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王国改革2
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ーー 海の家、それぞれの思い。
海の家の装備や遊び道具の使い方が理解できたとこで、遊び尽くすことにした。
僕はシュノーケルと透明な謎物質で作った、海底散歩用のヘルメットをエアーホースにつなげて海底散歩に。
「「!!素晴らしいです!」」
興奮したクレア、ルシリー、メアリーが海から上がると、一斉に喋り出した。
ルビーも自国であるが、海に中を歩くと言う体験などしたこともなく、大変興奮の様子で
「これは素晴らしいものを教えてもらいました。」
と呟いていました。
泳げないセガール王国人は、浮き輪に乗って海の上を漂います。
ボートから釣り糸を垂らして魚釣りや、シュノーケルとモリで「取ったぞー。」ごっこしたりと楽しく海の遊びを楽しんだ後は、家に戻ってシャワータイム。
日焼けに対しては、癒しの魔法で無かったことに。
「海の塩をよく落としてね、特に髪の毛などはゴワゴワするからね。」
と注意しながら僕は、BBQの準備をする。
「これは何と言う料理ですか?」
と聞かれて思わず
「バーベキューです。」
と答えてしまった、聞いてきたルビー嬢が不審な目を。
海の幸を堪能した僕らは、疲れた身体を癒すようにその日は早めに就寝。
「エストニア伯爵様!あのベッドと寝具は私にも手に入れることが出来ますか?」
とルビー嬢が朝から興奮して聞いてきた。
かなりお気に入りのようだ、予備で持ってきていた物を取り出して馬車に積み込んでおいた。
「ありがとうございます。もう寝るのが楽しみです。」
と直ぐに馬車を自宅に向かわせていた。
その後ダイアナ王女様から
「私の分はないのですか?」
と言う注文がありました。
結局20セットも送らされました。
7日間の海の家のバカンスに満足した一行は、来年の赤の休みを楽しみに王国に戻ったのであった。
ーー シスター・イナミラー
イナミラーはダメで元々という思いで、領主邸に向かい
「中央教会から参りました、エストニア伯爵領内において布教活動をお許しいただきたいのですが。」
と申し出ると。
「教会の方ですね、一応領主様から了解は得ていますが、積極的な協力はできないと伺っております。」
と言いながら街の地図を広げ、
「此処に空き地があります。此処が教会建設予定地です。今は小さな建物が一つ立っていますが、好きに使って良いと聞いていますので確認してください・・・これが入り口の鍵です。」
と建物の鍵を渡してくれました。
私は信じられぬ思いでそれを受け取ると、その場所へ向かいました。
少し街から離れたところにそれはありました、
「街が見渡せる小高い丘の上ね。とてもいいと思います。」
場所に納得した私は、鍵で建物の中に入ってみます。
建物は祈りを行う建物と関係者が生活をする建物が渡り廊下のような物で繋がった造りで、小さいとはいえ立派な物だと思いました。
礼拝堂に入ると、幻想的な光と高い天井がとても神秘的です。
生活棟は、あの宿のように一通りの家具が揃っており、何時でも生活ができそうです。
「エストニア伯爵様は敬虔な一神教徒なのでしょうか?でもお話を伺うに違うような。・・これは私たちへの試練なのかもしれませんね。頑張ってみたいと思います。」
と独り言のように決意を語るシスター・イナミラーであった。
ーー 避暑地の別荘では。
僕が海の家に飛んでいる間、別荘に残っていたメンバー達は、楽しく休日を楽しんでいたようで、皆リフレッシュできていた。
しかしもうそろそろ戻ろうかというタイミングで、お母様達が押し寄せてきて社交が始まり、大変になりそうなとこでどうにか帰ってこれたと男性陣が、そう女性陣はそのまま捕まり社交のレッスンを受けているそうだ。
僕は連絡を受けたクロニアル君と合流すると、シロを連れて伯爵領に向かった。
ーー 伯爵領にて。
「エリス男爵、何か問題はないですか?」
