。何時まで続くのかとか、せり上がる速度が上がらないかとか、地盤が緩んでないかとか、考えたら限がない。
今の状態じゃ、起きたことに対して順次対応していくしかないか。領域画面の表示に毒しか出ないからね!
~領域拡張が終了いたしました~
「保留!」
そうこうしている内に、毒が縦穴に到達した。ドバドバと、音が鳴っているかのように溜まっていく。
画面だけで音は聞こえないけどね! は~、早く映像付きで確認できるようになりたいです。
「粘液達、次の仕事だ! そこに溜まった毒を処理してくれ!」
(ご~、ご~、ご~~~♪)
わらわらと、縦穴に粘液達が飛び込んで行った。水面に浮きながら毒を処理し始める。
「ふ~、一段落」
(主様! この後はどの様に致しますか?)
「しばらく様子見だね、毒の処理が追いつくならこのままで、そうじゃないなら穴を塞ぐ方向で行こうか。何かありますか?」
(承知いたしました、こちらは問題ありません。他の場もいつもと変わりません)
「分かった、ところでクロスさん、一つお願いが」
(なんで御座いましょうか?)
「これから何かあったら、寝ていてもいいから報告してください。特に今は不安定な時期ですから」
(も、申し訳ありません! 以後! 必ず!!)
「ほ、報連相は大事だけど、そこまで気負わなくていいですからね? 程々にね?」
う~ん、頼りになるいい子なんだけど、ちょっと忠誠心過剰な気がするね。俺に対して融通が利かない感じだ。これはいつか致命的な失敗とかしそう。けど、そのことを俺が指摘なんてできない、最悪、要らない子扱いと勘違いされかねない。
・・・ちょうどいい子が居たな。あの子に丸投げしよう。
「処理速度は間に合っている?」
(だいじょうぶ~、たべやすいから~、もっとほしいって~)
あ、そっか。<吸収>で吸いださなくていいから速いのか。
(こちらの報告でも、毒の処理は問題なさそうです。しかし、水の方は如何致しますか? そちらも、粘液の方々に任せますか?)
「あ、その点は大丈夫なはずだ。コアさん、ダンジョン内の【水】を【倉庫】に吸収してください・・・、【水】だけだよ?」
~ダンジョンLVが不足しています。現在、選別しての吸収は不可能です。吸収範囲を指定してください~
「だよね~、ならこの縦穴の床に触れている物質を吸収して。そうだな・・・水面の~mまで吸収とかって出来る?」
~可能です~
「それは楽だね。う~ん・・・、見た感じ落下した毒は、3m沈むくらいかな? なら、毒の層もあるし余裕をもって、水の層が5m以上になったらその分吸収して」
~承知いたしました~
「クロスさんは、既存の作業を続行して。あ! 横穴を掘って避難している子がいるから、その子達も回収してあげて」
(ハ! お任せください!)
「後は皆、何か変わったことがあったら報告してください」
焦りはしたけど、何とかなった・・・は~~~疲れた。寝起きでこれはキツイ、様子を見ながら少し休もう。
今問題なのはDPがなくなったことだ。少し奮発しすぎたか? いや、あの状況では考えている余裕は無かった、こういう時のための節約だったのだから仕方がない。
・・・逆に言うと、もう余裕が無いんだよな~。次、不測の事態が起こったらDPを使っての対処はできないぞ?
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