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4 死に至る毒
しおりを挟むおはようございます。多分……朝です。
え?なんで閉じ込められているのに時間が分かるかって? 理由はこれである。
世界樹の迷宮(仮) 残り猶予 165:15:34
LV:1
特性:植物
DP:12,378
迷宮 創造 作成 倉庫 その他
ダンジョンマスターの権限やらを手に入れたからか、こういった情報やメニューを観覧できるようになった。こう、前面にディスプレイが表示されて、思考でも、タッチパネルみたいに触れてでも操作できるみたいだ。
ゲームを始めた時の残り猶予が200時間位で、19時頃にゲームを始めたので、次の日の6~7時位じゃないかな~と……うん、一日削れてしまった。まぁ、同じ時間帯じゃなかったかもしれないし、異世界と元の世界で時間の流れが同じかも分からないけど。
~情報を適合中……・適合完了。一日の長さを24時間といたします~
~現在の時刻は 07:13 です~
あ、どもです。今の音声はこのダンジョンのコア? サポーター? みたいな方です。コアさんって呼んでいます。ダンジョン内の情報処理をしてくれるプログラムみたいなものだそうだ。
しかし、この世界の人種は何をやっているんだか……いくら何でもやりすぎでしょ。もうね、ぶち切れるのも仕方がないですわ……愚痴りたくもなるってもんです。
まぁ、一方の証言だけで決めるわけにもいかないし、こんな奴らばかりってことはないだろうけど……。
イライラしても始まらない。時間も限られていることですし、気を取り直して行動開始と行きましょう!
まずは現状できることの確認から。
【迷宮】
これはDPを使って自分の領域とダンジョンを作る。領域は言わば自分の縄張りの様なもので、この領域内でなければダンジョンとしての機能は使用できない。また、他者の領域を自分のものにするには余計なDPを消費する。ダンジョンを作る時は、形を決めDPを消費して作成するだけだ。何もない空間に作るときは、壁や天井などを作るのに大量のDPと素材を消費する。地中などの場合は、土を決めた形にくり抜き、周りの土をそのままダンジョンの壁として使用する。くり抜いた土は【倉庫】に送られる。また、壁の材質を変更することもできるが、変更するには同じく同量の素材が必要だ。
創造】
魔物、道具、技能、施設などの項目が在り、 外見・性能・効果などを決め、オリジナルの魔物や道具を創り登録できる。登録だけならDPは消費しない。既に存在しているものは、そのままでも、カスタマイズしての登録も出来る。在るかどうかはコアさんが判断してくれる。
【作成】
創造に登録したものを、DPを使用して作成する。作成したものは倉庫に送られるか、設置物以外は手元に直接出すことができる。
【倉庫】
手に入れた物や、作成で生産した物が一覧で表示され、設置物以外は自由に出し入れができる。設置物は迷宮の項目から設置できる。
だいたいこんな感じだ。
まずやらないといけないのは……領域の確保かな? 現在の領域はこの何もない部屋だけだし。周りの状態も確認したい。
「お?」
領域内にあるものなら詳細の確認ができる様だ……スキルでよく出る鑑定みたいな感じかな? なら、まず見るのはあの液体だろう。
「『鑑定』!!」
【死毒】
一度放たれると、その地一帯が死に絶えることからこの名がついた。接触したものを破壊し原料にすることで、新たな毒を作り広がり続ける。<猛毒LV7><増殖LV2>
「え˝?」
イヤ……、イヤイヤイヤ! 毒を流されたのは聞いていたけど、なんてもん使ってんだ!?
<猛毒LV7>はまだいいよ! イヤよくないけど! <増殖LV2>って何? 増えるの!? 馬鹿じゃねぇの!?
……ないわ~~。これ、自然破壊とか、自分の所まで浸食するとか考えなかったのか?
「は~~~~~~……」
早急になんとかしないと……まずは領域の確保と、毒ヘの対処方法の確立からかだな。
試しに100DP程使って領域がどれだけ広がるか試してみよう。
~100DPを使用して領域を拡張しますか?~
「イエスで」
……お、遅い。どうやら拡張には時間が掛かるらしい。早めに周りの状態を知りたかったのだが、仕方がない。コアさんや、ポイント使いきったら教えてくれ。
~承知いたしました~
次は毒対策! これは早急に対処しないといけない。なんせ時間が掛かるとそれだけ毒が増えることになるのだから!
パッと思いつくのは浄化装置とかろ過装置? これを【創造】で作るとどれぐらいかかる?
【浄化装置】
毒等の有害と判断されるものを無害化し排出する。コスト:500,000DP
【ろ過装置】
毒等の有害と判断されるものと、そうでないものを分離し排出する。コスト:10,000DP
「高!? なんでこんなに高いの?」
~明確な仕組みや構造、素材が決まっておらず材料も無いため、DPを使用し目的の結果を強引に引き起こしているためです~
ほうほう、つまりは細かく作れば作るほど無理がなくなり、その分コストも下がると。あとは素材があれば、それを使用してコストダウンできるのかな?
~肯定~
なるほど。う~ん、毒の無毒化とか知らんし、もし知っていてもこっちの世界に当てはまるかも分からん。そもそもこの毒ただの毒じゃないし、魔法とか魔力とかそっち系が関係しているだろ。
こちとら魔法世界2日目の超初心者だぞ? 仕組みを理解とか無理無理。ろ過装置は……いけるか? 装置に液体を入れて……どうする? ろ紙? フィルム? を作る……か? ……それも毒の材料にされるんじゃ? そもそも分離できるのか? もう全部毒なんじゃね? …… いや、もっと重要なことがあった。
「コアさんや、浄化とかろ過ってどれぐらい時間かかる?」
~現状の装置の場合1㎥を処理するのに約12時間かかります~
あ……
うん。諦めよう! いや、可能性としては捨てる気はないけど、主軸にするのはやめよう。今の自分じゃ使いこなせない。となると、あと可能性がありそうなのは……魔物かな?
【創造】の魔物の項目を選択する。
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