僕は領主邸に着くと出迎えた領主代行に質問した。
「問題はございません、ただ中央教会からシスターが1名派遣されたようです。」
と説明を受けた。
「ふーん。」
僕は少しだけ注意することにして、街に視察に出た。
「本当にこの街は大きく綺麗になったね。人も多いし、他所から訪れた者なら此処が王都と勘違いするかもしれないね。」
クロニアル君がそう言う、僕も褒められて嬉しい。
沢山の街の住民が僕を見かけると挨拶をしてくれる。
嬉しいことだ、もっと此処を住みやすくしなければと思う僕。
街外れの小高い丘の上の建物に近づくと、女性が1人洗濯をしていた。
見ると周囲に畑らしい耕された土地が見える。
此処で1人自給自足するつもりだろうか?そう思いながらさらに近づくと。
「シスター、これを教えて!」
と数人の少女の声が聞こえて、シスターと呼ばれた女性は建物の中に。
「エスト様、あの女性がシスターの様ですが誰か他にもいそうですね。」
とクロニアル君が言うのに頷きながら、僕らは教会の門でノッカーを叩く。
暫くすると先ほどの女性が姿を見せ、
「何か御用でしょうか?此処は一応教会となっております。」
と僕らの目的を尋ねてきた。
「はい知っていますよ。僕らは領主邸からきた者です。お話を聞きに伺いました。」
とクロニアル君が目的を伝えると
「まあ、領主邸から。どうぞ中に。」
と女性は僕らを案内し始めた。
「今、街の子ども達が裁縫の練習をしているのですよ。」
と明るく話すシスターを見ると、こういうのも悪くはないのかもしれないと思う僕。
中に入ると10人程の少女らが、一生懸命に洋服を縫っていた。
「これは何の為に?」
と思わず口に出した僕にシスターは
「今この街では領主様が流行らせた洋服が、大流行中と伺っております。しかし少女達など成長が早い者へ都度買い与える家など稀です。そこで布地を安く買いそれを自分に合わせて服を作るのです。」
と説明してくれるシスターの話を聞きながら、少女達の様子を見ていた僕は型紙をいくつか取り出して
「これは君たちくらいの身体つきの者の型紙だ、これを使えばより簡単に服を作れるだろう。」
と数枚の型紙を手渡すと、喜んで手にした少女が
「ありがとうございます、領主様。」
とお礼を言う。
それを聞いたシスターが
「領主様!・・失礼しました、私は中央教会から参りましたイナミラーと申します。」
と慌てて挨拶をし始めたのを手で制し、
「以前お会いしたので必要ないですよ。それよりシスターは縫製などが出来るのですね。」
と言うと
「覚えていただきありがとうございます。縫製は貧しい村や地域に派遣された際に教える為に、教会で習うものの一つです。」
と言う答えに、教会も意外と悪くはないのかと考えを改める僕。
「そうですか、何か不足している物はありませんか?」
と言う問いにシスターは
「これ以上いただいては、試練になりませんので。」
と断った。
『試練?何のことだろう。』と思いながら僕は
「それならば、皆んなの見本になる様にいくつかの服を展示しておきましょう。」
と言うと人型の木枠(マネキンもどき)を5つほど取り出すと、少女らに手伝ってもらい新しいデザインの洋服を10着取り出して、木枠に着付けさせた。
残りを少女に手渡し、
「ときどき着せ替えてください。」
と頼んだ。
その後はシスター・イナミラーと話をしながら人となりを確認した。
「問題ない人物の様だ。」
これが僕の感想だった。
ーー 黄の休み
ドタバタとした日を過ごしているうちに黄の休みになっていた。
『1年が早かったな』と思いつつも、最後の学園生活をどう過ごそうかと考えていた。
今年も卒業生を10人程家臣として伯爵領内に招いた。
僕の領地は今空前の就職優良物件としての人気が高まっている。
他のメンバーの領地も同じ様な状況で、王国全体が好景気にある様だ。
『バブル?』とも思ったが此処は異世界、また違うんだろうな。
ーー マッケンジー子爵、ミリア男爵。
今僕らの領地が好景気で、卒業生の諸先輩方から「どこでもいいから仕えさせてくれないか」と言う話が多くきている。
