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26 洪水発生!?
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~ピピピ・ピピピ・ピピピ~
「ん? ん~~~~~~!!」
おはようございます、4日目の朝です。草原のベッドは中々の寝心地でした。
朝ごはんに帯魔草もしゃもしゃ。
(主様、お目覚めでしょうか!?)
「ボフ!! ゲホゲホ! ク、クロスさんですか。どうした?」
(お目覚めの所申し訳ありません。報告いたしたいことが御座います!)
「何かありました?」
(毒が溢れ出してきたのです)
「はい?」
クロスの説明を聞きながら、領域画面で地上部を確認する。
【死毒】
・・・うん、死毒しか出ない。皆も、草も、土すらも表示されない。死毒オンリーである。てか、穴が完全に水没していた。
この結果の表示には覚えがあるぞ。最初に鑑定した時、死毒の中に世界樹の樹液が混じっていても、結果に表示されなかったのと同じ状況か?
つまり、死毒で溢れかえっているってことだ。うわ~・・・。
皆は・・・あ、横道を掘ってそこに避難しているみたいだ。良かった。今現在も拡張中のようだ。
地上への穴は粘液達が塞いでいるのか? ミッチミチである。お陰でこっちまで水や毒が流れてきていない。
地下の方は幾つかの階層が毒で満たされていた。クロスの説明もあって間違いではないだろう。
「状況は分かった。どうしてこうなったか分かります?」
(原因は我にも分かりません。ですが、はじめは地面から染み出して来たようです)
「地面から? 壁や天井からはどう?」
(皆からの報告では、それほど変わりないそうです)
「そうか、今更だけど危険性はありますか?」
(現状、緊急の危険性はありません。ですが、作業が滞っています。)
「むう、それなら何度も起こると困るな」
しかし、下からか・・・。毒が自動でせり上がることは無いだろ、何が原因だ?
今までとの違いは何だ ?土を掘り返して、植物を植えて、雨が降って・・・ん? 雨、水、浮く?
まさか、地下水の水位が上がって毒が上に押し上げられたのか? この付近の土地は、毒の原料にされて木の根もないし、土も砂みたいになっているからな、液体を保持とかできないだろうし、水はドンドン流れ入ってくるだろう。だとしたらこれは一時的なものか・・・クロスさんにも聞いてみるか。
「クロ――」
(ぱぱ~! ぱぱ~!!)
「お? どうした? 何かあったか?」
(おみず、もういっぱい~)
「え?」
(もれちゃう~!!)
言うが早いか、穴からザーと結構な量の水音がして来た。え? ちょ! まさか!?
領域内を確認する。地上への穴から、水が流れ込んできているのが分かる。って!!
【水】【死毒】
死毒が混じってる!? ヤバイヤバイヤバイ!! どうする!? あぁ~~もう、考えている余裕なんてないぞ!
皆は? よし、穴の奥に避難して影響ないな!
皆に相談したいところだが、そんな余裕なんてないな、畜生!
この状況・・・これなら以前計画して没にした方法の一つを流用できるか!?
(主様? どう――)
「クロス! 指定した地点の者達を緊急避難、粘液達も運んでやってくれ!」
(!? 御意!)
「近くの粘液達は集まって!」
(みんな~、しゅうご~う!)
「コアさん! 【迷宮】で指定ポイントを迷宮化、半径5m、縦20mの円柱状に! 壁は一番安いやつで、自動修復なし!」
~通路500DP、部屋4,500DPを使用します~
「やって!」
これこそが、俺が【迷宮】を使い渋っていた理由の一つ。コストが高い! そのせいで、今までこの方法は没になっていたのだ。
大きな空間を作るほどコストが高くなるため、今回の様な大規模な迷宮化は特に余計コストが掛かった。
今回は、すでに無毒化が済んだ箇所を迷宮化させる。幾つか、蟻達が作った施設が潰れるが仕方がない。吸収してしまう食料関係は後で【倉庫】から出せば問題ない。
ここで何故、わざわざ処理したところに迷宮を設置したか、これにも理由がある。初日に確認したことだが、迷宮化を行うと、作られた空間に元からあったものは【倉庫】に送られ、出来た空間の周りを迷宮の壁としてしまう。
そうすると、【倉庫】に入ったものや、壁になった部分の中身によって特性が追加、変更されてしまうのだ。これは本来、新たな特性を得て耐性を持ったり、周りの環境に適応して効率よく迷宮運営するためのものだが、今回の場合はそうも行かなかった。
理由? 死毒をまき散らす世界樹とか、世界樹が助かっても、その内世界が死にますよ?
