神の加護を受けて異世界に

モンド

文字の大きさ
上 下
24 / 27

第三章新たな旅立ちへ

しおりを挟む
ーー 新しい我が家


ここで僕の王都の家について話しておこう。

今まで僕は、中央教会関係の施設で生活をおこなっていたのだが、教皇様が

「使徒様に相応しい家を用意しましょう。」

と言われ、王都に僕の自宅を与えてくれたのだが、今まで使用する必要が無かったので使っていなかったのだ。

アーヤ達と一緒に暮らすことになった今、王都の自宅に住むことにしたのだった。

自宅は屋敷と言っていいほどの大きさがあり、常にメイドと執事が常駐していて何時でも対応できる様になっていた。


馬車で屋敷の門を潜ると、門番と言える者が

「お帰りなさいませ。使徒様。」

と迎え入れ、すぐに現れた執事が

「この屋敷の専属執事のガレイと申します。何かございますれば私に。」

と言いながら屋敷内に案内してくれた。

するとエントランスに10人ほどのメイドや調理人その他の者が揃い

「「お帰りなさいませ。」」

と頭を下げて迎え入れてくれた、その様子を見て

アーヤやミルは目を見張って驚いていた。


そこで僕は、

「僕の家族を紹介するね。

この子がミル、そしてこの子がアーヤという僕の妹達だ。

それとエストレーナは知っていると思うが彼女はお姉さんだから覚えておいてね。」

と言うと、執事のガレイに

「僕の家族に部屋を案内してもらいたいのだが大丈夫かな。」

と問えば、

「勿論大丈夫でございます。使徒様は勿論他の家族の方々のお部屋に案内させてもらいます。」

と言うとメイド頭と思われる女性に指示をしていた。


その後僕らはそれぞれの部屋で寛ぐと夕食の時間まで一人の時間を楽しんだ。




ーー アーヤとミル  side



私たちは二人とも家族が一族に捨てられたり殺され生き残ったりして天涯孤独となった二人。

そんな私たちを助け、拾って、家族だと言うカムイお兄ちゃんに付いて人族の国の王都にやって来た。

見たことも聞いたこともない様な人の数と大きな建物に驚いていたら、大きなお屋敷に着いた。

そこはカムイお兄ちゃんの家の様で、たくさんの人が出迎えてくれ、私たちにまで優しくしてくれた。

1番驚いたのは、自分だけの部屋、と言っても昔住んでいた家ぐらいの広さがあるのだが、

そこが私だけの部屋だと案内されたことだ。

余りにも広く豪華な部屋に居た堪れなくなり、思わず隣の部屋のミルの部屋に入り二人で一緒に色々と見たり触ったりしながら時間を過ごしました。

本当にカムイお兄ちゃんは、使徒様と呼ばれている立派な人の様です。



ーー 報告と僕の使命


次の日、僕は中央教会の教皇様の部屋にて報告をおこなっていた。

「・・・、と言うことでゼスト王国は、この世界から消えましたので報告します。」

と報告を終えると教皇様は、

「お疲れ様でした。魔物のスタンピードを利用し我が国を蹂躙しようと画策するなど、恐れを知らぬ者達でしたね。

その為に、家族を失ったケットシーや迫害を受けたハーフエルフの子供などを養子として家族に迎えたことは良かったと思います。

今後も貴方の良心に沿って判断をしてください。」

と僕の判断を認めてくれた。





ーー 聖騎士エストレーナ  side




私は今実家を訪れている。

その理由は、使徒様が私の事を「家族でお姉様だ。」と仰ったからだ。

今までもこの身を使徒様に捧げていたのだが、

今回のお言葉で名実ともに使徒様の家族として使える為に実家に挨拶に来たのだ。


「父上、母上今まで私を育ててもらい大変感謝しております。

この度、使徒様から家族にと言われ私はこの家を離れることに致しました。

これからは使徒様の元で私の生き様を見ていてください。」

と言うと、父上は

「お前の気持ちは分かった、存分に使えるがよい」

と言い、母上は

「身体だけは気お付けてね、それに貴方かなり若返っていない?」

と言われ、

「はい、使徒様の聖なる気を受けると私は若返って今以上に尽くす時間をいただけるようです。」

と答えると、

「出来れば結婚をしてもらいたかったけど・・。」

と心残りがある様だが私は、

「私は、使徒様と共に生きる道を選びました。

後悔は無く喜びしか感じていません。

本当に今までありがとうございました。」

と感謝を伝えると、身の回りの品を持って家を出たのであった。



ーー 中央教会にて


シスターアリアに会う為に僕は、中央教会の一室を訪れていた。

「昨日戻りました、詳細は教皇様に報告済みです。

それとは別に僕に家族が出来ました。」

とアーヤやミルの話をしてエストレーナをお姉さんにしたと言うと。

シスターアリアは、笑顔で

「それは大変いい事ですね、家族を大事にしてください。」

と喜んでくれた。



ーー  王都での生活


僕はしばらく王都で生活することにした、それはアーヤやミルが早くこの生活に慣れるようにという配慮であった。

どこかびくついていた二人も3ヶ月程すると、かなり慣れてきた様で安心した。

中でもエストレーナのお姉さんぶりは、非常なもので楽しい我が家の名物となりつつあった。

エストレーナが言うに

「私には、兄弟という者がなくこんな可愛い兄弟が出来たことに毎日興奮しております。」

と喜んでいたが少しばかり、シスコンが強い感じがしていますが・・良いでしょう。



ーー  一枚の手紙


こんな感じで王都の生活を満喫していると、屋敷の僕宛に一通の手紙が届けられた。

その手紙は、辺境の教会を通じて届けられたもので

「使徒様にお願い申し上げます。

私は、開拓村エースに両親と住むカエデと言います。

この村は今とても大変な危機に遭っています、それは

食糧不足と魔物の脅威それと病気です。

どうかこの危機から村を助けてください。

お願いします。
       エース村  カエデ          」

と書かれていた。

調べてみるとこの村は、この国西端に位置する辺境の開拓村で手紙の様な状況が続いており、周辺の改革村の多くが廃村となっている様だ。

僕は人々を助ける為、新たな旅に向かう事を決め準備を始めました。

この旅には、家族みんなが同行すると言ってくれました。

「さあ、皆んな人助けの旅に向かうよ。馬車に乗って!」

と掛け声をかけ馬車を走らせたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...