他にも親族からの同じような話が多く、対応に大忙しだ。
ただエスト様のおかげで、暫くは人材不足で悩む必要はない様だ。
ーー レリーナ・セリーナ両男爵領。
私たちのダンジョンも中型から大型のダンジョンに成長した模様で、ダンジョン攻略の冒険者が多く街に滞在する様になった。
ダンジョン管理と街の治安維持の人員が不足しつつあり、増員は双方に良い結果をもたらしている。
多くの人材を必要とする領地があれば、食料自給率の低下や人に流れが変わったことから、商人などが離れ経済的にも下降気味の領地も多く、これからますます領民の生活が悪くなることが予想される。
僕はそのことを危惧して、国王を通じて技術を伝承しようとしたが、それぞれの領地の多くがそれを拒否、今後の状況を見定めているところだ。
僕としては、多くの食料を備蓄して最悪に対応する準備はしているが、どうなるかは領主などのプライドとの兼ね合いだろうか。
ーー 黄の季節、学園生活と王国内の状況。
高等科2年になると最後の学年のため、学園行事よりも卒業後に備えた活動がメインになる。
僕らのメンバーは、領地の管理運営についても順調なことから、王国から内密に幾つかの依頼を受けていた。
・魔物の駆除依頼
・ダンジョンの攻略依頼
・耕作地の拡大と食糧生産性の向上依頼
・生活水準の向上とその施工依頼
である、ダンジョンの攻略は、冒険者が多く挑戦中であることからそこまで関与する必要はないと考えている。
それ以外はその地域の領主が主体となって対応する事案であるため、一冒険者を装おい視察の様なものをしてからの対応になる予定だ。
「全く自分で解決できないなら、プライドも何もないと思うのだが」
とぼやきながら僕らはある地区の冒険者ギルドに顔を出した。
ーー イーリッヒ侯爵地方の冒険者ギルド。
「やっぱりこの辺りに来ると、街も村も人の活気がないね。」
ミリア嬢が言えば、
「実りの季節なのに、実入が悪く見えるわ。」
とレリーナ嬢が農作物を見ながら呟く。
「このままでは良くないね、多分森の魔物も・・。早めに状況を確認しよう。」
と言いながら僕らは街の冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルド。
ギルドの入ると、閑散としていた。
依頼が貼りだられている壁には重なる様に依頼書が。
「どう言うことだ?依頼はあるのに人がいない。」
と呟いていると、職員と思われる女性が
「冒険者の方ですか?依頼を受けてもらえませんか?」
余困り果てた様な顔で声をかけてきた。
「これはどうしたんですか?冒険者がいないのは何故?」
と僕が聞くと
「もっと活気があって、実入の良い地域に行くと言って、ほとんどの冒険者が去ってしまって・・・。」
「魔物被害はどうですか?」
「まだそれほどではないんですが、これ以上放置すると危険だと思います。」
「領主への依頼はどうなっていますか?」
「領主様はあまり危機感がない様で・・・まだよい答えをいただいていません。」
と答えたた。
どうやら冒険者がと言うよりもこれは、領主の管理責任放棄の様だ。
僕らは此処でいくら魔物を退治しても、僕らがさった後に同じことが繰り返されると感じ、被害を抑えるための活動に切り替えた。
「森に近い集落を周り、防壁の強化や避難の目安を教えて回るべきだね。」
と言う僕の意見に皆が賛同し、森に向けて馬車を走らせた。
ーー ある村。
此処は中央森林の近くの村、村人は100人ほど。
村に入ると怪我人が多くみられた。
「どうしたんですか?えらく怪我人が多い様ですが。」
と村人に尋ねると
「森に入った者が最近魔物に襲われていてね。山仕事もできず困っているんだ。」
と村人が答えてくれた。
村の防御柵を見ると、かなりくたびれて大型の魔物がくればあっという間に押し込まれそうな柵だった。
村長に声をかけて
「森の魔物が活発化している様だ、溢れ出ることもあり得る。僕らの出来るのは防御柵の強化程度だが、勝手にしてもいいか」
と聞くと