しかも、迷宮化した壁などは、最善な状態を保とうとする効果がある。修復にも素材の変更にもDPが掛かる。
ここで、最善な状態というのが曲者だ。毒まみれの土等を壁にするとどうなるか。そう、毒を帯びている状態が普通になるのだ、毒が漏れ出してもDPを消費して毒を作り元に戻る。浄化なんて不可能だ、その前にDPが尽きる!
そんなこんなで、無毒化しないとまともに迷宮化なんてできなかった。だが、今はみんなが処理してくれた空間がある。今回はそれを利用させてもらった。巣の形をそのまま使えたら良かったのだが、迷宮の壁にすることにもコストが掛かるので、ぶち抜くことにした。時間もないしね。
設置位置は毒の水面ギリギリ、毒を取り込むわけにはいかない。
(ぱぱー、みんなあつまったよ~?)
集まってきた粘液の数を確認する。・・・十分!
「よし! 君たちは穴の前で待機! 壁になって上から来る毒を下への穴に誘導してくれ」
(ふぁらんくす~!)
君、何時そんなこと覚えたの?
(主様! 避難終了いたしました!)
「よし! もう少ししたらそちらに毒が流れ込む。直通で流れていく場所に作ったが、横道に溢れるかもしれない。粘液と協力して抑えてくれ。特に、糸で補強した部分は死毒の材料になる可能性がある! 気を付けてくれ」
(ハ! お任せ下さい!)
そうこうしているうちに、穴から水が迫ってくる音が響いてきた。来たか!
「ん? ん~~~~~~!!」
おはようございます、4日目の朝です。草原のベッドは中々の寝心地でした。
朝ごはんに帯魔草もしゃもしゃ。
(主様、お目覚めでしょうか!?)
「ボフ!! ゲホゲホ! ク、クロスさんですか。どうした?」
(お目覚めの所申し訳ありません。報告いたしたいことが御座います!)
「何かありました?」
(毒が溢れ出してきたのです)
「はい?」
クロスの説明を聞きながら、領域画面で地上部を確認する。
【死毒】
・・・うん、死毒しか出ない。皆も、草も、土すらも表示されない。死毒オンリーである。てか、穴が完全に水没していた。
この結果の表示には覚えがあるぞ。最初に鑑定した時、死毒の中に世界樹の樹液が混じっていても、結果に表示されなかったのと同じ状況か?
つまり、死毒で溢れかえっているってことだ。うわ~・・・。
皆は・・・あ、横道を掘ってそこに避難しているみたいだ。良かった。今現在も拡張中のようだ。
地上への穴は粘液達が塞いでいるのか? ミッチミチである。お陰でこっちまで水や毒が流れてきていない。
地下の方は幾つかの階層が毒で満たされていた。クロスの説明もあって間違いではないだろう。
「状況は分かった。どうしてこうなったか分かります?」
(原因は我にも分かりません。ですが、はじめは地面から染み出して来たようです)
「地面から? 壁や天井からはどう?」
(皆からの報告では、それほど変わりないそうです)
「そうか、今更だけど危険性はありますか?」
(現状、緊急の危険性はありません。ですが、作業が滞っています。)
「むう、それなら何度も起こると困るな」
しかし、下からか・・・。毒が自動でせり上がることは無いだろ、何が原因だ?
今までとの違いは何だ ?土を掘り返して、植物を植えて、雨が降って・・・ん? 雨、水、浮く?
