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16 アリの王②

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「ん、ん~~~!!」

~ おはようございます、マスター。領域拡張が完了しております ~

「了解~。ありがとコアさん」

 おはようございます。3日目の朝です。今日も一日頑張りましょう。
 軽く体を動かしながら辺りを確認する……見た感じ変わった感じはない。そう思いながら、報告のあった領域の状態を確認する。

「んん? なんだこれ?」

 領域の画面が、今までと変わっていた。
 所々にアイコンや画面の明暗が分かれて表示されていたので、適当な箇所をタップしてみる。

【土(劣)】【死毒(弱)】【砂】【石】

 と表示された。お~! 領域内ならある程度詳細が分かるようになったのか。今までは大雑把に何かある、程度しか分かってなかったからな~。有り難い……って【死毒(弱)】?

【死毒(弱)】
 一度放たれると、その地一帯が死に絶えることからこの名がついた。接触したものを破壊し原料にすることで、新たな毒を作り広がり続ける。低品質のものを原料に繰り返し増殖を行ったため品質が低下している。<猛毒LV1><増殖LV1>

 劣化すんのかよ!? ……あ~~、だからか?自分の領地まで増殖しないと踏んでこんな毒使ったのか。むしろ、元はこの程度の毒性だったのかもな。世界樹さんも、最初は違和感程度しか感じていなかったらしいし。世界樹を原料にしたから<猛毒LV7>とかになったんじゃなかろうか……ありそうだ。

 自分の現在地点を確認
 【ダンジョンコア】、【ダンジョンマスター】、【スポナー(小)】

 通路の適当なところを確認
 【純粘液(ピュア・スライム)】、【純蟲(ピュア・キャピター)】【蟲(キャピター)】……

 などなど、かなり便利になっていた。何故いきなりとも思ったが、まあ、予想は出来ている。

世界樹の迷宮(仮) 現在時刻06:13 (残り猶予 142:18:11)
LV:2
特性:植物
DP:6,060 DP
迷宮 創造 生産 倉庫 その他

 そう、迷宮のレベルが上がっていたのだ。いつの間に!?

~ マスターが就寝中に上昇いたしました ~

 ……もう少し早く上がってほしかった……いや、本当、まじで……。
 ……落ち込んでいても仕方がない。

「コアさん、迷宮のレベルが上がった時は報告して」

~ 承知いたしました ~

「あ、後、領域拡張100DP追加で」

~ 承知いたしました ~

 ではでは、確認の続きを……ん? ……んんん?
 世界樹の根の部分。アルト達の状態を見てみると、ちょうど毒と無毒との境目を剥がすように、土と木の部分に空間ができていた。
 よく見ると、層の様な形をしており、複数の小部屋と柱で構成されていた。まるで高層マンションやビルの様な構造だ。

 無事な根の部分も同じように空間が広がり続けていた……なんだ、この状況!?

「コアさん!映像!映像って見れない?」

~ ダンジョンLVが不足しています ~

 畜生~~~~~!!!
 ……仕方がない。新しく追加された機能、領域内の詳細確認を使ってみよう。まず現在拡張中の地点を確認。

攻撃蟻アルト・ファイター】【運搬蟻アルト・ポーター】【酸蟻アシッド・アルト】【純蟲ピュア・キャピター】【毒粘液ポイズン・スライム
【土(劣)】【死毒(弱)】【死毒】【砂】【石】

【ファイター】戦闘を得意とする。戦闘技能に補正(小)、筋力の成長に補正(小)
【ポーター】運搬技能に補正(小)、体力、筋力の成長に補正(小)
【アシッド】酸に適応した個体。酸技能に補正(小)。体力の成長に補正(小)

 ふむふむ、動きを見ていると。毒粘液(ポイズン・スライム)が毒を吸い、その跡を攻撃蟻アルト・ファイターが、木を砕き、土を掘る。掘ったものを運搬蟻アルト・ポーターが運び出し、純蟲ピュア・キャピターが木の砕き残りを食べる。そして酸蟻アシッド・アルトが持っている<糸>と<酸>技能を使って柱を作り、固めている……っと。
 え? 何この子達。俺、こんなことできる子になるように【創造】した覚えないんだけど……。
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