「金が無いので、無料でしてくれるなら大助かりだ。」
と言う村長。
僕らは二手に分かれた、柵を強化する僕と森の魔物がを狩って、村の食料確保と危険を緩和するチームに。
僕は土魔法を駆使し、大きく深い掘りを先ず村を大きく囲む様に作る。
掘り出した残土を岩に性質変換しながら城壁の様な壁を立てていく。
それが完成した後、村の中に深い井戸を何本か掘る。
十分な水量を確保するとその一部を外堀に流す。
10日もすれば十分深い堀になるだろうから、魔物の心配はかなり軽減されただろう。
その頃森に狩りに行っていたメンバーが戻ってきた。
村の食料とお金になりそうな魔物を多く出すと、村長に
「これらの魔物は差し上げるが、多分このままでは森から魔物があるれるのも時間の問題だと思う。
溢れれば暫く人の住めない様な荒地に変わるので、今のうちに避難するかどうか考えておいた方がいい。
今のところ領主は動かないとギルドで言っていたので、村長であるあなたの判断が大切だと思う。」
と言うと村を去った。
「あの村大丈夫化しら?」
セリーナが呟くのに僕は
「分からないね。僕らではこれ以上は力になれないよ。」
と答えた。
7日の間その様な村を5つほど見つけ同じ様に防護柵を強化して回ったが、焼石に水の様な感じがしていた。
その間に僕は、王国に見た情報を送り続けていたが、これ以上することがないと帰ることにした。
ーー 森の魔物氾濫と無責任な領主達。
僕らが去った後、3日後にその前兆は起こり出した。
最初の村の村長が、新しく出来た見張り台の上に居た村人から、森の様子がおかしいと連絡を受け見張り台に登って。
「あれは何だ?森が動いておる。」
と村長が言った途端、森から大きな魔物が数十数百と溢れ出てきた。
「本当に魔物が溢れた!皆のもの、急いで家に避難するのだ!」
大声を上げて、新しく出来た跳ね橋を引き上げ魔物が通り過ぎるのを祈る様に待つだけだった。
その地方を治める領主にその連絡がきたのは、発生から半日が経った頃だった。
警戒さえしていない領主に連絡が来るのが遅いのは当然、しかも備えすらしていなかった。
森から溢れた魔物は、次々に村や街を飲み込みながら領主の住む街に向かっていった。
まるでそこに誘導される様に。
田畑は荒れ、建物は崩壊していく様は本当に凄惨な事態だった。
3日後には領主邸の目の前まで魔物が押し寄せ、領主は建物ごとその身体の一部さえ分からなくなるほどの攻撃を受けた。
国王から森の異常の情報を受けたイーリッヒ侯爵が、緩慢な動きで兵を集め対応の準備をしている頃のことであった。
その後魔物はそれこそイーリッヒ侯爵の領地を目指すように、纏まると移動を始めた。
そこにきて急に慌て始めた、侯爵。
時すでに遅く、魔物は侯爵地方を蹂躙する形で暴れ回り、遂には侯爵の領主邸まで半壊の被害を受けるまでになった。
魔物の脅威がさり、国王の視察団が地域を巡回視察すると、奇跡的に森の周辺の村5つはほとんど被害がなく、それ以外の特に領主のいる街は壊滅的な被害を受けていた。
これらを重く見た国王は、イーリッヒ侯爵を呼びつけると
「なぜ早々に対処しなかった。いくつも情報は上がっていただろうが?」
とその責任を追求し、侯爵を子爵に更迭し国王の名を持ってある人物に復興を下命した。
海の家の装備や遊び道具の使い方が理解できたとこで、遊び尽くすことにした。
僕はシュノーケルと透明な謎物質で作った、海底散歩用のヘルメットをエアーホースにつなげて海底散歩に。
「「!!素晴らしいです!」」
興奮したクレア、ルシリー、メアリーが海から上がると、一斉に喋り出した。
ルビーも自国であるが、海に中を歩くと言う体験などしたこともなく、大変興奮の様子で
「これは素晴らしいものを教えてもらいました。」
と呟いていました。
泳げないセガール王国人は、浮き輪に乗って海の上を漂います。
ボートから釣り糸を垂らして魚釣りや、シュノーケルとモリで「取ったぞー。」ごっこしたりと楽しく海の遊びを楽しんだ後は、家に戻ってシャワータイム。
日焼けに対しては、癒しの魔法で無かったことに。