まさか、地下水の水位が上がって毒が上に押し上げられたのか? この付近の土地は、毒の原料にされて木の根もないし、土も砂みたいになっているからな、液体を保持とかできないだろうし、水はドンドン流れ入ってくるだろう。だとしたらこれは一時的なものか・・・クロスさんにも聞いてみるか。
「クロ――」
(ぱぱ~! ぱぱ~!!)
「お? どうした? 何かあったか?」
(おみず、もういっぱい~)
「え?」
(もれちゃう~!!)
言うが早いか、穴からザーと結構な量の水音がして来た。え? ちょ! まさか!?
領域内を確認する。地上への穴から、水が流れ込んできているのが分かる。って!!
【水】【死毒】
死毒が混じってる!? ヤバイヤバイヤバイ!! どうする!? あぁ~~もう、考えている余裕なんてないぞ!
皆は? よし、穴の奥に避難して影響ないな!
皆に相談したいところだが、そんな余裕なんてないな、畜生!
この状況・・・これなら以前計画して没にした方法の一つを流用できるか!?
(主様? どう――)
「クロス! 指定した地点の者達を緊急避難、粘液達も運んでやってくれ!」
(!? 御意!)
「近くの粘液達は集まって!」
(みんな~、しゅうご~う!)
「コアさん! 【迷宮】で指定ポイントを迷宮化、半径5m、縦20mの円柱状に! 壁は一番安いやつで、自動修復なし!」
~通路500DP、部屋4,500DPを使用します~
「やって!」
これこそが、俺が【迷宮】を使い渋っていた理由の一つ。コストが高い! そのせいで、今までこの方法は没になっていたのだ。
大きな空間を作るほどコストが高くなるため、今回の様な大規模な迷宮化は特に余計コストが掛かった。
今回は、すでに無毒化が済んだ箇所を迷宮化させる。幾つか、蟻達が作った施設が潰れるが仕方がない。吸収してしまう食料関係は後で【倉庫】から出せば問題ない。
ここで何故、わざわざ処理したところに迷宮を設置したか、これにも理由がある。初日に確認したことだが、迷宮化を行うと、作られた空間に元からあったものは【倉庫】に送られ、出来た空間の周りを迷宮の壁としてしまう。
そうすると、【倉庫】に入ったものや、壁になった部分の中身によって特性が追加、変更されてしまうのだ。これは本来、新たな特性を得て耐性を持ったり、周りの環境に適応して効率よく迷宮運営するためのものだが、今回の場合はそうも行かなかった。
理由? 死毒をまき散らす世界樹とか、世界樹が助かっても、その内世界が死にますよ?
しかも、迷宮化した壁などは、最善な状態を保とうとする効果がある。修復にも素材の変更にもDPが掛かる。
ここで、最善な状態というのが曲者だ。毒まみれの土等を壁にするとどうなるか。そう、毒を帯びている状態が普通になるのだ、毒が漏れ出してもDPを消費して毒を作り元に戻る。浄化なんて不可能だ、その前にDPが尽きる!
そんなこんなで、無毒化しないとまともに迷宮化なんてできなかった。だが、今はみんなが処理してくれた空間がある。今回はそれを利用させてもらった。巣の形をそのまま使えたら良かったのだが、迷宮の壁にすることにもコストが掛かるので、ぶち抜くことにした。時間もないしね。
設置位置は毒の水面ギリギリ、毒を取り込むわけにはいかない。
(ぱぱー、みんなあつまったよ~?)
集まってきた粘液の数を確認する。・・・十分!
「よし! 君たちは穴の前で待機! 壁になって上から来る毒を下への穴に誘導してくれ」
(ふぁらんくす~!)
君、何時そんなこと覚えたの?
(主様! 避難終了いたしました!)
「よし! もう少ししたらそちらに毒が流れ込む。直通で流れていく場所に作ったが、横道に溢れるかもしれない。粘液と協力して抑えてくれ。特に、糸で補強した部分は死毒の材料になる可能性がある! 気を付けてくれ」
(ハ! お任せ下さい!)
そうこうしているうちに、穴から水が迫ってくる音が響いてきた。来たか!
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