「海の塩をよく落としてね、特に髪の毛などはゴワゴワするからね。」
と注意しながら僕は、BBQの準備をする。
「これは何と言う料理ですか?」
と聞かれて思わず
「バーベキューです。」
と答えてしまった、聞いてきたルビー嬢が不審な目を。
海の幸を堪能した僕らは、疲れた身体を癒すようにその日は早めに就寝。
「エストニア伯爵様!あのベッドと寝具は私にも手に入れることが出来ますか?」
とルビー嬢が朝から興奮して聞いてきた。
かなりお気に入りのようだ、予備で持ってきていた物を取り出して馬車に積み込んでおいた。
「ありがとうございます。もう寝るのが楽しみです。」
と直ぐに馬車を自宅に向かわせていた。
その後ダイアナ王女様から
「私の分はないのですか?」
と言う注文がありました。
結局20セットも送らされました。
7日間の海の家のバカンスに満足した一行は、来年の赤の休みを楽しみに王国に戻ったのであった。
ーー シスター・イナミラー
イナミラーはダメで元々という思いで、領主邸に向かい
「中央教会から参りました、エストニア伯爵領内において布教活動をお許しいただきたいのですが。」
と申し出ると。
「教会の方ですね、一応領主様から了解は得ていますが、積極的な協力はできないと伺っております。」
と言いながら街の地図を広げ、
「此処に空き地があります。此処が教会建設予定地です。今は小さな建物が一つ立っていますが、好きに使って良いと聞いていますので確認してください・・・これが入り口の鍵です。」
と建物の鍵を渡してくれました。
私は信じられぬ思いでそれを受け取ると、その場所へ向かいました。
少し街から離れたところにそれはありました、
「街が見渡せる小高い丘の上ね。とてもいいと思います。」
場所に納得した私は、鍵で建物の中に入ってみます。
建物は祈りを行う建物と関係者が生活をする建物が渡り廊下のような物で繋がった造りで、小さいとはいえ立派な物だと思いました。
礼拝堂に入ると、幻想的な光と高い天井がとても神秘的です。
生活棟は、あの宿のように一通りの家具が揃っており、何時でも生活ができそうです。
「エストニア伯爵様は敬虔な一神教徒なのでしょうか?でもお話を伺うに違うような。・・これは私たちへの試練なのかもしれませんね。頑張ってみたいと思います。」
と独り言のように決意を語るシスター・イナミラーであった。
ーー 避暑地の別荘では。
僕が海の家に飛んでいる間、別荘に残っていたメンバー達は、楽しく休日を楽しんでいたようで、皆リフレッシュできていた。
しかしもうそろそろ戻ろうかというタイミングで、お母様達が押し寄せてきて社交が始まり、大変になりそうなとこでどうにか帰ってこれたと男性陣が、そう女性陣はそのまま捕まり社交のレッスンを受けているそうだ。
僕は連絡を受けたクロニアル君と合流すると、シロを連れて伯爵領に向かった。
ーー 伯爵領にて。
「エリス男爵、何か問題はないですか?」
僕は領主邸に着くと出迎えた領主代行に質問した。
「問題はございません、ただ中央教会からシスターが1名派遣されたようです。」
と説明を受けた。
「ふーん。」
僕は少しだけ注意することにして、街に視察に出た。
「本当にこの街は大きく綺麗になったね。人も多いし、他所から訪れた者なら此処が王都と勘違いするかもしれないね。」
クロニアル君がそう言う、僕も褒められて嬉しい。
沢山の街の住民が僕を見かけると挨拶をしてくれる。
嬉しいことだ、もっと此処を住みやすくしなければと思う僕。
街外れの小高い丘の上の建物に近づくと、女性が1人洗濯をしていた。
見ると周囲に畑らしい耕された土地が見える。
此処で1人自給自足するつもりだろうか?そう思いながらさらに近づくと。
「シスター、これを教えて!」
と数人の少女の声が聞こえて、シスターと呼ばれた女性は建物の中に。
「エスト様、あの女性がシスターの様ですが誰か他にもいそうですね。」
とクロニアル君が言うのに頷きながら、僕らは教会の門でノッカーを叩く。
暫くすると先ほどの女性が姿を見せ、
「何か御用でしょうか?此処は一応教会となっております。」
と僕らの目的を尋ねてきた。
「はい知っていますよ。僕らは領主邸からきた者です。お話を聞きに伺いました。」
とクロニアル君が目的を伝えると
「まあ、領主邸から。どうぞ中に。」
と女性は僕らを案内し始めた。
「今、街の子ども達が裁縫の練習をしているのですよ。」
と明るく話すシスターを見ると、こういうのも悪くはないのかもしれないと思う僕。
中に入ると10人程の少女らが、一生懸命に洋服を縫っていた。
「これは何の為に?」
と思わず口に出した僕にシスターは
「今この街では領主様が流行らせた洋服が、大流行中と伺っております。しかし少女達など成長が早い者へ都度買い与える家など稀です。そこで布地を安く買いそれを自分に合わせて服を作るのです。」
と説明してくれるシスターの話を聞きながら、少女達の様子を見ていた僕は型紙をいくつか取り出して
「これは君たちくらいの身体つきの者の型紙だ、これを使えばより簡単に服を作れるだろう。」
と数枚の型紙を手渡すと、喜んで手にした少女が
「ありがとうございます、領主様。」
とお礼を言う。
それを聞いたシスターが
「領主様!・・失礼しました、私は中央教会から参りましたイナミラーと申します。」
と慌てて挨拶をし始めたのを手で制し、
「以前お会いしたので必要ないですよ。それよりシスターは縫製などが出来るのですね。」
と言うと
「覚えていただきありがとうございます。縫製は貧しい村や地域に派遣された際に教える為に、教会で習うものの一つです。」
と言う答えに、教会も意外と悪くはないのかと考えを改める僕。
「そうですか、何か不足している物はありませんか?」
と言う問いにシスターは
「これ以上いただいては、試練になりませんので。」
と断った。
『試練?何のことだろう。』と思いながら僕は
「それならば、皆んなの見本になる様にいくつかの服を展示しておきましょう。」
と言うと人型の木枠(マネキンもどき)を5つほど取り出すと、少女らに手伝ってもらい新しいデザインの洋服を10着取り出して、木枠に着付けさせた。
残りを少女に手渡し、
「ときどき着せ替えてください。」
と頼んだ。
その後はシスター・イナミラーと話をしながら人となりを確認した。
「問題ない人物の様だ。」
これが僕の感想だった。
ーー 黄の休み
ドタバタとした日を過ごしているうちに黄の休みになっていた。
『1年が早かったな』と思いつつも、最後の学園生活をどう過ごそうかと考えていた。
今年も卒業生を10人程家臣として伯爵領内に招いた。
僕の領地は今空前の就職優良物件としての人気が高まっている。
他のメンバーの領地も同じ様な状況で、王国全体が好景気にある様だ。
『バブル?』とも思ったが此処は異世界、また違うんだろうな。
ーー マッケンジー子爵、ミリア男爵。
今僕らの領地が好景気で、卒業生の諸先輩方から「どこでもいいから仕えさせてくれないか」と言う話が多くきている。
他にも親族からの同じような話が多く、対応に大忙しだ。
ただエスト様のおかげで、暫くは人材不足で悩む必要はない様だ。
ーー レリーナ・セリーナ両男爵領。
私たちのダンジョンも中型から大型のダンジョンに成長した模様で、ダンジョン攻略の冒険者が多く街に滞在する様になった。
ダンジョン管理と街の治安維持の人員が不足しつつあり、増員は双方に良い結果をもたらしている。
多くの人材を必要とする領地があれば、食料自給率の低下や人に流れが変わったことから、商人などが離れ経済的にも下降気味の領地も多く、これからますます領民の生活が悪くなることが予想される。
僕はそのことを危惧して、国王を通じて技術を伝承しようとしたが、それぞれの領地の多くがそれを拒否、今後の状況を見定めているところだ。
僕としては、多くの食料を備蓄して最悪に対応する準備はしているが、どうなるかは領主などのプライドとの兼ね合いだろうか。
ーー 黄の季節、学園生活と王国内の状況。
高等科2年になると最後の学年のため、学園行事よりも卒業後に備えた活動がメインになる。
僕らのメンバーは、領地の管理運営についても順調なことから、王国から内密に幾つかの依頼を受けていた。
・魔物の駆除依頼
・ダンジョンの攻略依頼
・耕作地の拡大と食糧生産性の向上依頼
・生活水準の向上とその施工依頼
である、ダンジョンの攻略は、冒険者が多く挑戦中であることからそこまで関与する必要はないと考えている。
それ以外はその地域の領主が主体となって対応する事案であるため、一冒険者を装おい視察の様なものをしてからの対応になる予定だ。
「全く自分で解決できないなら、プライドも何もないと思うのだが」
とぼやきながら僕らはある地区の冒険者ギルドに顔を出した。
ーー イーリッヒ侯爵地方の冒険者ギルド。
「やっぱりこの辺りに来ると、街も村も人の活気がないね。」
ミリア嬢が言えば、
「実りの季節なのに、実入が悪く見えるわ。」
とレリーナ嬢が農作物を見ながら呟く。
「このままでは良くないね、多分森の魔物も・・。早めに状況を確認しよう。」
と言いながら僕らは街の冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルド。
ギルドの入ると、閑散としていた。
依頼が貼りだられている壁には重なる様に依頼書が。
「どう言うことだ?依頼はあるのに人がいない。」
と呟いていると、職員と思われる女性が
「冒険者の方ですか?依頼を受けてもらえませんか?」
余困り果てた様な顔で声をかけてきた。
「これはどうしたんですか?冒険者がいないのは何故?」
と僕が聞くと
「もっと活気があって、実入の良い地域に行くと言って、ほとんどの冒険者が去ってしまって・・・。」
「魔物被害はどうですか?」
「まだそれほどではないんですが、これ以上放置すると危険だと思います。」
「領主への依頼はどうなっていますか?」
「領主様はあまり危機感がない様で・・・まだよい答えをいただいていません。」
と答えたた。
どうやら冒険者がと言うよりもこれは、領主の管理責任放棄の様だ。
僕らは此処でいくら魔物を退治しても、僕らがさった後に同じことが繰り返されると感じ、被害を抑えるための活動に切り替えた。
「森に近い集落を周り、防壁の強化や避難の目安を教えて回るべきだね。」
と言う僕の意見に皆が賛同し、森に向けて馬車を走らせた。
ーー ある村。
此処は中央森林の近くの村、村人は100人ほど。
村に入ると怪我人が多くみられた。
「どうしたんですか?えらく怪我人が多い様ですが。」
と村人に尋ねると
「森に入った者が最近魔物に襲われていてね。山仕事もできず困っているんだ。」
と村人が答えてくれた。
村の防御柵を見ると、かなりくたびれて大型の魔物がくればあっという間に押し込まれそうな柵だった。
村長に声をかけて
「森の魔物が活発化している様だ、溢れ出ることもあり得る。僕らの出来るのは防御柵の強化程度だが、勝手にしてもいいか」
と聞くと
「金が無いので、無料でしてくれるなら大助かりだ。」
と言う村長。
僕らは二手に分かれた、柵を強化する僕と森の魔物がを狩って、村の食料確保と危険を緩和するチームに。
僕は土魔法を駆使し、大きく深い掘りを先ず村を大きく囲む様に作る。
掘り出した残土を岩に性質変換しながら城壁の様な壁を立てていく。
それが完成した後、村の中に深い井戸を何本か掘る。
十分な水量を確保するとその一部を外堀に流す。
10日もすれば十分深い堀になるだろうから、魔物の心配はかなり軽減されただろう。
その頃森に狩りに行っていたメンバーが戻ってきた。
村の食料とお金になりそうな魔物を多く出すと、村長に
「これらの魔物は差し上げるが、多分このままでは森から魔物があるれるのも時間の問題だと思う。
溢れれば暫く人の住めない様な荒地に変わるので、今のうちに避難するかどうか考えておいた方がいい。
今のところ領主は動かないとギルドで言っていたので、村長であるあなたの判断が大切だと思う。」
と言うと村を去った。
「あの村大丈夫化しら?」
セリーナが呟くのに僕は
「分からないね。僕らではこれ以上は力になれないよ。」
と答えた。
7日の間その様な村を5つほど見つけ同じ様に防護柵を強化して回ったが、焼石に水の様な感じがしていた。
その間に僕は、王国に見た情報を送り続けていたが、これ以上することがないと帰ることにした。
ーー 森の魔物氾濫と無責任な領主達。
僕らが去った後、3日後にその前兆は起こり出した。
最初の村の村長が、新しく出来た見張り台の上に居た村人から、森の様子がおかしいと連絡を受け見張り台に登って。
「あれは何だ?森が動いておる。」
と村長が言った途端、森から大きな魔物が数十数百と溢れ出てきた。
「本当に魔物が溢れた!皆のもの、急いで家に避難するのだ!」
大声を上げて、新しく出来た跳ね橋を引き上げ魔物が通り過ぎるのを祈る様に待つだけだった。
その地方を治める領主にその連絡がきたのは、発生から半日が経った頃だった。
警戒さえしていない領主に連絡が来るのが遅いのは当然、しかも備えすらしていなかった。
森から溢れた魔物は、次々に村や街を飲み込みながら領主の住む街に向かっていった。
まるでそこに誘導される様に。
田畑は荒れ、建物は崩壊していく様は本当に凄惨な事態だった。
3日後には領主邸の目の前まで魔物が押し寄せ、領主は建物ごとその身体の一部さえ分からなくなるほどの攻撃を受けた。
国王から森の異常の情報を受けたイーリッヒ侯爵が、緩慢な動きで兵を集め対応の準備をしている頃のことであった。
その後魔物はそれこそイーリッヒ侯爵の領地を目指すように、纏まると移動を始めた。
そこにきて急に慌て始めた、侯爵。
時すでに遅く、魔物は侯爵地方を蹂躙する形で暴れ回り、遂には侯爵の領主邸まで半壊の被害を受けるまでになった。
魔物の脅威がさり、国王の視察団が地域を巡回視察すると、奇跡的に森の周辺の村5つはほとんど被害がなく、それ以外の特に領主のいる街は壊滅的な被害を受けていた。
これらを重く見た国王は、イーリッヒ侯爵を呼びつけると
「なぜ早々に対処しなかった。いくつも情報は上がっていただろうが?」
とその責任を追求し、侯爵を子爵に更迭し国王の名を持ってある人物に復興を下命した。
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突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
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山奥に住む男は定年後、実家のあった田舎に移り住んだUターン者である。
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その部屋には脇に机が一つ置かれてあり和紙の紙束と日本刀が一振り置いてあった。
紙束を開くとそこには自分の先祖と思われる人物の日記が書かれていた。
『この先はこの世でない世界が広がり、見たことも聞いたこともない人々や
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世界において身に付いた技や力は現世に戻っても変わることがない。志ある
ならひと旗あげるのも一興、ゆめゆめ疑うことなかれ。』
最後のページにはこの言葉と「後は子孫に託す」との言葉で締められていた。
男は刀を腰に下げると出口と思われる方に歩きだした、10歩も歩かぬうちに光に包まれ森の洞窟の出口あたりに立っていた。
立っていた場所から車一台分の幅で未舗装であるがしっかりとした道路がなだらかな地形に沿って続いているのが見える、そこで男は食料や水を持っていなかったことに気付き一旦洞窟の方に歩き出すと、いつのまにか石室に立っておりそのまま歩くと隧道の入り口に立っていた、違っているのは17・8歳の若々しい身体の自分と腰に下げた刀が不思議な体験を事実と肯定していた。
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